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ペスカローロ・スポーツが新型プロトタイプカーを発表。新シリーズの開催も

2017年06月08日 15:52  AUTOSPORT web

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ペスカローロ04-LMは重量880kg、最高速度310km/h
フランスのル・マンに拠点を置くペスカローロ・スポートは6月8日、ル・マン24時間レースで4回の優勝を飾ったフランスの英雄、アンリ・ペスカローロの名を冠したプロトタイプマシン『ペスカローロ04-LM』を発表した。

 ペスカローロ・スポートは、シボレーの6.2リッターエンジンを搭載する新型マシンの公開と同時に、同車を使用して争われる新たなワンメイクレースを開催することもあわせてアナウンス。

『ペスカローロ・レーシング・シリーズ』と銘打たれた新カテゴリーは、1チームあたり2~3名のドライバーで戦われる耐久レースで、2018年のシリーズ開催を目指すという。開催初年度は全7戦で争われる予定だ。

 また、今回発表されたマシンは、ヨーロッパで行われているLMP3やグループCN、GT3マシンなどが出場するVdeVエンデュランス・シリーズと、P2、LMP3、グループCNなどで争われる24時間プロト・シリーズへの参戦が可能となる。

「数カ月に渡る集中的な作業を経て、ペスカローロ04-LMを公開できたことを誇りに思う」と語るのはペスカローロ・スポート代表のジョセリン・ペドロノ。

 マシンのパフォーマンスについては、1993年から2006年にかけて通算9回ル・マンに出場したジャン-バーナード・ブーベは、新型マシンのスピードがLMP3とグループCNマシンの中間にあたると説明した。

 なお、ペスカローロ・スポートは、このマシンをさらに高速化させた『ペスカローロ05』の開発を計画していることも明らかにしている。

■アンリ・ペスカローロ「私はまったく関与していない」


 アンリが率い、2005年から2007年まで3年連続でル・マンの表彰台を獲得し、LMP1クラスの強豪プライベーターチームとして名を馳せたペスカローロ・スポートは、2009年にフランスのソラ・コンポジネット・グループに売却された。

 その後、ソラ・グループ内ではル・マン・レーシング・スクールで使用されていたペスカローロ02を製造してきたが、2016年、現代表のペドロノによって再度、買収が行われている。

 今回発表されたペスカローロ04-LMは製造技術、構造材などは一新しているものの、旧型車の製造、開発で生まれたペスカローロの特許技術が駆使されているとのこと。

 なお、創設者のアンリは「私はまったく関与していないし、一切サポートしていない」とコメント。アンリは2011年に新たに設立したペスカローロチームの代表として、ふたたびサーキットに戻った際にも、ペドロノが運営する会社を支援していないと述べている。
主な諸元
サイズ:4360×1900×1090mm
シャシー:カーボンモノコック
重量:880kg
エンジン:シボレーLS3 6.2L V8
最大馬力:420hp
最大トルク:620nm
トランスミッション:6速シーケンシャル
サスペンション:ダブルウィッシュボーン、プッシュロッド、PKMダンパー
ブレーキ:前後スチール、6ピストンキャリパー
最高速:310km/h

オプション
・パワーステアリング
・フルカーボンボディ
・ダブルリヤウイング
・エアーコンディショナー