WRC世界ラリー選手権第7戦イタリア・サルディニアにシトロエンからスポット参戦するアンドレアス・ミケルセンは、事前テストでシトロエンC3 WRCをドライブするまで、マシンの速さに適応できるか不安を抱えていたという。
2016年シーズンのWRC最終戦オーストラリアを制したミケルセンは、フォルクスワーゲンのシリーズ撤退に伴い、最上位クラスのシートを喪失。2017年はシュコダからWRC2クラスにスポット参戦してきた。
そのミケルセンは6月8日開幕のラリー・イタリア・サルディニアでシトロエンと契約。1戦限りとなるがWRC最上位クラス復帰を果たす。
チームとミケルセンは復帰を前に、C3 WRCの事前テストを実施。この際、ミケルセンは半年間、最新のWRカーに乗っていなかったため、マシンスピードに対応できるか不安だったと明かした。
「シトロエンと事前テストに臨む前は不安だった。半年間、WRC2クラスでシュコダ・ファビアR5をドライブしてきて、その速度に慣れてしまっていたからね」とミケルセン。
「(第5戦ポルトガル前に)ヒュンダイと走行テストを行った時も同じ心境だった。最終的には問題なかったよ」
「C3 WRCのスピードもフィーリングも、僕にとっては問題なかった。テスト中、ずっと問題は感じなかったから適応できたと思うよ」
「2016年シーズンをWRC2で戦っていた(Mスポーツの)エルフィン(・エバンス)を見てみるといい。彼は2017年型WRカーに即座に適応し、第1戦モンテカルロでステージ優勝も飾っている」
■ミケルセン、シトロエンのファクトリー訪問でワークス復帰の思い強める
ミケルセンは南フランスで行われた事前テストで約180マイル(289キロ)を実戦と変わらないスピードで走り込んでいる。
「テストもうまく行ったよ。最上位クラスに戻ることができて嬉しいし、C3 WRCが速いマシンであることは疑いようがない」
また、ミケルセンはテスト前にフランス・ベルサイユにあるシトロエン・レーシングの本部を訪問。ここでワークスチーム復帰への思いが強まったという。
「チームはいい雰囲気だったし、スタッフもやる気に満ちていた。懸命に作業にあたっていたし、マシンを少しでも改善しようと努力していた。僕も彼らの手助けがしたいと思ったよ」
「繰り返しになるけど、C3 WRCは速いマシンだ。ただ、まだまだ速くなるポテンシャルを秘めているんだ」
開幕が迫ったラリー・イタリア・サルディニアでは、マシンに馴染むことを優先するというミケルセン。マシンセットアップはレギュラードライバーのステファン・ルフェーブルが使っているものを継承するという。
「サルディニアはドライブフィールが重要で、一歩ずつ進めていきたい。マシンを100%理解するには1日のテストだけでは足りないからね」
「もちろん理解を深めることはできたけど、最高速でアタックするには自信を持つことが重要になるし、あらゆる状況下でのマシンの挙動を知り尽くしている必要がある」
「僕にとっては新しい相棒になるから、サルディニアで優勝争いをするのは難しいと思っている」