無遅刻無欠勤。大きな失敗もせず、仕事を頑張ってこなし、成果を上げてくれる。そんな人材を求める企業は多いはずだ。
だけど世の中、そんなに優秀な人ばかりではない。中には業務を放り出し、ある日フラッと消えてしまう強者だっている。(文:松本ミゾレ)
「いつバックれてもおかしくないな……と思ってはいた」
先日「ガールズちゃんねる」に「仕事バックれ被害者の会」なるトピックが立った。
なんでもこのトピ主、入って数ヶ月の新人にバックレをかまされたというのだ。「急な欠勤、やる気のない態度、性格等からこの子はいつかバックれてもおかしくないな……と思ってはいた」ものの、他の人員によるフォローも虚しく蒸発してしまったという。
バックレ兆候があったことから察するに、トピ主の職場では、就労意欲に乏しい人を数ヶ月かけてなんとかモノにしようと奮闘していたようだ。しかし僕としては「無理だと思いながら教育しても、無理でしょ」と思わなくもない。
仕事には合う・合わないがある。その職場に馴染める人とそうではない人がいるのは、それはもう仕方がない。このバックレちゃった人は、もう残念ながら、水が合わなかったのだ。悲しいけれど、これはそういうことなのだと諦めるしかないだろう。
人間関係、残業代支給、給与、どれも悪いのに留まる人なんているの?
一方で、寄せられたコメントには、もう「バックレは起きるもの」と、ある程度諦めている人々の声が結構目立った。
「零細中小企業ではよくあること」
「一人や二人バックれても大した被害はないようにしておくのも仕事」
「バックれられる職場は、それなりの理由があると思います。もちろん社会人として常識的にありえないし、絶対にしてはいけない事だけど」
勿論、バックレは褒められた行為ではないけれど、職場に入る前から企てる人もなかなかいないわけで。
人間関係が円満で、残業代もちゃんと出て、給与も良いなら、誰もバックレたりしない。原因は、職場の雰囲気だったり給与面だったりするんじゃないだろうか。
どれか1つでも恵まれているならまだしも、どれもイマイチなのに長く留まるなんて、よほどの事情がある人か社畜ぐらいだ。一部の経営者にとっては「社畜バッチコイ」かも知れないが、労働者からすれば遠慮願いたい。
バックレずに頑張り続ける意味がどれだけあるのか、疑問に感じるような環境の職場もある。そしてまた、そういう場所の人達に限ってバックレた人のことを、「それ見たことか」と、まぁ~グチグチ文句を言うのだ。これはもう、筆者が割の悪いアルバイトをしていた時期に何遍も見てきた。
待遇が良い職場ではそもそもバックレ自体がレアケースなので、逃げ出した人に文句を言うなんてことも、そんなにない。バックレに文句を垂れる人のいる職場というのは、往々にしてろくなもんじゃないのだ。