インディカー・シリーズは6月6日、2018年から導入する共通エアロキットのサプライヤーにダラーラを選出。発表にあわせて、3Dアニメーションのコンセプトデザインを公開した。
ダラーラは2012年から現行シャシーのダラーラIR12を供給しているが、エアロキットに関しては2015年からエンジンサプライヤーであるホンダとシボレーが独自のものを開発・供給してきた。
しかし、2017年からはエアロキットの開発は凍結され、2018年からは全車共通となるユニバーサルエアロキットが導入される。今回、このユニバーサルエアロキットのサプライヤーにダラーラが選出された。
このユニバーサルエアロキットは、インディカーとダラーラ、デザイナーのクリス・ビーティーが協力して制作したもので、マシンが生み出す乱気流を抑制しながら、フロアなどマシン下部からダウンフォースを生み出すことを目的としているほか、安全対策の強化にも重点が置かれている。
安全対策としては、「サイドポッドのインパクトストラクチャーを強化したほか、マシン側面からの衝突に対応し、その衝撃を緩和するべくラジエター位置を変更した」とのこと。
インディカーの競技委員長を務めるジェイ・フライは「このユニバーサルエアロキットは、パドックやファンの声をもとに多くの関係者が協力した結果、生まれたものだ」と語る。
「ダラーラは素晴らしいパートナーで、マシンの外観はもちろん、組み込まれている安全対策や2018年シーズンの目標としているパフォーマンスにも興奮している」
インディカーとダラーラの関係は1997年のセーフティセル供給に端を発し、2008年からダラーラは単独シャシーサプライヤーとしてシリーズに携わっている。なお、今回のユニバーサルエアロキットの開発なども、引き続きインディアナポリスにあるダラーラの北米本部で行われる。
「2017年で、インディカーとダラーラの関係は20周年を迎えた」と語るのはダラーラCEO兼ゼネラルマネージャーのアンドレア・ポントレーモリ。
「2018年からもベライゾン・インディカー・シリーズとの関係を継続できることを誇りに思う」
「この新エアロキットにおける我々の目標はスタイリングを維持しながら、アメリカン・モータースポーツのエッセンスをシリーズに残すこと、そしてパフォーマンスと安全性のレベルを引き上げることだ」
このユニバーサルエアロキットのオーバルコースでの初テストは6月25~26日にインディアナポリス・モータースピードウェイで、ロードコースでのテストは8月1日にミドオハイオで行われる予定だ。
その後も8月28日にはアイオワで、9月26日にはセブリングでもテスト走行が行われる。