いつの時代も家計の心強い味方であるモヤシ。他の野菜に比べて圧倒的に安く、最近では1袋15円という超低価格で販売しているスーパーも目にする。
しかし今、このモヤシが生産危機に直面しているようだ。6月5日の「5時に夢中!」(TOKYOMX)で紹介された朝日新聞の記事によると、原料が高騰しているのに商品価格(適正価格は40円)が上がらないことで、この10年弱でモヤシ生産者100社以上が廃業しているのだという。
「モヤシ部門は赤字で企業努力も限界」という生産者側の声も出ており、「このままでは食卓からモヤシが消えてしまう」と心配されている。(文:みゆくらけん)
「貧しい人たちを支える野菜なのに……」
この記事を受け、庶民の味方であるモヤシを熱く応援する姿勢をみせたのはコメンテーターのマツコ・デラックスだ。マツコはモヤシを「苦しい時に使う野菜の筆頭」としながら、だからこそ「一番安い野菜の象徴だから値段を上げるのは考えられないんだと思う」と推測した。
しかし、時代に合った価格というものがある。生産危機に直面しながらも値段を上げられずに頑張って作っている生産者の気持ちを「なんで貧しい人たちを支えるのに自分たちがどんどん貧しくならなきゃいけないんだっていうのになっちゃう」と代弁したマツコ。「せめて適正価格の40円になったら」と主張すると、隣の若林史江が「高い!」と即答。するとマツコは
「あんたみたいなね、モヤシの40円を『高い』っていってバカみたいなトマトに1000円ぐらい出すようなバカ女がいるからこんなことになるのよ!?」
と声を荒らげた。「なんでトマトに何百円も出せてモヤシに40円出せないのよ!」とも。
いわれてみれば確かにそうだ。スーパーやデパ地下で常に主役の位置で華々しく存在し、2つ600円とかいうセレブな価格で販売されているトマトに対し、モヤシの存在感の薄さよ。「場所いただいてスイマセン」といわんばかりの超低姿勢で売り場の隅っこに陳列され、トマトの10分の1以下の価格で売られている。
「まずは大手が一斉に値上げをするべき」
しかし考えてみよう。売り場から消えてしまって困るのはどちらか。トマトは種類が豊富なため、売り切れていても他の種類でなんとかなる。しかしそもそも種類数が少ないモヤシはそうはいかない。
販売価格の安さもさることながら、食材としても超使い勝手の良いモヤシ。シャキシャキの食感で低カロリー、他のどんな食材にもさりげなく寄り添う大変優秀で稀少な野菜ではないか。モヤシをナメてはいけない。
「ありがたいものなのよ。だから無くなっちゃったら困るでしょ?このままいったら高くなるわよ。『最低限40円にして下さい』っていってるわけじゃない?」
マツコは最後までそう熱弁をふるった。値上げは「まずは大手が一斉にやってあげるべき」とも。確かに40円なら、まだまだ安い。