今週末、スペインのバルセロナ・カタルーニャサーキットでMotoGP第7戦カタルーニャGPが開催される。先週末のイタリアGPに続いて、今シーズン初の2連戦となる。
カタルーニャGPの舞台となるバルセロナ・カタルーニャサーキットは、スペインのバルセロナの郊外にある。オープンは1991年、二輪の世界グランプリは1992年に初開催され、1995年以降はカタルーニャGPとして毎年開催されている。
昨年のカタルーニャGPでは、Moto2クラスの初日のフリー走行2回目でルイス・サロムが転倒し、亡くなるアクシデントが発生。これにより2日目以降、サロムのアクシデントが起こった高速の旧12コーナーを使用せず、最終コーナー手前のシケインを使ったレイアウトで走行が行なわれた。
今年のカタルーニャGPに向けては使用レイアウトを変更、バックストレートが若干短くなり、バックストレートエンドの10コーナーと、13コーナー(旧12コーナー)に4輪のF1で使用されるレイアウトを採用。さらに最終コーナー手前に2輪専用のシケインを設置し、コース後半部のスピートを落とすレイアウトとなっている。
これにより、コース全長は昨年のフリー走行2回目までの4.727kmから4.652kmに変更され、昨年までの左コーナー5、右コーナー8の計13コーナーから、左コーナー7、右コーナー9の計16コーナーでの構成に変更された。
カタルーニャは回り込んだコーナーが多く、コーナリングスピードを上げることができるかがカギを握るコースレイアウトとなっており、タイヤに厳しいコースでもある。勝負所はメインストレートから1コーナーへのブレーキング、バックストレッチエンドのブレーキング。特に最終ラップまでトップ争いが展開された場合は、このバックストレッチのブレーキング競争が勝敗を分けることが多い。
昨年のレースはサロムが亡くなった悲しみに包まれ、2日目の走行からコースレイアウトが変更されるなど、ライダーにとって負担の大きなレースとなった。
MotoGPクラスではマルク・マルケス(ホンダ)がポールポジションを獲得。決勝序盤はホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)がリードするが、5番グリッドから追い上げたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が7周目にロレンソを交わしてトップに浮上。ロッシとマルケスがトップ争いを展開するが、ロッシが逃げ切って優勝、2位にマルケス、3位にダニ・ペドロサ(ホンダ)が入賞。ロレンソは序盤を終えて5番手に後退、中盤すぎにアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)に追突されて両者リタイアとなった。
前戦イタリアGPでアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が今シーズン初優勝を記録、ランキングでも2番手に浮上した。ポイントリーダーのマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はイタリアGPで2位に入賞し、ランキングトップの座をキープ。2番手のドビジオーゾとの差は26ポイントある。
イタリアGP前のモトクロスマシンでのトレーニング中に転倒したバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は、負傷を抱えているにも関わらず、予選2番手を獲得。決勝でもトップ集団で周回を重ねたが、4位に終わった。ロッシはランキング3番手をキープ。ドビジオーゾとは4ポイント差だ。
マルク・マルケス(ホンダ)はイタリアGPで苦戦し、5位に終わり、ロッシと7ポイント差のランキング5番手につける。ダニ・ペドロサ(ホンダ)もムジェロでは苦戦、最終ラップにカル・クラッチロー(ホンダ)を巻き込んで転倒してしまい、ランキングも2番手から、マルケスと同ポイントの5番手へと後退した。
ヨハン・ザルコ(ヤマハ)はランキング6番手に後退したが、インディペンデントチーム、ルーキートップの座をキープ。ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)がランキング7番手に浮上してきた。
ここまでの6戦でビニャーレスが3勝、マルケスが1勝、ペドロサが1勝、ドビジオーゾが1勝を記録。ランキング上位4名はそれぞれ一度のノーポイントレースがあり、ペドロサはムジェロで2度目のノーポイントレースを作ってしまった。
ビニャーレスはムジェロでは、レース前からチャンピオンシップを優先する姿勢を見せ、決勝でもあえて勝利を深追いしなかったように見える。
カタルーニャGPはシーズン中盤戦の緒戦。ホームレースとなるビニャーレスが勝利にこだわるのか、同じくホームレースとなるマルケスとペドロサの逆襲はあるのか、また、昨年のカタルーニャGPで勝っているロッシが今季初優勝を飾るのか、トップスピードでライバルをリードするドゥカティ勢がムジェロの勢いをキープできるのかに注目が集まる。