トップ4を占めてレースをスタートした“トヨタ カムリ”だったが、マーティン・トゥルーエクス・Jr.(#78)が最上位の3位フィニッシュ モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第13戦ドーバー
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2ステージ制覇も3位
“モンスター・マイル”ドーバーで3カテゴリーが開催。カップ・シリーズではトヨタ・カムリが予選トップ4を占める速さを見せ、ステージ1と2をマーティン・トゥルーエクス・Jr.が制したが、レースは惜しくも3位フィニッシュ。
エクスフィニティ・シリーズでは序盤のパンクで2周遅れとなりながら追い上げたダニエル・スアレツが3位。
トラック・シリーズでは3位のグラント・エンフィンジャーを先頭に4台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュを果たした。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第13戦 AAA 400
開催日:6月4日
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2ステージ制覇も3位
ドライバーズランキング首位の座は堅守
6月4日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第13戦『AAA 400』が開催された。
ドーバーはコンクリート舗装のハイバンク1マイルオーバルで「モンスター・マイル」の愛称を持つ難コース。トヨタ勢は昨年春の大会でマット・ケンゼス、秋の大会でマーティン・トゥルーエクス・Jr.が勝利を挙げている。
2日(金)に行われた予選では、カイル・ブッシュが今季初のポールポジションを獲得。
今季既に2勝を挙げ、ポイントリーダーと好調なトゥルーエクス・Jr.2番手、ルーキーのダニエル・スアレツが3番手、ケンゼスが4番手で続き、トヨタ・カムリ勢がトップ4を独占した。
4日(日)午後1時19分に1マイルオーバルを120周、120周、160周の3ステージ合計400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
序盤はポールポジションのカイル・ブッシュが首位を守ったが、最初のイエローコーションからの再スタートでトゥルーエクス・Jr.が首位浮上。
一方で、このコーション時にピットでタイヤを交換したカイル・ブッシュは、左リヤタイヤのホイールナットを完全に締める前に発進してしまい、タイヤが脱落するというアクシデント。
これでほぼ最後尾、38位までポジションを落としてしまった。
続く、46周目に発生したコーション時には、今度はハムリンのピットクルーがタイヤをエリヤ外に転がしてしまいペナルティ。しかし、この2台は猛烈な追い上げを開始した。
首位を逃げるトゥルーエクス・Jr.はそのままステージ1を制覇。ケンゼスが4位、エリック・ジョーンズが8位、カイル・ブッシュはトップ10圏内まで復帰し9位、スアレツが10位、ハムリンも11位までポジションを戻して見せた。
ステージ間のピット戦略で準位は入れ替わったが、ステージ2の再スタート後は、トヨタ勢6台がトップ10圏内を走行。カイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.が首位の車両を追う展開となった。
210周目についにトゥルーエクス・Jr.が首位を奪還。トゥルーエクス・Jr.はステージ2も制し、今季8度目のステージ制覇となった。ケンゼスが3位、カイル・ブッシュが4位、エリック・ジョーンズが9位でステージボーナスポイントを獲得した。
ステージ3は、最前列からスタートを切ったトゥルーエクス・Jr.がサイド・バイ・サイドのバトルのなかでバランスを崩し3位に後退。
その後トゥルーエクス・Jr.をかわして3位に浮上したケンゼスだったが、イエローコーションが出ない展開のなか、タイヤのパンクに見舞われグリーンフラッグ下でピットイン。
この際に規定ラインを越えてしまい、加えてスピード違反のペナルティ。2周遅れとなってしまった。
314周目には10位走行中のエリック・ジョーンズがパンクに見舞われ予定外のピットイン。しかし、コーションの出ない展開はなおも続き、325周目あたりから上位勢も次々にグリーン下でピットへ向かった。
カイル・ブッシュら数台がピットインしていた329周目にクラッシュ車両によりイエローコーション。不運なコーションタイミングにより、準位が大きく入れ替わった。
残り64周、トゥルーエクス・Jr.が11位、カイル・ブッシュが14位、スアレツ16位、ハムリン18位で再スタート。エリック・ジョーンズとケンゼスは共に周回遅れで20、21位からの追い上げとなったが、その後発生した2度のコーションでそれぞれ“ラッキー・ドッグ”(イエローコーション発生時に周回遅れ最上位の車両が首位と同一周回に戻れる措置)を獲得した。
カイル・ブッシュは残り50周で出されたイエローコーション時のピットで、ふたたびホイールが緩むトラブルに見舞われ再ピットイン。周回遅れの18位へと後退してしまった。
その後は50周近くにわたってイエローコーションが出ないまま、トゥルーエクス・Jr.が躍進。4位へとポジションアップ。なおも僅差で前を追っていた397周目、残り4周というところでクラッシュ車両によりイエローコーション。レースは延長され、最後の2周“オーバータイム”で決されることとなった。
上位5台はピットインせず。その後方勢はピットインして新しいタイヤでの逆転を狙った。
残り2周での再スタートが切られ、3位のトゥルーエクス・Jr.は首位争いを展開。しかし、ファイナルラップに入った直後の第2ターン立ち上がりで、4位走行中の車両がバランスを崩し、5位の車両と接触、スピン。
後続は大混乱となり、レースはその時点でイエローコーション、終了となった。この多重クラッシュにはトップ10圏内を走行していたエリック・ジョーンズが巻き込まれてしまった。
混乱の前で逃げ切ったトゥルーエクス・Jr.がトヨタ勢最上位の3位フィニッシュ。今季5度目のトップ5フィニッシュでランキング首位の座を守った。
混乱を上手く避けたスアレツが6位に入り、自己キャリア最高位フィニッシュと共に、今季4度目のトップ10フィニッシュ。ハムリンが8位。最後に“ラッキー・ドッグ”を獲得したケンゼスは13位、カイル・ブッシュは16位となった。
次戦第14戦は6月11日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.
「3位という結果に終わったが、良い一日だった。我々のトヨタ・カムリは好調だった。最速だったかどうかは分からないが、充分に速かった。最後は42号車(カイル・ラーソン:シボレー)と48号車(ジミー・ジョンソン:シボレー)と私の3台はかなりの接近戦だったと思う」
「このコースを、今のクルマと空力パッケージで走るのがどれだけチャレンジングかを伝えるのは難しい。数えられないほどクラッシュしそうになったが、それだけに楽しいレースだった。本当にチームは良くやってくれた。この勢いのまま来週へと挑む」
NASCAR XFINITY SERIES
第11戦 OneMain Financial 200
開催日:6月3日
ダニエル・スアレツが追い上げ3位
6月3日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第11戦『OneMain Financial 200』がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
3日(土)午前中の予選では、昨年のエクスフィニティ・シリーズでシリーズチャンピオンと、ルーキーチャンピオンに輝き、今季からカップ・シリーズにフル参戦しているダニエル・スアレツとエリック・ジョーンズが3、4番手。
エクスフィニティ・シリーズに今季フル参戦しているマット・ティフトが6番手につけた。
午後1時16分、1マイルオーバルを60周、60周、80周の3ステージ合計200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
エリック・ジョーンズが4番手から好スタートを切り3位へポジションを上げると、スアレツ、ティフトが続き、トヨタ・カムリが3-4-5位で連なっての序盤戦。
ステージ1はこのポジションのままほぼ推移したが、終盤の46周目、コーションからの再スタート直後にスアレツのタイヤがパンクし、予定外のピットイン。2周遅れとなってしまった。
また、ステージ1終了直前にはティフトがタイヤトラブルに見舞われピットイン。2台揃って2周遅れの32位、33位でステージ1を終えることとなってしまった。
孤軍奮闘のエリック・ジョーンズはステージ1を3位でフィニッシュ。
ステージ間のコーションで1周遅れへと取り戻したスアレツとティフトの2台は、75周目、91周目のコーションでそれぞれ“ラッキー・ドッグ”を獲得。首位と同一周回に復帰した。
ふたたびトヨタ・カムリ3台での上位争い復帰となるかと思われたが、レースが折り返した100周目、6位走行中のエリック・ジョーンズが突然メカニカルトラブルに見舞われ、無念のリタイア。
ステージ2はスアレツが16位、ティフト19位で終えたが、この2台はステージ終盤にピットを終え、ステージ間にピットインしない作戦に出て、ステージ3を2位、4位で再スタート。
スアレツは128周目に首位を奪取。19周にわたって首位を走行したが、その後はライバルの先行を許し、3位でフィニッシュ。ティフトは9位でチェッカーを受けた。
次戦第12戦は6月10日(土)、ポコノ・レースウェイで行われる。
ドライバー ダニエル・スアレツ
「長いレースだったというのは確かだが、2周遅れからトップ争いにまで戻してくれたチームの仕事は本当に誇りに思う」
「レースをしていればたまにあるトラブルで、我々は一時2周遅れになった。その時点で諦めるのは簡単だが、チームの誰も諦めなかった」
「我々のトヨタ・カムリはトップ3の速さがあると感じていたし、その通りの結果が得られたが、更なる努力は必要であり、そうすればこの先何戦かで勝てるはずだ」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第6戦 Bar Harbor 200
開催日:6月2日
トヨタ・タンドラ4台がトップ10フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第6戦『Bar Harbor 200』が6月2日(金)にドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
2日(金)、昼過ぎからの予選に続き午後5時48分、1マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
カップ・シリーズに参戦しているマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟であるライアン・トゥルーエクスが最前列2番手から首位に浮上。その後方で、3番手スタートから3位争いを繰り広げていたクリストファー・ベルが、再スタート時の混乱で接触し、タイヤがバースト、壁にクラッシュ。
今季1勝、ここまでの5戦で全てトップ10フィニッシュ、4戦連続トップ5フィニッシュと速さを見せていたベルだったが、ここで戦線離脱を余儀なくされてしまった。
ステージ1はライアン・トゥルーエクスが制覇。また、今大会トラック・シリーズにデビューした17歳のトッド・ギリランドも15番手スタートからステージ1を10位でフィニッシュして見せた。
昨年のドーバー戦で勝利しているベテランのマット・クラフトンは13番手スタートからステージ1は6位でフィニッシュ。
クラフトンはステージ間のコーションでピットに入らず首位に立つと、そのままステージ2も制した。ギリランドも速さを見せ、73周目には2位に浮上。目の前でスピンした前走車を間一髪でかわすなどの健闘を見せ、ステージ2は4位と好位置で終えた。
ステージ3は、ピット作戦で首位に立ったベン・ローズが前半を支配。一方、デビュー戦で良い走りを見せていたギリランドは、116周目に右フロントホイールの破損に見舞われクラッシュ。ダメージはサスペンションに及んでおり、レースを終えることとなってしまった。
20歳のローズはこの日最多の71周にわたって首位を走行、第4戦、チェッカー目前で逃した初勝利を目指したが、残り40周あたりから始まった最後のグリーンフラッグ下でのピット作業を終えた後は4位に後退。
3位に浮上したグラント・エンフィンジャーと共に懸命に首位を追ったが届かず、エンフィンジャーが3位、ローズが4位でチェッカー。エンフィンジャーは今季初のトップ5フィニッシュとなった。
中盤に後続から追突されながらも追い上げたグラッグソンが9位、ライアン・トゥルーエクスが10位でトヨタ・タンドラは4台がトップ10フィニッシュ。クラフトンが11位となった。
次戦第7戦は6月9日(金)にアメリカ南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー グラント・エンフィンジャー
「本当に良い走りができた。我々に必要なのは、忙しいシーズンの中で着実に上位完走を果たすことだ」
「我々は決して良いシーズンのスタートが切れたとは言えないが、道具はそろっていたし、それが結果につながっていなかっただけだ。クルーチーフの素晴らしい判断でポジションを上げることができたし、それこそが今日のレースのキーだった」
「我々のトヨタ・タンドラは、中団グループの乱気流の中では速さが発揮できなかったが、上位に浮上し綺麗な空気の中では最高だったと思う」