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ブリヂストン 2017年86/BRZ第3戦富士 レースレポート

2017年06月07日 10:42  AUTOSPORT web

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トップチェッカーを受ける青木孝行の#31ケーエムエス フェニックス86
2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race [Professional Series] 第3戦
青木孝行(ブリヂストン)が2連勝
蒲生尚弥(ブリヂストン)は惜しくも2位
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:6月3日~6月4日

 プロフェッショナルシリーズで圧倒的なパフォーマンスを発揮しているPOTENZA RE-06D。単なる速さだけでなく、レースディスタンスでの安定した性能、外気温や路面温度にも幅広く対応することで、ライバルに対して大きなアドバンテージを示しており、ドライバーの信頼度も高い。
 
 今回のレースでもまた、ブリヂストン装着勢が上位を独占しながら、レースは進んでいった。

●予選
 予選前、#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)はポールポジションのタイムを2分5秒台半ばと予想していた。それに近いタイムを最初にマークしたのは#47蒲生尚弥選手(ブリヂストン)だった。
 
 しかし5秒台のタイムはそう簡単ではなく、タイムモニターのトップには蒲生尚弥選手が表示され続けた。#770山田英二選手(ブリヂストン)が5秒台に入れるも、蒲生尚弥選手には届かない。

 予選も後半になり、満を持してアタックした佐々木雅弘選手は、0秒028上回る2分5秒848でトップに立つ。86/BRZレースでは、富士で好成績を挙げている#97近藤翼選手(ブリヂストン)や#31青木孝行選手(ブリヂストン)といったドライバーもアタックに入るが、混雑したコース上ではクリアラップが取れない。
 
 結果、佐々木雅弘選手がポールポジション、2番手には蒲生尚弥選手、3番手には近藤翼選手となった。そのポールポジションから1秒以内に、なんと26台が入った。
 
 ポールポジションと2位の差が1秒以上あった開幕戦を思えば、全体的にマシンが仕上がってきたといっていいだろう。

●決勝レース
 トップ4台が超接近した形で、レースは進んでいった。ポールポジションの佐々木雅弘選手を先頭に、蒲生尚弥選手、近藤翼選手、そして予選6番手からオープニングラップで4位に上がった青木孝行選手という並びで、さまざまな形に変化しながらのダンゴ状態。

 4周目、青木孝行選手が近藤翼選手をオーバーテイク、それをきっかけにレースが動き始める。
 
 5周目、ブレーキトラブルを抱えペースが悪くなった佐々木雅弘選手に、蒲生尚弥選手はストレートで並びかけ、1コーナーでトップに立つ。続く6周目には、まるで再現するかのように、青木孝行選手が佐々木雅弘選手をオーバーテイク。そして蒲生尚弥選手に少しずつ、ジリジリと迫っていく。
 
 そしてファイナルラップ、ストレートで並びかけた青木孝行選手は、コカコーラコーナーのインを制してトップに立ち、前戦に続いての2連勝を達成した。
 
 ブレーキトラブルを抱えながらも、それを自身のテクニックで補った佐々木雅弘選手は3位。ブリヂストン装着勢が5位までを独占した。

●コメント
優勝した#31青木孝行選手(ブリヂストン)のコメント
「優勝できるとは思っていなかったんですよ。昨日の予選はアタックで失敗してしまって、6位だったので、まさか6位から勝てるとは思わなかった。全てが今日は上手くいったのかな、と」

「このレースで、こんなに前にグイグイと上がっていくというのは、結構ないですからね。いろいろな要素があったと思います。序盤に佐々木雅弘選手がトラブルを抱えたことで、トップグループのペースが上がらず、ボクが追い付くことができました。そういう要素もあって、勝つことができたんだと思います」

「オーバーテイクも、まあ相手もそうなんですが、お互いにスペースを開けながら、クリーンにバトルすることができたのも、大きかったですね。この流れを崩さないように、シーズンを戦っていきたいと思います」

2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race [Clubman Series] 第3戦
激しいバトルを制して庄司雄磨(ブリヂストン)が逆転で初優勝
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:6月3日~6月4日

 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースにとってホームコースともいえる富士スピードウェイが、第3戦の舞台。それだけにクラブマンシリーズは90台という過去最大のエントリーとなった。
 
 この数字は富士スピードウェイのフルグリッド、45台のちょうど2倍ということになり、予選下位で行われる決勝Bレースもフルグリッドが埋まる数字だ。

 前戦オートポリスでは、路面の荒れたコースでタイヤの発熱が大きかったが、POTENZA RE-71Rは高温下でも性能低下が小さく、それがライバルに対してアドバンテージとなることが明らかになった。
 
 梅雨入り直前の富士スピードウェイが、果たしてどのような気温になるのか、涼しいのか? 暑いのか? それとも雨なのか? 天候によってレース結果が左右される可能性が高かった。
 
 結果からいえば、気温は高くなかったものの、強い日差しによって路面温度は高かった。そうした追い風もあって、表彰台には赤いブリヂストンのキャップを被ったドライバーが3人並ぶことになった。

●予選
 2つに分けられて予選は行われた。予選1組は前戦で優勝している#771菱井將文選手(ブリヂストン)が2分07秒110でトップタイム。
 
 2番手には前日の占有走行でただひとり6秒台をマークした#38神谷裕幸選手(YH)が入った。

 予選2組では#600小野田貴俊選手(YH)が2分06秒745というコースレコードをマーク。しかし、そのアタックラップがランオフエリア走行によって取り消され、1アタックしかしていなかった小野田貴俊選手はピットに戻ってきた周回の2分39秒299となり、予選最下位のタイムとなってしまった。
 
 代わりにトップタイムとなったのは2分07秒266の#84橋本洋平選手(ブリヂストン)だったが、タイムが上回った菱井將文選手がポールポジションとなった。

●決勝レース
 ジムカーナで数々の実績を残してきた菱井將文選手にとって、緊張するはずのポールポジションからのスタートも、難なく完璧に決めてみせた。
 
 2位争いは橋本洋平選手と、予選4番手からオープニングラップで3位へポジションを上げた#126庄司雄磨選手(ブリヂストン)で、予選3番手だった神谷裕幸選手はペースが上がらずに徐々に後退していった。

 接近した激しい2位争いもあって、菱井將文選手はギャップを少しずつ拡げていく。その2位争いは4周目に、明らかにペースが速い庄司雄磨選手が前に出て、5周目にはファステストラップとなる2分7秒043を出して、急速に菱井將文選手に接近していく。
 
 そして6周目、最終コーナーのインに飛び込んだ庄司雄磨選手はトップに立つ。菱井將文選手は続く7周目にも橋本洋平選手に最終コーナーでオーバーテイクを許し、3位へ。

 ペースの速い庄司雄磨選手に橋本洋平選手は迫ることができず、そのままの順位でチェッカーフラッグを受けた。庄司雄磨選手は初優勝。
 
 これによって、クラブマンシリーズでは、今シーズン初めてブリヂストン装着勢が表彰台を独占することとなった。

●コメント
優勝した#126庄司雄磨選手(ブリヂストン)のコメント
「これまでは準備不足で結局セッティングを予選で作って、決勝でファステストを取る、みたいな流れが多かったんです。それでチームにお願いしてスケジュールを前倒しでクルマが仕上げられるようにしてもらったんです」

「予選はアタックに入った直後にピットアウトしてきたマシンと出会って、失敗してしまいました。トップに立ってからは後ろを見ながら、ペースをコントロールしながら走ることができました。多少暑くなっていましたが、タイヤはグリップダウンも少なく、走ることができました」

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