ロバート・クビカが、2011年の大事故以来初めて、F1マシンでの走行を行った。6日、スペイン バレンシアでのルノーのテストで、2012年ロータスE20をドライブした。
テストには、2012年アブダビGPでキミ・ライコネンを勝利に導いたE20が使用された。クビカは、現在のルノーのカラーに塗り替えられたE20で115周、グランプリレース約1回半分の距離を走り切った。
この日、クビカは、燃料を大量に積んだ状態でのロングラン、予選シミュレーション、スタート練習などを行ったという。
ルノーはSNSを通して、次のようなコメントを発表している。
「ロバート・クビカが私たちのマシンで走行しています。6年ぶりに戻ってきたのです」
「なぜ、今までお知らせしなかったのか? ロバートのためのプライベートテストだったからです」
「ロバートは、グリップ、アンダーステア、ダウンフォースについて、不満を述べていましたが、115周を走り切って、満面の笑みを浮かべていました」
クビカは2006年、BMWザウバーからF1にデビューし、2008年カナダGPで優勝、2010年にルノーF1チームに移籍した。2011年、ロータス・ルノーGPと名称を変えた同チームへの残留が決まり、2月にバレンシアでの新車テストに参加。しかしその数日後、イタリアのラリーに出場してクラッシュ、重傷を負ったことで、F1キャリアの中断を余儀なくされた。
右腕にひどい損傷を受けたクビカだが、2012年にラリーでレース活動を再開、それ以降、WRC2、WRCに参戦、2016年には耐久レースなどでサーキット活動にも復帰した。
今年のWEC参戦計画は中止したものの、今年4月にはGP3マシンをテストドライブ、事故以来初のフォーミュラマシン走行を行った。5月にはフォーミュラEのテストにも参加している。
英AUTOSPORTは、ルノーは現在32歳のクビカに今後もF1テストの機会を提供する可能性があると伝えている。