鈴鹿サーキットで行われているスーパーGTのタイヤメーカーテストは6月6日、午前2時間、午後4時間のテストが行われたが、ベストタイムをマークしたMOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは「17年仕様に乗ってからいちばん良くなっている」と手ごたえを語った。
2014年からのクラス1規定では素晴らしい速さをみせ、14~15年と連覇を飾ったMOTUL AUTECH GT-R。今季からの新規定では開幕戦からレクサスLC500勢が圧倒的な強さをみせる一方、新規定下でニッサンGT-RニスモGT500勢は苦戦を強いられていた。
そんななか、第3戦オートポリスから戦闘力を増した印象をみせたMOTUL AUTECH GT-Rは、今回のタイヤメーカーテストで、レギュラーの松田次生とロニー・クインタレッリ、同じミシュランを履くS Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲と千代勝正が乗り込み、午前に1分48秒502をマーク。午後には1分48秒204をマークし、午前、午後ともベストタイムとなった。
初日の走行後、クインタレッリに話を聞くと「今回のテストは、クルマのセットアップを大幅に変えてきていて、走り出しから感触は2017年のクルマになっていちばん良くなっている」と語ってくれた。
「フロントの入りや、苦労していたブレーキングのリフトも減ってきているし、プッシュできるレベルに来ている。ベースを作ってからはタイヤテストをやってきたけど、それも良くていろんなデータを取れた。17年仕様に乗ってからいちばん良くなっている」とかなり手ごたえを得ていた様子だ。
そんなクインタレッリだが、今回初めてGT500をドライブし注目を集めているMOTUL MUGEN NSX-GTのジェンソン・バトンとは、1994~97年とレーシングカートでしのぎを削った間柄だとか。「ヨーロッパ選手権や世界選手権、それに鈴鹿も走ったかな。ずっと同じカテゴリーでステップアップしてた。チームも違ったけど、彼もすごく速かったし、いつもクレバーな走りをするからお互いリスペクトしてた」という。
「僕はイタリア人で、彼はイギリス人。言葉の壁もあったから、いつも挨拶するくらいだったけど、彼がF1まで上がって嬉しかったんだ」
そんなクインタレッリとバトンとの「19年ぶりの再会」は、今回のテストのために鈴鹿に向かう際の名古屋駅だったという。「お互い駅で会って『あ~!』みたいな(笑)。彼もそんなに見た目は変わってないからね。彼はF1でワールドチャンピオンまでなっているのに、すごくフレンドリーだし、いい人だよね」
バトンも記者会見の際、ジェームス・ロシターやヘイキ・コバライネンといった面々からに加え、自ら「クインタレッリと走ることができて嬉しい」とコメントを残していた。お互い歩んできた道は異なるが、かたや09年F1ワールドチャンピオンのバトン、そしてスーパーGT前人未踏の四度のチャンピオンのクインタレッリと、華々しい結果を残してきた。日本でのひさびさのライバル関係の復活は、ファンにとっても注目のポイントかもしれない。