2017年06月06日 18:03 リアルサウンド
天才バンドが6月21日に3rdアルバム『ロミオとジュリエット』をリリースする。あわせて、天才バンド初の試みとして、6月11日までの間、CAMPFIREにてクラウドファンディングを実施している。
サイン入りCDとライブDVDのコース。その2枚にMC集が付いたコース。さらにそれに、同日リリースの、Sundayカミデのバンド、ワンダフルボーイズのニューアルバムが付いたコース。ツアー会場でメンバーと記念撮影ができるコース。Tシャツやプロマイドといったグッズが付くコース。はぶテシはることテシマコージと将棋で対決できるコース。ツアー会場で奇妙礼太郎が、あなたのためにオリジナル即興ソングを歌ってくれるコース。スポーツジムのインストラクターでもあるSundayカミデがトレーニングを指導してくれる「サンデートレーニング」を受けられるコースーー。
下は6,000円から上は100万円まで、ちょっとどうかと思うほどさまざまなコースが設けられた、CAMPFIREの「天才バンド、3rdアルバムをあの番場秀一監督と、応援してくれる皆とで作りたい!」クラウドファンディングは大きな支持を集め、5月16日に目標金額300万円でスタートしたが、募集終了まで10日を残す6月2日の段階でそれを軽く上回る350万円以上に達している。
ロックバンドというもののありかたを根本から問い直すような、生演奏というものの可能性を「即興の才能がダダ漏れしてる3人が集まる」という極端な形で実現するようなSundayカミデ・奇妙礼太郎・テシマコージの集合体、天才バンドの3人に、このたびのこのクラウドファンディングについて、新しいアルバム『ロミオとジュリエット』について、そもそものこのバンドのありかたや音楽の作り方の何が画期的なのかについて(本人たちはそれを話しているつもりはないが、こちらはそれを訊いているつもりです)、じっくり話していただいた。(兵庫慎司)
■「みんなのやる気を集めたら、予算をオーバーしてた」(Sundayカミデ)
ーーまず、天才バンド以前にクラウドファンディングをやったことのある方はいます?
テシマコージ(以下、テシマ):やろうとはしましたけどね。
Sundayカミデ(以下、Sunday):え?
テシマ:2年ぐらい前に登録だけはしました、CAMPFIREに。チャレンジはしてないんですけど。
Sunday:動機は?
テシマ:いや、fugacity(テシマが参加しているバンド)でアルバム出したいけど、カネないから。
奇妙礼太郎(以下、奇妙):取調べみたいや(笑)。
ーー今回は、どういう経緯でやることを決められたんですか?
Sunday:マネージャーと一緒に決めたっていう感じですね。「予算、大幅に振り切っちゃってますけど、どうしましょうか?」っていう話から。ツアーでライブの映像を押さえようっていうところで、リキッドルーム(2月に同会場にて行われた『諸君!ロックの秘密文書をこのクソみたいな世界から奪取せよ!ツアー2017」ファイナル公演)で番場(秀一)監督のスタッフの人数をリハーサル中に数えてると、「いくね、これ」って(笑)。
奇妙:僕は全然気づいてなかったんですけど。
Sunday:監督も、地方はひとりでカメラ持って来たりしてたんですけど、リキッドはーー前からミュージックビデオも作ってもらってて、僕たちがどんなライブをするかはわかってくれているので。本気で押さえるんだったらこれぐらいのカメラが要る、っていうことだったと思うんですけど。カメラ10台くらい入ってましたね。みんなのやる気を集めたら、予算をオーバーしてたという。
奇妙:元気玉みたいな(笑)。
Sunday:で、マネージャーが「クラウドファンディングっていう方法がひとつあるんですけど」っておそるおそる僕たちに訊いてみたのが、最初のきっかけだと思います。僕は、とにかく今のこの映像を出したかったので。お蔵入りがいちばんさみしいので。
奇妙:で、やるならなるべく楽しもうって、アイデアとか出して。だいぶ却下されましたけどね。
Sunday:リターンのアイデアがね。
奇妙:4000万円出したら一緒に宇宙旅行に行ける、とか。
Sunday:タイムスリップできるとかね。奇妙さん、いろいろ出してくれたんやけども。
奇妙:わりと長めのメールを送ったら、返事がひとこと「嘘は無理なんですよね」と(笑)。ジョークも入れたかったんですけど。
ーーでも、ジョーク以外にも、ほんとにいろんなコースを作っておられますよね。
Sunday:そこをすごくしっかりできたから、自信があるというか。「協力してくれてありがとう、感謝いっぱいです」っていうだけではなく、「どうですか?」って自信を持って言えるリターンにはなったと思います。「ああしよう、こうしよう」ってーーこういう時は奇妙くんが中心になって、おもしろアイデアを出して。テシマと将棋を指せるっていうのは、テシマが言い出したんやっけ?
テシマ:いや、勝手に決まってました。
Sunday:あ、そうや、グループメールで話し合ってたらテシマから返信が来なくて、あとで「すみません、寝てました」ってメールが来た時。寝てる間に考えたんや。「はぶテシはる誤段と対局できる」って。それもマネージャーは「羽生さんのお名前の権利もあるんで」って言ってましたけど(笑)。
ーーワンダフルボーイズのアルバムが付くコースがあるのにびっくりしたんですけど。
Sunday:あれは問答無用で、マネージャーが「付けていいすか?」「いいよ!」って(笑)。
奇妙:逆の考えもできますけどね。ワンダフルボーイズのアルバムに、こっちが付いてるような気もするし。
Sunday:まあ、音源自体は同じ日にリリースされるので。
ーーワンダフルボーイズのメンバーは?
Sunday:メンバーは、天才バンドがクラウドファンディングをやってるのを最近ようやく嗅ぎつけて、「あれ? 俺らのCD付いてる!」ってなってましたけどね(笑)。でもそれはいい方の「付いてる!」でした、楽屋で遠目で見てましたけど。
■「自分たちが知らないストーリーを自分たちがめくっていく」(Sundayカミデ)
ーー前作、普通に録った曲とスタジオでアドリブでセッションで録った曲の、実質2枚分みたいなアルバムだったじゃないですか。今作も、普通に録った5曲とライブ録音10曲の二部構成になってますよね。こういう作り方は、天才バンドにとって必然なんですかね。
Sunday:そうですね、必然といえば必然というか。スタジオで、ワッと音出す感じは……ライブでもそうですけど、二度とやらない感がすごくいいなと思ってます。「すごいかっこいいフレーズ出てるけど、この曲やらんねやろなあ」とか思いながら(笑)。
ーーじゃあスタジオの方でも一発に近い感じなんですね。
Sunday:そうですね。奇妙さんは、どんなやり方しても、すごい気持ちいい感じで音出してくるんですけど。「一回こんな感じでやりましょか?」言うて、3人でやって、「あ、よかったな」と思って、ちょっと休憩とかしてたら、奇妙さんがスタジオでひとりで、ギター持ち替えたりして、全然違うアレンジでおんなじ曲をやりだしたりして。「それもいいね」ってレベルじゃなくて、めちゃくちゃいいんですよ。だから、それはそれで録ってみたいし。「これ一生レコーディング終わらんな」っていう怖さはありました(笑)。誰かが「はい終了!」って言ってくれないと終われないぐらいの。
ーーライブテイクの方も……「ライブを作品で残すべきだ」と周囲に言われるので、音源と映像で残すことにしました、みたいなことがクラウドファンディングのページに書いてありましたけれども。このライブ音源を聴くと「確かにこれは残すべきだなあ」と。
Sunday:あ、ありがとうございます。
ーー「冷やしてる」から「足なおった」のあたりとか、すごすぎますよね。Sundayさんがライブ中に足をケガして、冷やして、治ったということアドリブで歌って、それがすばらしい曲になるっていったいどういうことなんだ?と(笑)。
Sunday:一瞬治ったと思ったんですけどね、あの時。
奇妙:治ってないし、全然。まだ痛い?
Sunday:まだ痛い、今も。
ーーライブで「おもしろい」と「すばらしい」とか、「笑える」と「美しい」が共存することってありますけど、普通それって1本のライブの中に、点みたいにバラバラにあるもんだと思うんですね。
Sunday:そうですよね。
ーーでも天才バンドは全部つながってるんですよね。笑えて美しいひとつのものになってるというのが不思議で。
Sunday:それが僕もねえ、ワンダフルボーイズをやってて……昨日も岐阜のフェスで、ワンダフルボーイズが出て、そのあと天才バンドが出るっていうのがあったんですけど。ワンダフルボーイズは、「フレーズはこう」って全部メンバーに指定して、「とにかくアンサンブルを意識して演奏してください」って……そのよさもあるんですけど、天才バンドで、まだ見ぬページをめくりまくっていくみたいなライブになった時は、「こんな壮大なこと、あってはならん」みたいに思えるくらい、すごいなと思いますね。簡単に言ったら、ワンダフルボーイズは自分の思い描いてる音をそのまま出すために練習するんですけど、天才バンドは思ってもない音が出てきて、それに自分を合わせていくみたいな感じ。だから、すごいお互いが引き出し合ってるなと思うんです、天才バンドは。
奇妙:Sundayさんには、いろんな部分があってそれをいっぱい見たいなと思うので、いろいろ頼んでみるっていうのはありますね。Sundayさん、すごいがんばり屋なんですよ。頼むと、適当に終わらしたりしないんで。……なんか、全部にホスピタリティ感じるなって。
ーーホスピタリティ?
奇妙:「こう見られたい」とか「気に入られたい」じゃないんですよね。基本的にそういう生き方になってるんやなあと思って。自分にはそういうところがないから、この人がおることで、すごい助かるなあというのがあるんですよね。最初の頃は、自分の身体能力をここで全部試す、みたいな。どんだけ声出るんか、どのぐらい楽器弾けんのか、どんぐらい身体動くんかな、とか、いろいろ試そうと思ってやってたんですけど。だから全然お客さんの方を見てなかったんですけど、急にそれがつまらんくなって。お客さんとコミュニケーションとって、なんかになるんが、今はすげえ楽しいです。最近はそういう感じですね。
ーーテシマさんはいかがですか。このふたりに要求されることが大変だったりはしない?
テシマ:まあ大変な部分もありますけどね。
Sunday:言ってる意味がわからんとか?
奇妙:「なんかこいつらイライラしてる、でも何言ってんのかわからん」とか。
Sunday:「壊れろ! 壊れろ!」とか言うから。僕たちもね、前はわかりやすく言ってたと思うんですけど……自分のミュージシャン、演奏家としての部分が、天才バンドやともうむき出しで。「バーンていきたい!バーンてなりたい!」みたいなモードに、リハーサルから入ってたりするんで。3人集まると、説明がヘタクソになるというか。テシマに「もっともっともっと! いや、違う違う違う!」しか言うてないとか。
ーーライブテイクを聴いていると、3人ともえらいことを要求されてるなってつくづく思いますね。「バンドってこういうものなのか!」という。
Sunday:そうなんです。だからね、そこがいろいろ考えさせられるところでもあります。さっき言った、自分たちが知らないストーリーを自分たちがめくっていくっていう壮大なことを、3人でやってるっていう。そういうことが、自分のバンドとか、ほかのユニットではたぶんできないから。二度とできない寂しさもあるし、これを違うところでやれない葛藤もありますね、天才バンドは。なんでこうなったのかも説明できないっていうのが、ライブが終わって帰る時の……「説明できないけど、すごかった、ありがとう」みたいな感じです。
ーーやってることはロックもしくはポップスなんだけど、手法はフリー・ジャズみたいな。
テシマ:(笑)。
Sunday:そうですねえ。
ーーSundayさんがゲソ天をゲリ天って読み間違えたって話から、アドリブであんなきれいなメロディが出るとは思わないですもん(笑)。
Sunday:そう、あれはすごいですよね、奇妙さんのあの即興力は。僕のミスをね、簡単な言葉で、いいメロディにして。
奇妙:……あれ、すごいミスチルっぽくないすか?
Sunday:ええっ? そう思ってたんすね?
奇妙:あの、「♪何を犠牲にしても~」っていう。
Sunday:ああ、「Everything」。誰も思ってないと思う(笑)。
ーーだから聴いていると「そもそもバンドとは何か」ってことまで考えさせられるというか。
Sunday:それね、僕は深く考えないようにしてます、やる以上。深く考えてしまうと、どうせ迷宮入りするやつなんで。でも、ひとつのバンドのあり方として、すごいなと思ってますけどね。誰が指揮をとってるわけでもなく、なんとなく集まった感じもありながら、でも、会ってない間どうやって生きてきたのかを発表する場所でもあるし。自分がぬるく生きてたら、天才バンドのライブについて行けなかったりするんで。そういう緊張は常にありますよね。
■「コミュニケーションの手段として音楽がある」(奇妙礼太郎)
ーーSundayさん、なるたけシンプルなコード進行で、簡単な言葉で曲を作るっていう基本方針をお持ちじゃないですか。
Sunday:ああ、僕は基本的に曲を作る時は全部そうなんで。コード進行をさせないっていうのが、まずモットーで。たとえば、コード進行がほんとにきれいで、心の琴線に触れる音楽もあるじゃないですか。それは、聴くのは好きなんですけど、僕が自分で作る場合は……自分の言いたいことを人の耳に入りやすいようにするための音楽なんで。言葉が入りやすいための補足という感じなんですよね、自分の作る曲は。音楽のかっこよさに……コードとかメロディのかっこよさに、言葉が負けないように、ある程度簡素化された、4つぐらいのコードで行けるとこまで行ってみよう、っていう感じですね。
ーーだから、奇妙さんはすごいボーカリストだけど、奇妙さんが歌わないと成立しないようなものは作らないというか。
Sunday:ふたりで初めてライブした時に……奇妙くんの曲もやるし、僕の曲もやるし、半々ぐらいでやってみたんですけど。その時に、曲を作る思考回路が、根本的に一緒な感じがしたんですよ。「自分とおんなじ人がいた!」って思ったんで。僕の曲を歌ってもらっても、なんの違和感もなく、昔から一緒にやってるかのように。奇妙さんはどう思ってるかわからないですけど、僕は最初「一緒!」って思ったもん。
奇妙:一緒とは思ってない。
Sunday・テシマ:はははは!
奇妙:全然。「すごいなあ」と思うだけですね、僕は。曲作ったり歌詞書くのって、積み重ねたものが要るんですよね。ほんまにそのこと自体好きでないと書けないですし、言葉で何かを作ったりするのを好きじゃないと、歌詞を書けないんですけど。人のものを読んだり見たりするのはすごい好きなんですけど、自分で書くのは全然好きじゃないんですよ。で、いいものとか全然出てけえへんなって自分では思うんですけど。Sundayさんのやつはーーよく言うんですけどーー難しい単語とか出てこないですし。もう子供からお年寄りまで絶対わかる言葉なんですよね。最初にSundayさんの曲を歌った時に、すごいなあ、その日ライブに来た人が覚えて帰るなあ、と思って。すごいことなんですよ。その日覚えて帰って、また聴きたいって思うことって。エンターテインメントって、お膳立てがすごい大事というか。いろいろ楽しみあるじゃないですか? すごいかわいい男の子がやってるとかもあるし、衣装がおもしろいとか、照明とかダンスもあるし。全部その楽しみのためのものやから、全部すばらしいんですけど、すぐにできるってことを考えると、メロディと言葉のすごさってあるなあって思ってるんで。だから、自分と同じとは全然思わない。生きてきた厚みが全然違うし。
Sunday:「生きてきた厚み」って(笑)。いや、僕は厚いですけど、奇妙さんも薄っぺらくはないですよ?
奇妙:いや、僕、右翼の人にスカウトされたことないですから(笑)。
ーーされたんですか?
Sunday:ええ、まあ、右翼というかーー。
ーーお父さんとお母さんは学生運動で出会ってるのに?(笑)。
Sunday:いや、お母さんともめてた団体の右翼の事務所の人が、僕がその息子やって気づかずに、「おまえ威勢いいらしいな。いろいろ噂きいてるけど」って。
奇妙:「このへんに元気なボーイがおるらしい」とききつけて。
Sunday:名刺渡されて、「月50万でうちに来い」っていうのがありましたね。
奇妙:それが宿敵の息子やったっていう(笑)。
Sunday:「カミデっておまえ、お母さん、もしかして……」っていう。
奇妙:ヤンマガ読んでるみたいやもんな、その話(笑)。
ーーっていうか、普段こういう話って自主的にばっさりカットするんですけど、お父さんとお母さんの学生運動の話、ライブテイクの方のMCに丸々入ってるし(笑)。
奇妙:いけるやつです。
カミデ:全然大丈夫です。
奇妙:そういう話って、あってもひとり2~3個やと思うんです。相当おもしろい人でもそんぐらいやと思うんですけど、Sundayさん、会うたびそういう話が延々出てきて。もう怖いなと思って(笑)。
ーー奇妙さんは普段、あちこちでゲストとかで、古今東西の名曲を歌ったりすることが多いじゃないですか。Sundayさんの曲ってそのどれとも違います? やっぱり。
奇妙:うーん……。
ーー最近だと僕は、5月9日に中野サンプラザの『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー』で、RCサクセションの「宝くじは買わない」を歌っておられたのを聴いたんですけども。
奇妙:ああ! めっちゃよくなかったですか?
Sunday:はははは。あ、そう?
奇妙:うん。「俺がいちばんよくない?」と思った(笑)。
カミデ:これは観た人に改めてききましょう。どうでした?
ーーすごかった。声が出た瞬間に空気が変わった感じしました。
Sunday:へえー!
奇妙:いやあ、僕ねえ、すごいんですよ(笑)。
Sunday:え、歌ってる時に思った?
奇妙:「得意やわあ!」って思いながら歌ってた(笑)。清志郎さんの曲、めちゃ歌いやすいんですよ。自然にでかい声が出るように作られてて。で、Sundayさんの曲は、コード進行、あんまり楽器できひん人でもすぐできるように作られてるんで。そこもすごいことやと思って。コミュニケーションの手段として音楽があるというか。いわゆるよくできた曲とは違う、よくできてる感じがあって。カナヅチやけどノコギリやし、ノコギリやけど…………あれ? おかしいかな、この喩え。
Sunday:いや、まだいける!(笑)。でもその、今日から楽器やりますって人でもできるようなコードにしてる、っていうのはあって。
奇妙:うん。邪念なしにすぐ取り組めるっていいよ。広がる力があるし。
ーーでも、曲自体はそういうものなのに、ライブは正反対ですよね。誰も真似できない。
Sunday:そう言われたらそうですね。
奇妙:なんか、ライブの音源聴いてて「もうちょい普通に歌お」って思いましたけど。
Sunday:あ、そういうとこある? まあでもね、毎回ほんとに、同じ曲が違う曲になるから。その日しか成立しないことなんで。反省はあって、「あん時こうしてたらよかったな」とか「あそこ、もうちょっとがんばったらよかった」とかの連続なんですけど、もはや何を反省していいのかもわからないぐらいの高揚感はあるんですよね。(取材・文=兵庫慎司)