テストで行われた記者会見に出席し、スーパーGT参戦に向けて語ったジェンソン・バトン 6月6日から鈴鹿サーキットで行われているスーパーGTタイヤメーカーテストにTEAM MUGENから参加しているジェンソン・バトンが、走行の合間に行われた記者会見に登場し、午前の走行で体験したホンダNSX-GT、そして8月に開催されるスーパーGT第6戦鈴鹿1000kmに向けて語った。
2000年からF1のトップドライバーとして活躍を続け、2009年にはワールドチャンピオンも獲得したバトン。今季はマクラーレン・ホンダのアンバサダー兼リザーブドライバーとして活動するかたわら、MOTUL MUGEN NSX-GTの第3ドライバーとしてスーパーGT第6戦鈴鹿1000kmにスポット参戦することになった。
そんなバトンのホンダNSX-GTの初ドライブが、6月6~7日に鈴鹿サーキットで行われているタイヤメーカーテストで実現した。バトンは昨年のHonda Racing Thanks DayでGT500マシンをドライブしたことはあるが、2017年用のNSX-GT、そして他車がいる実戦に近いテストの場での走行は初めてだ。
■『スーパーGTは前からチェックしていた』カテゴリー
バトンは1日目午前の走行後、タイヤメーカーテストとしては異例の人数が訪れた報道陣向けに行われた記者会見に出席。「まずは、日本に戻ることができて嬉しいよ。特に鈴鹿にね」と笑顔で語った。
「ここにはたくさんの特別な思い出があるし、1995年にカートで走ってから、2011年にF1で優勝したときなど、本当にいろんな思い出があるんだ。そんな日本で、多くのファンの前で走ることができるなんて素晴らしいよね。この機会をくれた山本さん(ホンダ山本雅史モータースポーツ部長)に感謝しているよ」とバトン。
バトンによれば、スーパーGTは「何年も前からチェックしていた」カテゴリーだという。「たくさんの友人が出ているし、話を聞いていたんだ。特にジェームス・ロシターはカリフォルニアに滞在しているときに一緒にいて、『とてもエキサイティングだし、最高なレースだ』と教えてくれたんだよ」とバトン。
「ファンの様子も素晴らしく、F1では考えられないくらい、最初から最後までたくさんのオーバーテイクがある、ファンタスティックなカテゴリーだってね。話を聞いていくにつれて、自分も参戦したくなったんだ」
「こうして僕が参戦することになって、ジェームスも喜んでいると思うよ。彼は別のメーカーだし、タイヤブランドも違うから、これ以上の情報は教えてくれないとは思うけどね(笑)」
「それにヘイキ(コバライネン)もそうだし、ロニー・クインタレッリは1997年にレーシングカートで戦った間柄なんだ。僕の知っているドライバーもたくさんいるから、彼らと一緒に戦うのがすごく楽しみだよ!」
■NSX-GTは「いい印象しかない」
バトンは6月5日の午後に鈴鹿サーキット入りし、シート合わせを行った。チームメンバーやヨコハマタイヤのスタッフ、トリオを組む武藤英紀と中嶋大祐ともすぐに打ち解けた様子だ。関係者によれば「後からチームに加わるので、そこはすごく意識している。そしてすごくいい人ですね」とのこと。
6日午前の走行はセッション終盤に10周強をドライブしただけだったが、ホンダNSX-GTについては「いい印象しかないよ」という。
「もちろんまだまだ改良する余地はあるけど、チームのみんなと話をしたり、チームメイトとも情報交換をしたいと思っているよ。チームメイトがふたりもいるのは、僕にとって珍しいから(笑)。まだそれほど長く一緒にいるわけではないけれど、いろんなことを学んでいる」とバトンは語った。
「ホンダNSX-GTで、鈴鹿という特別なサーキットを走ることができるのは本当に楽しみだ。今から1000kmが待ち遠しいよ」
「それにモータースポーツではファンの存在とは欠かせないけど、日本のファンは特別な存在だ。スーパーGTはとても多くのファンがいるというし、僕のF1時代からのファンも来てくれると思う。スーパーGTはファンとの距離が近いと聞いているので、楽しみにしているよ」
「そんなカテゴリーに参戦することはチャレンジングだし、実は屋根付きのレーシングカーでレースをするのも、左ハンドルのクルマでレースするのも初めてなんだ(笑)。ベストを尽くしたいね」
ちなみに「来季以降の活動」についてバトンは「今年あと予定しているのは鈴鹿1000kmに出ることだけだ。もちろんまだレースに挑戦したいとは思っているので、来年はなんらかの挑戦はすると思うけど」と明言は避けた。
「僕はいまいろんなクルマに乗ることが大事だと思っている。今回は、僕が大好きなスーパーGTに出る機会をもらって、そこに集中しているんだ。2018年はなんらかのレースには戻りたいとは思っているけど、今は毎日楽しく、もらったチャンスのために頑張るのが目標だよ」