関口雄飛 PRESS RELEASE
2017年5月31日
2017年スーパーフォーミュラ第2戦、岡山国際サーキットで、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛が大活躍。
ポールポジションからレース1で2位、レース2では見事な逆転優勝を飾る!!
5月27~28日、岡山県、岡山国際サーキットにおいてスーパーフォーミュラ第2戦が開催されました。開幕戦でまさかのノーポイントに終わった関口雄飛とITOCHU ENEX TEAM IMPULのメンバーは、この日の為にミーティングを重ね、シート合わせを何度もやり直すなど、必勝態勢で岡山に臨みました。
今回のレースは、2レース制が採用され、ポイントはそれぞれ半分と発表されました。土曜日に開催される第1レースは20分間の予選でグリッドが決まり、ピット作業義務がない30周のスプリントレース。第2レースは日曜日に開催され、ノックダウン方式で予選Q1の上位10台がQ2に進出、グリッドを決定します。決勝レースはタイヤ交換の義務が課された51周のレースです。
金曜日のフリー走行からトップとほぼ同タイムで2番手をマークし、自信を深めていた関口雄飛は、土曜日朝のフリー走行でもその好調ぶりを発揮し、1分14秒212で6番手タイムをマーク。気温や路面温度に合わせた細かなセッティング変更を施し、予選に臨みました。
午前10時30分から開始されたレース1の予選では、気温22度、路面温度は32度で快晴のコンディション。まず1分14秒254のタイムをマークした関口雄飛は、後半のアタックに向けてセッティングを微調整。残り6分でふたたびコースインすると、チームの指示も功を奏して、完全なクリアラップを取ることができました。タイミングモニター上で、次々とセクターベストを刻む19号車。
チェッカーフラッグを受けた瞬間、ピットにも観客スタンドにも驚きの声とどよめきが起こりました。関口雄飛は1分13秒387のタイムをマークし、2位以下を大きく引き離して圧倒的な速さでポールポジションを獲得したのです。
「1セット目にややオーバーステア気味だったので、エンジニアにセッティングを調整してもらい、2セット目のアタックに出ました。コースインしたタイミングは完璧で、チームも岡山国際サーキットで19台のマシンが一斉にアタックに入るとクリアラップが取りづらいことを理解し、最高のタイミングを図って僕をコースインさせてくれました。アトウッドカーブでアウト側に砂が浮いていて、コース幅をめいっぱい使えなかったのですが、セクタータイムはまずまずだったので、そのまま全開で攻めました。ポールポジションは素直に嬉しいです。でもこのタイムは速すぎますね(笑)。決勝は隣がスタートの上手いアンドレ・ロッテラー選手なので、スタート勝負になると思います」と関口雄飛。
今回のポールポジション獲得によって、まずは1ポイントが加算されました。午後の決勝レース1は、関口雄飛の不安が的中してしまいました。
スタートそのものは悪くなかった関口雄飛でしたが、絶妙なスタートを切ったアンドレ・ロッテラー選手が第1コーナーを奪い、関口雄飛は2番手へとポジションダウン。2台のマシンはそのまま終始僅差でレース終盤まで、お互いファステストラップとセクターベストを更新しながら、緊迫した戦いを繰り広げましたが、順位は変わることなくそのまま2位でチェッカーとなりました。
日曜日の天候は晴れ。朝9時20分に開始された予選Q1で、まずはユーズドタイヤでアタックに出た関口雄飛は、マシンの感触を確認し、残り時間7分30秒を過ぎたところで、ニュータイヤを装着してアタックに入ります。タイヤを温めながら前車との間合いを計り、アタックに入ろうとしたタイミングで、第2コーナーでコースオフした車両が出て、赤旗中断。
この段階で関口雄飛の順位は9番手。赤旗再開後、2分30秒の計測時間と発表され、全車一斉に最後のアタックに突入し、関口雄飛は1分14秒777で10番手。かなり際どい状況ではありましたが、無事予選Q2進出を果たしました。
予選Q2では、残り時間7分30秒でコースインした関口雄飛は、1分14秒134をマークし、2番手となるもトップに届かず、再度アタックを敢行しましたが、タイムは更新できず、最終的に3番手グリッドが確定しました。
決勝レースは、またしてもドラマチックな展開となりました。スタートで順位をひとつ落とした関口雄飛は、1周目に真っ先にピットに入り、4輪を交換。8台のマシンが同じ戦略を取るなか、その中のトップ、12番手でコースに復帰。
前が開けたクリアな状態のなか、予選さながらのアタックを開始します。全開に次ぐ全開で、誰よりも速くサーキットを駆け抜ける19号車。その速さに驚いたライバルチームたちは、無線でそれぞれのドライバーに激を飛ばしますが、誰も関口雄飛の速さを上回ることはできません。
7周を過ぎた段階で、計算上はトップに浮上し、さらにファステストラップを更新しながら関口雄飛は周回を重ねます。33周目には実際にトップを走るドライバーがタイヤ交換にピットに入り、1台を残して全車タイヤ交換終了となり、その1台がタイヤ交換に入った段階で関口雄飛は後続に9秒以上のリードを得ているはずでした。しかし、39周目に第2コーナーでクラッシュした車両が出て、セーフティカーが入りました。その時点でトップの車両はピットインしてタイヤ交換。変わってトップに立った関口雄飛の前に、セーフティカーが入ったのです。
2番手以下に対して8秒873あったギャップはすべて失い、逆にタイヤ交換が早かったために、グリップ力の低下したマシンで戦わねばならない苦境に立たされることになったのです。
43周目にリスタートし、残り9周の戦いが再開されました。2番手のマシンに激しく詰め寄られ、僅差で最終ラップに突入する関口雄飛。オーバーテイクボタンを最後まで使い切り、抜きにくいコースの特性を生かした関口雄飛は、そのままトップでコントロールラインを通過。今季初優勝、通算3勝目のチェッカーフラッグを受けました。
優勝した瞬間、星野一義監督が感極まって雄叫びをあげ、そしてはじけるような笑顔で、チームスタッフひとりひとりに握手をし、パルクフェルメに戻ってきた関口雄飛を抱きしめ、喜びを分かち合いました。関口雄飛はこの優勝で初のシリーズ制覇に向けて大きな一歩を踏み出すことになりました。
■関口雄飛のコメント
「2016年に中嶋一貴選手が土曜にぶっちぎりだったのに、日曜日は予選Q2に進出できなかったことがあったので、自分たちにもそれが十分起こりうると考え、土曜のレースが終わったあと、エンジニアとその部分を話しました。対策はしたつもりだったのですが、うまくいかず、Q1はギリギリで通過できました」
「Q2に向けてマシンを修正して、いい感じにはなったのですが、昨日ほどのバランスの良さはありませんでした。でもQ1と比べたら大きな進歩がありましたし、予選3番手なら優勝は狙えると思いました。自分のペースで走ることができれば、勝てる自信はありました」
「土曜日のレース1では、スタートで前に出られて最後まで抜けませんでしたが、レース2はピットインが義務付けられているので、戦略次第では自分のペースで走れるので、抜くチャンスは十分にあります。ですからピットインのタイミングに関しては、ドライバー、エンジニア、監督といろいろな意見があって、悩みに悩みましたが、最後は1周目に入ると決めました」
「2016年のSUGOでの優勝は、自分で勝ち取ったという感覚でしたが、今日はいいクルマといい戦略で勝たせてもらったことが大きいので、チームにめちゃくちゃ感謝しています。終盤でライバルのペースが速く、厳しい状況ではありましたが、ミスさえしなければ絶対に抜かれないとわかっていたので余裕でした」
「今日は勝てて本当に嬉しいですが、スタートに課題が残ったので、その部分を解決して、次の富士でもいい走りができるように頑張りたいと思います」