トップへ

ツバメの巣を見つけた場合、どうすれば? 相模原で駅職員が巣を破壊、ヒナ落下死

2017年06月05日 12:54  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

神奈川県相模原市のJR相模湖駅で5月27日、屋根にあったツバメの巣を駅職員が壊して、落ちたヒナが1羽死んでしまった。読売新聞によると、「フンが汚い」と言う苦情を受け、職員がツバメを追い払う為に、高さ約3メートルの屋根の下にあった巣を棒を使って壊したという。


【関連記事:バスの降車ボタンを押して「うっそでーすw」 小学生の「いたずら」は犯罪になる?】


ネット上では、「残りのヒナが心配」、「フンで汚なくなるなら他にやり方はあったと思う」、「ツバメって言ったら旧国鉄のシンボルだったんだがな…」などと悲しみが広がっている。


ツバメの巣を見つけたら、どうしたらいいのか。今回の事案が起こった相模原市を管轄する、神奈川県央地域県政総合センター環境調整課の担当者に聞いた。


●巣立ちの練習をしていて落ちてしまうヒナ…「捕獲の前に相談を」

自宅や工事現場の近くにツバメが巣を作ったと言う問い合わせは、毎年4~7月ごろになると数件あるという。「ツバメのヒナが飛び立つ練習をしていて、道路に落ちていると言う相談も受けます。それは近くで親鳥がみていて練習をしているものなので、温かく見守ってほしい」。


同センターは2012年から、「ツバメを見守ってください」とツバメの巣についての情報をHPで掲載。そこでは「ツバメは、かつては県内に広く分布していましたが、現在では生息地あるいは生息個体数が著しく減少している減少種として区分されています。ツバメの成長を、多少の期間温かく見守っていただけないでしょうか。抱卵期間は13~14日であり、ヒナは17~22日で巣立つため、長くとも期間はおおよそ一ヶ月程です」などとお願いしている。



ツバメは「鳥獣」に含まれ、鳥獣保護法の8条では「鳥獣を捕獲・殺傷したり、鳥類の卵を採取・損傷したりすること」は禁止されている。ヒナがいたり、卵がある巣を壊せば、『ヒナや卵を捕獲・殺傷又は採取・損傷』したことになるので、鳥獣保護法8条違反になり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性がある。


担当者は「工事などに支障が出る場合など、県の許可を受ければその捕獲や採取を行うことはできます。まずは自治体に相談してほしい」と話している。


(弁護士ドットコムニュース)