マクラーレン・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のマクラーレン・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回は第6戦モナコGPを、ふたつの視点でジャッジ。
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過去2年間いずれもポイントを獲得していたモナコGPで、マクラーレン・ホンダは今年、入賞を逃した。中団の戦いは非常に接近していることを考えると、ここでポイントを獲得できなかったのは正直、痛い。
結果は残せなかったものの、モナコGPでの戦いぶりは、過去2年間と同様、力強いものがあった。
まず予選だ。6カ月ぶりに復帰したジェンソン・バトンがQ3へ進出した。これはマクラーレン側が車体を大幅にアップデートしてきたことが影響している。
モナコはパワー感度が20戦中最も低いサーキットであるため、車体の性能差がラップタイムに反映されやすい。長谷川祐介ホンダF1総責任者も「ポイントは逃したが、車体が確実に向上していることが確認できたことは大きな収穫」だと語っていた。
事実、Q2でクラッシュしたストフェル・バンドーンのベストタイムは1分13秒249で、Q3で7番手に匹敵するタイム。6番手のカルロス・サインツJr.とはコンマ1秒差だったことを考えると、マクラーレンの車体は現時点でフェラーリ、メルセデス、レッドブルに次ぐ4番目のポジションにいるというマクラーレン側の主張はもっともだ。
おそらく、ハンガリーGPとシンガポールGPでもコンペティティブな戦いを演じるだろう。
ホンダの改善も忘れてはならない。ハード面でのアップデートはなかったが、データ設定のセッティングという面で大きな前進が見られた。ドライバビリティ面では「まだ100%ではない」と語っていたバンドーンだが、テスト時から問題となっていたシフトアップ時のオシレーション(共振)に関しては「もう問題はない」(バンドーン)というレベルにまで改善された。
シフトチェンジを頻繁に行うモナコでは、シフトアップ時のオシレーションが解消されたことはドライバーにとって大きなサポートとなったことは言うまでもない。
バトンが交換を迫られたMGU-Hの問題は、基本的にバーレーンGPで起きた問題と同様である。バーレーンGP後に対策を行い、ロシアGPとスペインGPでは同じ問題は起きなかったが、モナコで再発。
長谷川総責任者は「バーレーンGP後の対策は応急処置だったが、その対策が足りていなかった。新しい設計のものを入れるしかない」とタイミングを見て、ICEとは別にMGU-Hにも新しい仕様を投入することを示唆している。
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