ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏が、パワーユニットの大規模なアップグレードをカナダGPに持ち込めるかどうかは「非常にタイト」であり、直前に判断を下すと語った。
今シーズン序盤、ホンダは信頼性とパワーの問題に悩んできた。長谷川総責任者は3月末、改良版のパワーユニットの開発に取り組んでいることを明かし、2カ月以内に完成させたいと述べていた。
しかし、新バージョンのパワーユニットの導入にはテストを完了して耐久性のレベルを確認しなければならないが、カナダGPまでの時間が尽きつつある。
来るカナダGPにアップグレードを導入するかどうかはまだ決断していないと、最近、長谷川総責任者は語った。
「私は諦めていませんし、(用意するために)皆が懸命に努力しているところです。ですが(カナダGP前の)木曜までは決断を下すことはできません」と長谷川総責任者が述べたと、英AUTOSPORTが伝えた。
「すでに(アップデートには)ある程度パフォーマンスの向上が見られます。ですが向上が非常に小さいレベルであれば、次のレースでエンジンを交換する価値はありません」
「まだセッティングには取り掛かっていません。このスペックのセットアップに関して十分な自信を得られなければ、ドライバビリティの問題が生じます。ですからセッティングも重要なのです」
「他に開発中のエレメントがあり、セットアップができて、信頼性のチェックができれば、導入することができます」
「一部のファクターについては準備できていますが、すべての準備が整った状態ではありません」
「非常に小さいものであっても、次のステップアップにこだわるかもしれませんし、パフォーマンスをさらに改善することを目指すかもしれません」
「カナダに大きなアップデートを導入するかどうかは非常にタイトです」
長谷川総責任者によると、アップデートは内燃機関(ICE)の向上に集中したもので、タービンの改善も計画しているということだ。
「私たちにとって、改善すべき最大のエリアはICEです」と長谷川氏は述べている。
今季ここまで、ホンダは、エンジンマップの変更、信頼性に関する変更、インダクションおよび燃料システムについての修正を行うにとどまっている。
マクラーレン・ホンダは第6戦終了時点で全10チーム中、唯一、ノーポイントで最下位に沈んでいる状況だ。
「エンジンパフォーマンスが対等であれば、我々は楽に上位に位置することができるだろう」とマクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは言う。
「シーズン後半に強力なパフォーマンスを発揮し、ポイントを獲得するには、パートナーがステップアップする必要がある」