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空き地で営業も、セレクトショップ「カシミールプラスキデイ」が移動式店舗を選んだ理由

2017年06月03日 09:14  Fashionsnap.com

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「カシミールプラスキデイ」外観 Image by: FASHIONSNAP
ある日は代々木八幡の空き地、また別の日は中目黒のガレージ......今年3月にオープンしたセレクトショップ「カシミールプラスキデイ(Casimir Pulaskiday)」が、固定の住所を持たず週末限定でオープンする移動式セレクトショップとして密かに注目を集めている。

 カシミールプラスキデイを運営するのは、「デスペラード(DESPERADO)」でバイヤーアシスタントや販売員として経験を積んだ三井さやか。取材を行った5月末の日曜日は代々木八幡駅から徒歩2分ほどの場所にある空き地で営業していた。草木が生い茂るこの空間は、偶然前を通りかかった三井が土地の所有者に交渉し週末だけ借りているスペースだ。「知性があって、女性的なスタイルが好き」という三井がセレクトした商品は、ヨーロッパやアメリカ、中東で買い付けたウエアやシューズ、アクセサリーが中心で、価格帯はTシャツが6,000~1万円、パンツが2万~3万円台、ドレスが4万5,000円など。2017年春夏シーズンは「LANA SIBERIE」「Vaquera」「Gabriela Coll Garments」「Lako Bukia」「Marta Jakubowski」など約15ブランドがオリジナルの什器に並び、試着を希望すれば、簡易的な着替え用テントを出してくれる。
 営業場所はこの空き地のほか、中目黒、祐天寺、上野などに数カ所あり、週後半にインスタグラムで場所を告知。カシミールプラスキデイを1人で経営する三井は、ショップを立ち上げるにあたり「資金が限られている中、マンションの一室などスペースを借りることは考えたが、しっくりこなかった。私自身、服はやはり人から買いたいので、ECという発想もなかった」ことから、バンで移動するセレクトショップという新しい形での開業を決意。天気に左右されるなどリスクもあるが、オープンからの約2カ月半を「お客さんは30代が多いが、近所に住む方がふらっと寄ってくれることも。普通の場所だと接点が無い方がたくさん来てくれて、すごく楽しい」と振り返る。日曜の昼過ぎに行った取材中には、散歩中の親子やカップルなど、偶然店の前を通りかかった多くの人が足を止め、興味深そうに入店していた。服がそよ風になびく様子や、のどかな空気を感じながらの買い物は屋外ならではの体験。三井は「ここだと服がキラキラして見える。モノはこだわって選びつつ、お店は常に軽やかでいたい」と話し、新しい店舗のあり方を提案した。
■カシミールプラスキデイ:公式インスタグラム