スズキは来シーズンからサテライトチームの設立を開始することに二の足を踏んでいる。スズキのチームボス、ダビデ・ブリビオによると、プログラムが「問題を起こす」ことを懸念しているのだという。
スズキの2017年シーズンのスタートは振るわず、5戦が終わった現在、今季加入のアンドレア・イアンノーネのランキングは15位、これまでの最高順位は7位となっている。
イアンノーネのチームメイトでルーキーのアレックス・リンスは、負傷のためデビューシーズンにおいてまだ2戦にしか出場していない。
トラブル続きのスズキのスタートだが、ここに来てMotoGPの各サテライトチームが来シーズンのプランを固め始めた。アスパーとアビンティアレーシングが最近になって、ドゥカティとの契約を継続することを決めたのである。
これによりスズキの2018年のカスタマー候補は、ホンダのサテライトチームであるLCRとマークVDS、およびドゥカティのサテライトチームであるプラマックのみとなってしまった。
ライバルのマニュファクチャラー、アプリリアとKTMも来年はバイクの台数を増やす意図があることを明言しており、スズキのチームマネージャーであるブリビオは、2018年に『GSX-RR』の台数がグリッド上に増えるチャンスは今ではわずかとなってしまったと考えている。
「スズキは非常に大きな企業だが、レースに割り当てられる予算はそれほど大きくない」とブリビオは語る。
「サテライトチームを作ると、ファクトリーチームのリソースを使い果たしてしまうかもしれない」
「プロジェクトの進行状況はつかの間停止している。というよりは『スタンバイ』の状態だ」
「サテライトチームに割り当てられるリソースを失うことで起こるかもしれない問題のことを懸念している」
マーベリック・ビニャーレスがヤマハに移籍してからというもの、スズキは、ビニャーレスがイギリスGPで2007年以来の優勝を獲得した2016年のような姿を再現できていない。
ブリビオは、サテライトプログラムが問題の解決や開発に取り組む際に有益であることを認めたが、スズキには現時点でプログラムを運営する準備が整っていないことを危惧している。
「追加で2台のバイクがあると、データの取得にとても役に立つ。だがスズキは過去にサテライトチームを持ったことがない」
「さらに言えば、初めてチームを会社内で運営しているんだ」