F1の新しいオーナーが、チームへの収益の分配方法について見直す意向を示しているが、ハースF1チームのオーナー、ジーン・ハースは、上位チームが下位チームよりも多額の分配金を得るのは当然だと主張した。
リバティ・メディアは、現在のコンコルド協定が2020年に失効する際に、各チームへの分配金支払いの仕組みを変えたいという考えを明らかにしている。現在のシステムでは、いくつかの特別な契約によって、フェラーリ、メルセデス、レッドブルなどがより多くの分配金を受け取っている。
中団チーム代表のほとんどが現行システムからの変更を望み、より多い分配を得ようと画策しているが、新規参入から2年目のチームを率いるジーン・ハースは、現行のシステムが実は公平なものだと考えている。
2016年にコンストラクターズ選手権8位だったハースは、2017年に合計1,900万ドル(約21億円)を受け取るが、これは全チームのなかで最低金額である。過去3シーズン中にコンストラクターズ選手権で10位以内に2度ランクインした場合の分配金、「コラム1」の3,600万ドル(約40億円)をハースは受け取る資格がないためだ。
「アメリカにおいて最も抜け目のない実業家は上場企業であり、最終的にはそこに向かおう」とハース。
「しかし我々はこのビジネスにおいて新参者であるため、フォーミュラ1からの我々の収入は微々たるものだ。よってもらえるものは何でも大変ありがたい」
「ただ、いかに富を再分配するかについては非常に慎重になるべきだ。なぜなら上位チームにはこのスポーツでの活動を50年行っているところもある。彼らはこのようなコストの分配システムを適用される権利を正当に勝ち取ったのだ」
「下位チームがより多くの分配金に値しないと言っているわけではないが、それでも上位チームの方が多くの分配金を得る資格があると私は考えている」
「そういったことを無視して分配するべきではない。なぜなら率直に言って、レースに優勝したら見返りがあるべきだし、社会主義タイプの仕組みであってはならない」
トニー・スチュワートとともに共同オーナーとしてNASCARにもチームを保有しているハースは、リバティ・メディアによる変更は避けられないと考えているが、コスト削減が各チームにとって何を意味するのかについては慎重だ。
「新オーナーは、収益アップとコスト削減に取り掛かるだろう。新しくオーナーになった者は大体はそういうことを行う」とハース。
「それこそが、まさに彼らがやろうとしていることだ。我々はコストがかかる状況にあり、彼らの意向には少々神経をすり減らしている」
「その一方で、F1はある程度収益性の高い事業だから、深くは踏み込まないかもしれない。すべてが自ずと丸く収まるだろう」