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Irisが語る、歌手とタレント業の両立が与えた変化 「日本に来てからポジティブになってる」

2017年06月01日 18:43  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今年からフジテレビ系バラエティ番組『新しい波24』のレギュラーが決定し、キュートで天真爛漫なキャラクターで魅力を振りまいている、マレーシア出身のIris(アイリス)。その彼女の明るさが形になったのが、3rdシングル『ファンタスティック ジャパン』だ。現在、カミナリ等のお笑い芸人や、“渡辺直美そっくり”のPopteenモデルみくぴとダンスを踊るMVも話題となっている曲で、Irisが日本に来て驚いた体験などが、カラフルでダンサブルなポップチューンとなった。CMやテレビ出演も増え、昨年秋にリリースした前作『小さな声』からの間にも、笑顔が増え、インタビューでもボケやギャグ(?)も飛び出すほど急速に日本語を使いこなしているのには、驚いた。天性のキャッチーさが顔を出してきた今と、曲とがピタリとはまっている。そんなIrisに、新曲のこと、バラエティ出演のことなどを、ストレートに聞いてみた。(吉羽さおり)


参考:NYコレクション出演も決定! Irisが語る“シンデレラストーリーの途中”


ーー前回の2ndシングル『小さな声』での取材は、ちょうど『New York Fashion Week 2017 SS』にモデルとして出演が決まった頃でした。実際にショーに出演したり、また『新しい波24』のレギュラーが決定したりとどんどん活躍の場が増えていますね。今回は、新作『ファンタスティック ジャパン』と合わせて、近況をお伺いできればと思いますので、よろしくお願いします。


Iris(アイリス):よろしくお願いします。押忍、押忍!


ーーどこで覚えたんですか、その言葉は(笑)。


Iris(アイリス):はははは(笑)。


ーー「ファンタスティック ジャパン」は久々のシングル曲で、前作「小さな声」とはまたガラリと雰囲気が変わりましたね。とてもポップで明るい曲ですが、曲をはじめて聴いた時は、どう思いましたか。


Iris(アイリス):ちょっと心配でした。こういうテンポが速い曲は、苦手なんです。だから、レコーディングは大変でしたね。


ーーこの歌詞にはIris(アイリス)さんが日本に来て体験したことや、不思議に思ったことがたくさん詰まっているそうですね。


Iris(アイリス):わたしが日本に来て感じたこと、日本の不思議なことをいくつかあげて、歌詞にしてもらいました。例えば、日本に来てまず驚いたのが、日本人の礼儀正しさでした。「はい、わかりました(ペコリ)」「はい、お願いします(ペコリ)」っていう感じで、ずっと礼儀正しくて。日本人のカルチャーってすごいなと思って。あとは、電車ですね。ちゃんと時間通りに来るのが、不思議でした。1分も外れずに電車が来て、みんながオンタイムで会社に行く感じとか(笑)。


ーー確かにそうですね(笑)。


Iris(アイリス):マレーシアでは、電車の時刻表もないし、いつ来るのかも教えてくれないから、1時間くらい待つこともあるんです。日本って素晴らしいなと思いました。あと電車では、PASMOとSuica! 何が違うのかよくわからなくて。わたしはPASMOを持っていたんですけど、会社の人はSuicaを持っていて。でも、同じように改札ではピピッとできて。同じなのに、名前が違う⁈っていう。


ーーPASMOとSuicaは、そうですね。地方ではまた名前が違うので、それは日本人でもあるあるだと思います。歌詞には原宿や秋葉原などの地名も出てきますが、実際に行ったことはありますか。


Iris(アイリス):あります。原宿って、なんでクレープなんですかね(笑)。みんなが「せっかく原宿に来たから、クレープ食べる」っていうのがよくわからなくて。わたしも食べてみたんですけど……普通でした(笑)。すいません。


ーーはははは(笑)。そういうIris(アイリス)さんからみた不思議が、たくさん歌詞に織り込まれているんですね。


Iris(アイリス):いっぱい入ってます。外国人が思う、日本のファンタスティックなことも歌詞になっていますね。寿司と芸者とか。マレーシアにいた時に日本の映画『SAYURI』を観て、芸者さんや舞妓さんにはまりました。格好がすごくきれいだし、上品な感じがして。だから、日本に来て『なんでもワールドランキング ネプ&イモトの世界番付』(日本テレビ系)に出た時も、絶対に京都には行きたくて。旅の途中でアルバイトで稼いだ全部のお金を出して、舞妓さんの格好を体験しました。顔も真っ白に塗って、楽しかったですね。


ーー歌詞には入らなかったけれど、他にもこれは不思議だなというものはありましたか。


Iris(アイリス):なんでみんな、会社が終わって早く家に帰らないのかですね。マレーシアでは家族が大事で、早く家族に会いたいから、仕事が終わったらすぐに家に帰るんです。だから、日本のサラリーマンが、ずっと会社にいたり、仕事が終わっても会社の人と飲みに行ったりするのが、不思議でした。一緒に仕事して、また会社の人と飲みに行くの? って。しかも、長いじゃないですか。でもめっちゃ酔っ払っていても、次の日はちゃんと会社に行くのは、素晴らしいです。


ーーマレーシアのお父さんたちは、会社が終わって飲みに行くことはあまりないんですね。


Iris(アイリス)Iris:ないですね。ご飯には行くけど、あまりお酒を飲みにはいかないですね。家族や友達、恋人同士でならありますけどね。


ーーそういった文化の違いや面白さがポップに描かれた曲ですが、歌うのが大変というのは、どういうところでしょう。


Iris(アイリス):前の「小さな声」は、日本語詞と英語詞が混ざった曲でしたけど、今回はほとんど日本語詞で。しかも速いテンポに、言葉がいっぱい入って、間に合わない! という難しさがありました。


ーーノリのいい曲ですし、MVではダンスもしているじゃないですか。


Iris(アイリス):踊ってますね(笑)。MVの撮影は、すごく楽しかったですよ。


ーー明るいポップな曲で、MVではIris(アイリス)さんの素顔や自然な笑顔が見えて、とても良かったですよ。前回の「小さな声」は悲しく切ない曲で、MVでもたくさん涙を流したと言っていましたよね。


Iris(アイリス):そうです、前回はいっぱい泣いちゃったし。今回は、真逆ですね。


ーー(笑)。ダンスは得意だったのですか。


Iris(アイリス):めちゃめちゃ下手です。左足と左手が一緒に出ちゃうタイプで(笑)。振付があるとわかって、眠れなかったですね。(一緒に踊っている)みくぴちゃんと一緒に初めて先生と練習する時は、見せられないくらいのダンスのレベルで恥ずかしかったから、こっそり自分で練習しました。


ーー確かにこれまでの曲では、ダンスする曲はないですしね。でも、実際にダンスしてみてどうですか。


Iris(アイリス):楽しかったですね。そんなに難しいダンスじゃなくて、みんなノリノリで、すごく楽しい。今回は、ダンスの振付ビデオも入っているので、もしライブでやってくれたら嬉しいです。


ーーカップリング曲「One More Step!」、これも新しいタイプの曲ですね。


Iris(アイリス):この曲は、夢を持って頑張っている10代や20代、学生の子に向けた曲ですね。これはレコーディングが、とてもスムーズでした。英語詞がたくさん入っていますし、裏打ちのリズムは苦手なんですけど、前乗りのリズムなので。アップテンポなんですけど、わたしに合っていて。レコーディングも早かったんです。


ーー内容的には、Iris(アイリス)さん自身共感できるところはありますか。


Iris(アイリス):わたしもひとりで日本に来て、いろいろチャレンジをしていてーー今となってはもうマレーシアに戻れないから、ここで頑張るしかないので。この曲には共感しますね。今の若い子たちにも夢を持って、One More Step、一歩だけでも出して頑張りましょうっていう思いがあります。


ーーもう1曲の「Rainbow」はもう少し大人になった人へ向けた曲ですね。


Iris(アイリス):そうです、この「Rainbow」は社会に出た女の子たち、働き出して、大変さも味わう女の子が描かれていて。ラブソングでもありますけど、わたしにとっては、頑張る女性の心や悲しみとか、どうしようもない気持ちみたいなものを歌った曲だなと思いました。これは、ちょっと歌うのが難しい曲ではありましたね。日本語がまだまだですねえ。


ーーいえ、前回お会いした時よりも日本語がさらに上達していて今びっくりしているくらいです。バラエティ番組『新しい波24』のレギュラー出演が決まったりと、活動の幅がどんどん広がっていますが、バラエティの現場はどうでしたか。


Iris(アイリス):すごく楽しいですね。マレーシアには、バラエティ番組は全然ないんです。日本に来て、バラエティ番組を初めて見て、人を笑わせたり幸せにしたり、お笑い芸人さんたちって、すごいなと思って。バラエティ番組にはもっとチャレンジしたいなと思うし、みんなに笑顔になってほしいです。でもとても難しいですね。お笑いって、すごいなって思いました。芸人さんが、みんなでチームプレーで番組を作っている感じで。


ーーそのチームプレーで番組を作るというのは、どういうもの?


Iris(アイリス):台本にはないし、普段はみんなライバル同士だと思うんですけど、何かあると不思議なアイコンタクトで、一緒に転んだりするとか。チームプレーみたいだなと思ったんです。


ーーバラエティに出る時って、まわりに芸人さんがたくさんいますよね。自分もいつもよりもテンションを上げようというのもありますか。


Iris(アイリス):あります。チームプレーでみんなで一緒に作る番組だから、自分もそこにちゃんと加わっていかないといけないし、目立たないので。


ーーそのチームプレーで、ここは自分も行くところだっていう“空気”みたいなことって、わかってきましたか。


Iris(アイリス):今、正直、空気はわかっているんですけど、言葉、日本語が出てこないんです。そういう時がたまにあって。うーー!って悔しい感じがあって。


ーーということは、何か爪痕を残さなきゃという気持ちもあるんですね。


Iris(アイリス):爪痕を残したいと思うんですけど、残したいと思っちゃうと面白くなくなるんです。考えすぎちゃうというか。多分、自然の方がいいのかな? 


ーーそれが求められてるのがわかっているのは素晴らしいですよ(笑)。


Iris(アイリス):はい、頑張りまーす。


ーーこの取材での受け答えも、いい言葉のセンスがありますしね。


Iris(アイリス):それは、偶然です(笑)。面白いと思ったら、教えてください、メモしておくので。


ーーちなみに、お笑いのボケとツッコミというのも、理解しました?


Iris(アイリス):ツッコミはわかりました。


ーーツッコまれる方が、ボケですね。ちなみに、Irisさんは自分でどちらだと思います?


Iris(アイリス):わたしは、ボケ(笑)? 日本のお笑いの面白さも、ちょっとずつですがわかってきました。でもレベルが高くて、本当に、少しずつわかるとまた難しくなるんです。言葉も、芸人さんは関西弁が多いので、それを理解するのも大変で。わからない時も多いんです。しかもみんな早口で(笑)。


ーーそこに頑張ってついて行っているんですね。


Iris(アイリス):頑張ってます。押忍、押忍。


ーー(笑)。


Iris(アイリス):いえ、忘れてください(笑)。


ーー番組でもやってみたらどうですか(笑)。


Iris(アイリス):メモしておきます!


ーーこれからチャレンジしたいことはなんですか。


Iris(アイリス):もっとお笑い番組とかも頑張りたいし、歌でもライブをいろいろやりたい。みんながハッピーになってほしいです。


ーーどういうライブをしたいかというイメージはありますか。


Iris(アイリス):今はまだ曲がたくさんあるわけではないので、具体的にイメージしてないんですけど。今回「ファンタスティック ジャパン」でみんなで楽しめる、ダンスができる曲も増えたので。みんな一緒に、ノリノリしようかなと思ってます。


ーー今はバラエティや音楽で前向きなIrisさんの一面が出ていますが、以前のインタビューでは、もともとIrisさん自身、内面的に暗い部分もあると話していました。今はそういう気持ちとどう向き合っているんですか。


Iris(アイリス):だいぶ今は変わってきました。日本に来てからは、ちょっとずつ明るくなって。笑うことが増えて、ポジティブになっているんです。もともとは、半端ない暗かったんですけど(笑)。


ーー半端なかったですか(笑)。それを自分で歌詞にしたり、歌で消化していたんですね。


Iris(アイリス):そうです。今も悲しいことはありますよ、裏のリズムが取れないこととか(笑)。


ーー「ファンタスティック ジャパン」のような明るい曲がリリースとなって、Irisさんのイメージもさらに明るくポップな印象が強くなりそうですね。バラエティでの活躍も、とても合っているようなので、ますます楽しみにしてます。


Iris(アイリス):はい、頑張ります。押忍、押忍(笑)。(吉羽さおり)