WEC世界耐久選手権にフォードGTで参戦するチップ・ガナッシ・レーシングは、6月17~18日に決勝レースが行われるル・マン24時間耐久レースで、セバスチャン・ブルデーに代わり、トニー・カナーンを起用すると発表した。
同チームからインディカー・シリーズに参戦しているカナーンは、今年1月のデイトナ24時間でフォードGTをドライブ済み。ル・マン24時間ではレギュラードライバーであるディルク・ミューラー/ジョーイ・ハンドとともに68号車フォードをドライブする。
当初参戦予定だったブルデーは、第101回インディアナポリス500の予選で激しくクラッシュ。骨盤と右の腰を骨折する怪我を負った。なお、現在は退院し、シーズン後半での復帰を目指し療養を続けている。
フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターを務めるデイブ・ペリカックは「理想的な状況とは言えないし、我々はセバスチャン(ブルデー)がタイトル防衛に戻ってこれないことに心を痛めている」と語った。
「このレースが彼にとってどれだけ大きな意味があるか、我々は知っているからね」
デイトナ24時間では優勝経験もあるカナーンだが、ル・マン24時間参戦はこれが初めて。彼は以前から公言していたル・マン挑戦の夢を叶えることになる。
「フォード・チップ・ガナッシ・レーシングのGTラインアップの一員として指名されるなんて名誉なことだ」とカナーン。
「このレースは僕の『やっておきたいことリスト』に長いこと載っていたんだ」
「セバスチャンの怪我でこうなったのは明らかに残念な状況だ。でも僕は彼の代わりに全力を尽くし、チームがこの素晴らしいレースでふたたび勝利できるように手助けするつもりだ」
なお、カナーンはインディカー第7戦/第8戦デトロイトへ出場するため、今週末のル・マンテストデーには不参加。しかし、カナーンはプラチナランクに格付けされているため、テストデーに不参加でも本戦へ出場することができる。