今週末、イタリアのムジェロサーキットでMotoGP第6戦イタリアGPが開催される。
イタリアGPの舞台となるムジェロサーキットは、イタリアのトスカーナ地方、フィレンツェ郊外の丘陵地帯にある高速テクニカルコース。
1周5.245kmのコース全長を持ち、右コーナー9、左コーナー6のレイアウト。メインストレートは1141mと長く、MotoGPクラスのトップスピードは354km/hにも達し、1周の平均速度も約177km/hというハイスピードコースでもあり、長いストレートを使ったスリップストリームの使い合いが見所でもある。丘陵地帯にあるコースのため、アップダウンが大きく、さらに回り込んだコーナーや切り返しのあるコーナーが多いので、マシンセッティングが難しいコースとしても知られている。
昨年のMotoGPクラスでは、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が優勝した。レースはポールスタートのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が好スタートを切り、ロッシとロレンソが序盤からトップ争いを展開するが、ロッシは9周目にマシントラブルに見舞われてリタイアに終わった。
その後、ロレンソとマルク・マルケス(ホンダ)がトップ争いを繰り広げ、最終ラップの最終コーナーにトップで進入したのはマルケスだったが、ゴールライン直前、スリップストリームから抜け出したロレンソが優勝。マルケスはコンマ019秒の僅差の2位となった。3位にアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が入賞。イアンノーネはフロントロウ3番グリッドから決勝に臨んだものの、スタートに失敗。序盤は10番手前後を走っていたが、追い上げて表彰台を獲得した。
MotoGPクラスは5戦を終え、前戦フランスGPでマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)が今シーズン3勝目を記録、ランキングトップに浮上した。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は最後までビニャーレスとトップ争いを繰り広げながら、最終ラップで転倒、ノーポイントに終わり、ランキング3番手に後退。
3戦連続表彰台を獲得したダニ・ペドロサ(ホンダ)がランキング2番手に浮上したが、ビニャーレスとは17ポイントの差がある。ロッシはペドロサに6ポイント差。ロッシに4ポイント差のランキング4番手にマルク・マルケス(ホンダ)が続く。マルケスもフランスGPでは転倒、今シーズン2度目のノーポイントに終わり、フランスGPはチャンピオン争いの様相を変えるレースとなった。イタリアGPではビニャーレスがリードを広げることができるのか、それともロッシ、マルケスが逆襲するのかに注目が集まる。
ランキング5番手にフランスGPでMotoGPクラス初表彰台となる2位入賞を果たしたルーキーのヨハン・ザルコ(ヤマハ)が続く。ザルコとマルケスは3ポイント差で、中盤戦以降、ザルコがトップライダーにどこまで迫るのかに注目が集まる。アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)がランキング6番手、カル・クロッチロウ(ホンダ)がランキング7番手に続き、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)はランキング8番手まで浮上してきた。ドゥカティのホームレースで、ロレンソがどんな活躍を見せるかに注目が集まる。