アルゼンチンの大人気ツーリングカー選手権『スーパーTC2000』の第4戦ロザリオは、本来のメインレースとなる"フューチャーレース"2連戦という変則フォーマットを初採用し、それぞれルノー・スポールのファクンド・アルドゥソ、そして2016年王者のシボレーYPFクルーズ、アグスティン・カナピノが勝利を挙げた。
2017年シリーズ第4戦は、5月20~21日の週末にアルゼンチン北東部サンタフェ州最大の都市であるロザリオで行われ、母国の英雄、アウトドローモ・ファン-マニュエル・ファンジオの名を冠したトラックでは、今季4戦が予定される"グランドスラム戦"の最初のレースとして開催された。
このグランドスラムフォーマットは、通常土曜の予選レース、日曜のフューチャーレースという形式から、メインのフューチャーレースを2戦行う形に変更となり、今季は第4戦のほか第8戦サンタフェ市街地、第9戦ブエノスアイレス200km、そして最終戦コルドバでの開催が予定されている。
この初の試みのなか、最初の予選を制したのはルノー・フルーエンスをドライブするアルドゥソで、2番手にチームメイトのリオネル・ペーニャを従え、ルノー・スポールがワン・ツー体制を築いた。
スタートではそのペーニャがアルドゥソのアウトサイドに並びかける状態で1コーナーに突入するが、アルドゥソがこれを抑え切ると、最初の2周で2番手以下に3.6秒のマージンを築くことに成功する。
2番手には3番グリッドからスタートのプジョー・トタル・チーム・アルゼンティーナ、ファクンド・チャプルのプジョー408が浮上。同じくプジョー408のマリアーノ・ウェルナー、トヨタ・ガズー・レーシング・アルゼンティーナ(TGRA)のマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)、シボレーYPFのカナピノが続く。
フォード・フォーカスIII 5ドアをドライブするダミアン・フィネンチは順位争いのなかでウェルナーにヒットされ6番手にポジションを下げた。
6周目、1コーナーでチャプルのプジョー408がスピンを喫しウォールに激突。このアクシデントでセーフティカー(SC)が出動すると、後続との差を11秒に拡げていたアルドゥソのリードは消滅した。
SCランからのリスタートを10周目に迎えると、抜群のダッシュを見せたアルドゥソはすぐさま2番手以下に2秒のギャップを稼ぎ出し、そのまま最後まで3秒前後のマージンを維持。SC導入の波乱にも動じず、見事トップチェッカーをくぐった。
2位にはプジョー408のウェルナー、3位にトヨタ・カローラのロッシが入り、王者カナピノは最後までカローラを攻略できず、4位に終わった。
続く日曜のフューチャーレース2は午前の予選でシボレーを駆るカナピノが、前日のポディウムフィニッシャー、アルドゥソとロッシを従えポールポジションを獲得する。
決勝スタート後、カナピノがポジションを維持する形でレースが続くなか、15周目にワークス、フィアット・ペトロナスのカルロス-ハビエル・メルロ(フィアット・リネア)と、WTCCドライバーでこちらも今季からワークス参戦を開始したシトロエン・トタル・アルゼンティーナのエステバン・グエルエリ(シトロエンC4ラウンジ)が接触。
このアクシデントでグエルエリはリタイア。さらに続く25周目には、シトロエンのマーティン・モッジアのC4ラウンジがコース上でストップし、前日に続いてSCが導入される。
リードを失ったカナピノだったが、リスタートでも王者の貫禄を見せ、ポジションを堅持。アルドゥソのルノー・フルーエンス、ロッシのトヨタ・カローラを従えフィニッシュラインを通過。この勝利でカナピノは今季初の選手権リーダーに浮上。2番手以下、アウドゥソ、ウェルナー、ロッシ、フィネンチと続くタイトル争いで優位に立った。
スーパーTC2000の第5戦は、WTCC世界ツーリングカー選手権の舞台でもあり、アルゼンチンが誇る最新の国際サーキットであるテルマス・デ・リオ・オンドで、6月11日に開催される。