レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンは、モナコGPにおいて戦略によって表彰台のチャンスを失ったと怒っていたが、チームの説明を受けて、状況を理解したと語った。
決勝序盤、フェルスタッペンは、3位を走るバルテリ・ボッタスのすぐ後ろを走っており、レッドブルはボッタスより早くピットインさせることでフェルスタッペンの順位を上げようと考えた。
メルセデスはその翌周にボッタスをピットに呼び寄せ、結局ポジションは変わらなかった。その上、ふたりの後ろを走っていたダニエル・リカルドが、数周ステイアウトしたことで3位に浮上、表彰台を獲得した。
フェルスタッペンはレース中、無線で不満を示し、フィニッシュした後、オランダのテレビ局のインタビューに対し、「信じられないほどがっかりしている」と語った。
ホーナーは、16周目にピットインしてスーパーソフトに交換したセルジオ・ペレスのペースがよかったことも、フェルスタッペンの戦略決定に影響したと語った。
「ペレスのアウトラップは非常に良かった。それで、バルテリの後ろで走り続けて何もしないよりは(ピットストップをした方が)いいと思った。それにトラフィックが近づいてきていた」とホーナー。
「何台かがトラフィックに阻まれているのを見た。それでアンダーカットに行った」
「だがピットレーンでおそらく1秒を失った。ピットストップでではなく、ピットレーンでだ。それが影響した」
「ピットレーンで完璧に行っていたら、完璧なストップができていたら、うまくマシンを発進させられていたら……マックスのアウトラップを考えれば、ボッタスの前に出ることができただろう。しかしボッタスはマックスに集中し、我々をカバーした」
「それによってダニエルにチャンスが訪れた。彼はフリーエアで走ることができ、それをうまく利用して、ふたり(ボッタスとフェルスタッペン)の前に出て、3位をつかんだ」
日曜夜にフェルスタッペンはチームの説明を受け入れたと、ホーナーは明かした。
「ここに戻ってきてから、彼は冷静に状況を見返した」とホーナー。
「もちろん、走行中は感情が高まっているから、彼がああなるのは予想できる」
「後ろにいたチームメイトが自分の前に出て、表彰台をつかめる位置に浮上したのだ。当然、彼は無線で興奮していた」
「だが事実を確認し、なぜこのようなことが起きたのかを知り、彼はシナリオを理解することができた」
レッドブルのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイは、チームはレース前にふたりのドライバーに対し、ボッタスの後ろを走るようになった場合には戦略を分けるかもしれないこと、どちらの戦略が有利かは明らかではないことを説明していたという。
「レース前にはアンダーカットとオーバーカットのどちらが効果的なのか、はっきりしていなかった」とニューウェイ。
「アンダーカットはうまくいきかけていた。ただ残念ながら(フェルスタッペンの)ピットストップで少しだけ時間をロスした」
「ふたりのドライバーには、アンダーカットとオーバーカットのどちらが有利なのか分からないと、正直に話し、彼らは理解していた」
「よくあることだ。マシンから降りる時、ドライバーは事態を理解していないし、アドレナリンが出ている」