ザウバーF1チームのマーカス・エリクソンは、F1モナコGPでセーフティカー先導中に起きたクラッシュの原因は、ブレーキの問題と冷えたタイヤにあると語った。
エリクソンは、チームメイトであるパスカル・ウェーレインが60周目でジェンソン・バトンと接触してセーフティカーが導入された際、1周遅れで走行していた。
セーフティカーに追い付いたエリクソンは、4周後に列の最後尾に再合流するよう指示を受けたが、これを追い越そうとしたサンデボーテでクラッシュしてしまった。エリクソンは、このときのことを次のように話している。
「ブレーキに問題を抱えていた。セーフティカー導入前に、ブレーキはかなりオーバーヒートしていた。そしてセーフティカーが入ってすごくスローになると、さらに熱をもつようになった」
「ブレーキペダルの感触がどんどん悪くなっていって、使えなくなってしまったんだ。セーフティカーを追い越すよう連絡を受けたときには、ブレーキがあまり利かなくなっていたし、タイヤも冷え切っていた」
「さらにターン1でセーフティカーを追い越そうとしたことが重なって、マシンを止められなくなり、コーナーを曲がり切れなかった。スローモーションのようだった」
エリクソンは、今シーズン仕様のピレリタイヤを温めようとしたことで問題が悪化したとしている。
「今季はこの問題に少し悩まされている。タイヤが保守的な作りになっているんだ。この週末は、スピードを少し落とすたびにタイヤの温度が大きく下がっていった。だからタイヤの温度を維持するために、かなりうまくブレーキを使わなければいけなかったんだ」
「(最後の)3周か4周はブレーキがほとんど使えなかったよ。タイヤの熱が完全に失われてしまっていた。つまり、今回の件はブレーキの問題とタイヤが冷えすぎていたことの両方が原因で起きたことになる」
エリクソンとウェーレインは、それぞれ16番手と18番手を走行中にリタイアしている。前戦スペインGPで、2017年シーズン初のポイントを獲得したザウバーにとっては悲惨な結果となった。エリクソンは次のように付け加えている。
「中団グループの下位では1周あたり約1秒遅くなっていたので、僕たちにとっては厳しい状況だった。レース中のペースはもう少し良かったんだが、これについて何かをできる状態ではなかった」
「レース中にできることはやった。うまくいっていたとは思うが、良い形で終われなかった」