SUPER FORMULA Round2
Race Report
2017.5.27 Sat ~ 28 Sun
今季初PP&初優勝達成で実りある2日間に
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
No.19 関口雄飛
No.20 ヤン・マーデンボロー
約1ヶ月のインターバルを挟み、岡山国際サーキットにて第2戦が開催されました。この間にスーパーGTは2ラウンドを終了したため、チームとしては久々のスーパーフォーミュラのレースとなりました。
開幕戦鈴鹿ではノーポイントという結果に終わり、今回の岡山では巻き返すべく準備をしてきました。土曜日と日曜日にそれぞれ予選と決勝レースを行う2レース制のラウンドに臨みました。
5/27(土) レース1公式予選(計時予選)
10:30~10:50
天候:晴れ/コース:ドライ
気温:18度/路面温度:24度
まずはこの日の午後行われるレース1のスターティンググリッドを決する、予選が全車出走の計時予選方式により朝の10:30~10:50の20分間で行われました。
陽射しがある場所は暑く感じられましたが、風が吹くと少し肌寒いというコンディションになった岡山国際サーキットがある美作市。
10:30の予選開始と同時に勢いよくITOCHU ENEX TEAM IMPULの2台はコースインしていきました。前半にまずはワンアタックを敢行。No.20 ヤン・マーデンボローが1'14.194のタイムをマークし2位につけます。No.19 関口雄飛は1'14.254で後半のラストアタックに賭けます。
残り11分を切るところで全車順々にピットへ戻るなか、関口とヤンもピットへ呼び戻し、セッティングを微調整。残り6分でふたたびコースインさせます。
岡山国際サーキットは3.703kmとコース全長が短く、出走全19台がアタックに向かうとコースの至るところで「渋滞」が発生してしまいます。しかし関口は全車中で真っ先にコースインしていったため、クリアラップを取ることに成功。
1'13.387のタイムで2番手以下を圧倒。ポールポジションを獲得しました。また、この結果によりPPドライバーに与えられる貴重な1ポイントも加算することになりました。
一方のヤンはセッション前半に記録した1'14.194を上回るタイムは出せず5位。しかしながら今回は2台揃って好位置につけ、2人のドライバーは午後のレース1決勝に向け淡々と集中力を高めていきました。
5/27(土) レース1決勝
15:30~
天候:曇り/コース:ドライ
気温:23度/路面温度:31度
決勝レース距離 3.703km×30Laps=111.09km
観客動員数:7100人
1日で予選、決勝を完結させるレース1。昼時間にはピットウォークなどを挟み、慌ただしくスケジュールを消化し、レース1決勝は15:30にスタートしました。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL、No.19 関口雄飛がポールポジションからスタートを切るも出遅れてNo.36 アンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM’S)にかわされ2位へ。
また4番グリッドからスタートのNo.2 石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING)にはインから並ばれ、後方のマシンにも飲み込まれかけますが、2位のポジションを死守します。
代わってトップに立ったロッテラー選手には序盤、差を開けられてしまいましたが、関口は食らいつきます。この後、終始僅差でファステストラップとセクターベストを互いに出し合い、ファイナルラップまでめげることなくレベルの高いラップを記録しますが、そのままの順位でフィニッシュ。悔しい2位に終わりました。
一方、No.20 ヤン・マーデンボローもスタートで順位を1つ落として6位へ。すぐ前を走る5位のNo.16 山本尚貴選手(TEAM MUGEN)を追い立てるも、ここはオーバーテイクがしにくい岡山国際サーキット。
順位浮上は叶わず6位。しかしながらヤンはこのレースで初完走と貴重なSF初ポイントを記録しました。
レース2に向けて確かな手応えを感じ取った土曜日のレース1予選と決勝レース。TEAM IMPULとして今季初表彰台も獲得し、復活の狼煙を上げました。
5/28(日) レース2公式予選(ノックアウト方式Q1~Q2)
Q1:9:20~/Q2:10:00~
天候:晴れ/コース:ドライ
気温:20度/路面温度:28度
レース1が行われた予選日の前日に引き続き天候に恵まれた岡山国際サーキット。この日は朝9:20から、Q1~Q2のノックダウン方式で予選が行われました。
まずQ1は20分間で行われ、Q2へ進出する上位10台を決します。同時にここで11位から19位のマシンはレース2決勝のグリッドを決することになります。ITOCHU ENEX TEAM IMPULとしては前日と同様ポールポジションの獲得を狙う戦いです。
No.19 関口雄飛は前日のレース1決勝の雪辱を果たすためダブルポールを、No.20 ヤン・マーデンボローも初PPを目指してQ1へ向けてピットアウトしていきました。
まずは2台ともユーズドタイヤを装着しセッティングの確認。1度アタックを敢行し、14秒台のタイムをマーク。残り13分半のところでピットへ戻ります。
今度はニュータイヤを装着し残り7分半で関口、ヤンが揃ってピットアウト。タイヤを入念にウォームアップし、前のマシンとの間合いを計ります。
残り1分、アタックに入っていこうかというところに2コーナーでコースアウトしグラベルにストップしてしまったマシンがあったため、赤旗中断。全車一旦ピットへ戻ります。
この段階で関口が9位、ヤンが10位とQ2通過のボーダーラインに位置していたため、再開後はもう1アタックしタイムを上げたいところ。マシンの回収が終わり再開されたのは9:45。
残り時間2分半でQ1最後のアタックへ向かいました。関口は1'14.777で10位。11位のマシンとは0.002秒差での間一髪のQ1通過となりました。ヤンは、最後のアタックでセクター1ベストタイムを刻みますが、その後タイムが伸びず1'14.964で16位。無念のQ1敗退となりました。
続くQ2はQ1での赤旗中断の影響もあり、予定より10分遅れて10:00に開始。ポールポジションを賭けて10台がQ2に臨みました。関口、開始直後はピットで待機。残り時間7分20秒でピットアウトしアタックへ向かいます。
同じタイミングでライバルもコースイン。残り15秒で1'14.134をマークし2番手に入るもトップには届かず。続けてラストアタックを敢行しますが、タイムを更新とはなりませんでした。
最終的に順位浮上したマシンが1台あり、3位。午後の決勝ではセカンドローからのスタートを切ることになりました。
5/28(日) レース2決勝
14:25~
天候:晴れ/コース:ドライ
気温:27度/路面温度:41度
決勝レース距離 3.703km×51Laps=188.853km
観客動員数:1万1000人
前日の土曜日同様1日完結のレース2。この日はピットウォークの他、監督の星野一義がグランドスタンド裏のTOYOTA GAZOO Racingブースで行われた監督トークショーに参加。
舘信秀監督(VANTELIN TEAM TOM’S)と近藤真彦監督(KONDO RACING)とともに毎戦恒例の催しとなっています。レース2の予選トップ4に入っている監督同士ということもあり、いつも以上に盛り上がりました。
今回、最大燃料流量を増量することができる「オーバーテイクシステム(OTS)」が2レースで計5発の使用となっていました。
1発につき20秒間作動するこのシステムはNo.19 関口雄飛がレース1で使用せず残5発、No.20 ヤン・マーデンボローはレース1で1発使用しこのレース2では残4発となります。決勝レースは14:25にフォーメーションラップがスタートしました。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL、関口は3番グリッドからレースをスタート。前日のレース1でも失敗し、関口にとって鬼門となっているスタート。
蹴り出しこそ悪くはなかったものの、それ以上に4番グリッドからスタートしたNo.36 アンドレ・ロッテラー選手(VANTELIN TEAM TOM'S)のスタートが良く、レース1に引き続き先行を許してしまいます。
5番グリッドのNo.15 ピエール・ガスリー選手(TEAM MUGEN)にもインからサイドバイサイドに持ち込まれてしまいますが、ここはポジションを守り切り、1つ順位を落としましたが4位でオープニングラップを走行します。
No.19柏木良仁チーフエンジニアを筆頭にチームは1周目終わりに関口をピットに呼び込む作戦を採用。ピットインし、義務である4輪のタイヤ交換を遂行しコースへと戻ります。
関口と同じく1周目終わりにピットインしたマシンは8台。この中でトップでコースへと戻り、単独走行へ。トップグループのマシンがピットイン後の逆転を目指して、フレッシュタイヤの状態でオーバーテイクシステムを使用しながら、プッシュし続けます。
この時点でのファステストラップもマークし、気を吐きます。6周目終わりには3位のロッテラー選手がピットイン。作業中に関口は悠々とホームストレートを通過し逆転に成功します。
その後、レース中盤も引き続きプッシュ。未ピット組が続々とピットインするなか、ポールポジションからトップを走行するNo.2 石浦宏明選手(P.MU/CERUMO・INGING)は34周目にようやくピットイン。石浦選手がコースインする頃、関口は1コーナーを通過。見事石浦選手をも逆転に成功します。
38周目、クラッシュしたマシンがバリアに突っ込んだため39周目にセーフティカーが導入。好ペースで2位の石浦選手に対し8.873秒差を付け、着実にギャップを築きつつあった関口ですが、後方のマシンとの差は一気になくなってしまいました。
マシン回収が終わると43周目にレースリスタート。残り9周の争いとなります。最終盤、石浦選手のペースが良く、僅差で追い詰められてしまいます。
ファイナルラップでは最後のオーバーテイクシステムを使用し、抜きにくいというコース特性を活かして逃げ切り。今季初優勝を飾りました。関口の優勝は昨年の第6戦SUGO以来通算3度目となりました。
一方のヤンは16番グリッドからレースをスタート。オープニングラップの1コーナーでスピン、接触を喫し順位を18位まで落としてしまいます。
チームメイトの関口がピットインした翌周にピットインし、4輪タイヤ交換を行います。コースへと戻ったあとは後方、18位で苦しいレースを戦います。
38周目のクラッシュでリタイアとなったNo.41 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に離脱により17位へ浮上した以外で順位を上げることが出できず。予選順位に大きく左右されたチームメイトとは対照的に、今週末の最後は苦汁をなめる結果となりました。
開幕戦鈴鹿での苦戦以降1か月間、対策を講じ今回の岡山ではチームとして今季初ポールポジションと今季初優勝を記録することができました。
No.19 関口雄飛は今回の2位と優勝によりポイントランキングでも上位につけ、中盤戦へ突入していきます。No.20 ヤン・マーデンボローも十分な速さを持ち合わせていますので次戦以降では巻き返し、2台揃って好結果を求めていきます。引き続き、ITOCHU ENEX TEAM IMPULへのご声援、よろしくお願いします。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 2017年シーズン ここまでの戦績
第1戦鈴鹿:関口雄飛 予選6位/決勝12位
J.マーデンボロー 予選12位/決勝18位
第2戦岡山レース1:関口雄飛 予選PP/決勝2位
J.マーデンボロー 予選5位/決勝6位
第2戦岡山レース2:関口雄飛 予選3位/決勝優勝
J.マーデンボロー 予選16位/決勝17位
ドライバーランキング
関口雄飛 5位/J.マーデンボロー 13位
チームランキング
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 4位
TEAM IMPUL Next Race Information
●全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦 7/8(土)~9(日)富士スピードウェイ
●スーパーGT第4戦 7/22(土)~23(日)スポーツランドSUGO
監督・ドライバーからのコメント
監督 星野一義
「関口の根性が光りましたし、チームの総合力で戦えたレースになりました。優勝で終えることができて非常に良かったです」
No.19 関口雄飛
「2日間通してスタートには課題が残りました。チームにはいい作戦とクルマを用意してもらい感謝しています。引き続き頑張ります」
No.20 ヤン・マーデンボロー
「関口選手が素晴らしい走りをしました。アンラッキーもありましたが、マシンは良いので次戦に期待してください」
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