FIA-F3 ヨーロピアンチャンピオンシップRd.3 ポーグランプリ
ランド・ノリス対プレマセオドール
ギュンターの二連勝とワン・ツー・フィニッシュで激闘を制覇
フランス ポー
1933年に始まったポー・グランプリ。今年で67回目を迎えるこの伝統のレースは、美しい景観のポーの市街地で開催される公道レース。昔と寸分も違わぬ姿のそのコースはマカオ以上にスリリング。コース幅は狭くマカオの山側だけで構成されたようなレイアウトとなっている。
レース1
予選で#53 カラム・アイロットがポール。#3 マキシミリアン・ギュンターが4番手、#8 周冠宇も7番手とトップ10内に3台が並んだ。チームで唯一、ポーが初めてとなる#25 ミック・シューマッハも13番手と決して悪くないグリッドを確保。
トップのままレースをスタートしたカラムとは対照的にマキシミリアン、周はいずれも順位をやや落としてのスタートだったが、まだ一周もまわらないシケインで、トップのカラムがまさかのウォールにヒット。ピットに自力で戻りマシンを降りる。
そのわずか2周後には10位を走行していた周も後続車に押されてクラッシュ。#1 エリクソン、#31 ノリス、#96 モーソン、#21 デニスにスタートで出遅れたマキシミリアンが喰いつく。
16周目、突然の雨に足をすくわれリアを滑らせてしまったモーソンがバリアーに激しくヒット。すぐ後ろを走っていたデニスもこれに続いて同じ場所でバリアにヒットしてしまう。
この二台のクラッシュしたマシンがばら撒くパーツがコース一面に散乱するなか、マキシミリアンだけが冷静すり抜けた。
しかしフロントウイングの下に壊れたマシンのパーツを挟んでしまい、さらに次のコーナーでコントロール不能に陥ったデニスのマシンがマキシミリアンのサイドに激突。
必死にマシンをコントロールし、バリアへのクラッシュを回避。まさに危機一髪のなかで3位のポジションを確保した。
セーフティカーがコースイン。マキシミリアンはSCラン中に激しくマシンを左右に振ってパーツを外すことに成功。SCラン中にレース時間の30分が経過。SC解除の後プラス1周が掲示されファイナルラップ。
マキシミリアンはここで無理に前を追わず後続をしっかりと引き離しフィニッシュ。3位の座を死守した。
昨年、ここで自身の初優勝を飾った2016年 FIA-F3ランキング2位のマキシミリアン。今年からメルセデスAMGのDTM開発ドライバーとなった彼はこのレースで自身の闘志に火がついたのかこれ以降、素晴らしい活躍をすることになる。
一方、初のポーを生き残ったミックは8番手でゴール。しかしレース後にペナルティを受け9位へと降格されてしまった。
レース2
予選でA組トップのマキシミリアンだったが、わずかにB組ノリスのタイムが上回り2番グリッド。一方、チーム唯一のB組カラムはノリスに次ぐ2番時計でグリッドは3番手を確保。ミックと周はこの予選、それぞれ14と16番手。
レースは1コーナーに対してインサイドのマキシミリアンとポールながらアウトサイドのノリスの一騎打ち。何度も両者のサイド・バイ・サイドのバトルとなるがマキシミリアンは譲らずトップでゴール。
カラムもエリクソンと激しいバトルをコース全周で繰り広げたが、24周目にエリクソンのクラッシュで決着で3位ゴール。ダブルポディウムを飾った。
さらに11位でゴールしたミックもルーキークラス3位。こちらもポディウム登壇。順位を上げていた周は次第にハンドリングの不調を感じピットでリタイア。残念な結果となった。
レース3
予選2のセカンドベストを採択。この結果またもポールはノリス。2番手がマキシミリアン。ミックと周も全く同じく14と16番手でこの週末、最後のレースに臨む。
同じ伝手は踏まないとノリスはシグナル消灯後一気に右へ切りマキシミリアンのラインを塞ぐ。マキシミリアンはノリスの後ろについて周回を重ねる。そして優勝へのチャンスは19周目に突然くる。
シケインでトップを行くノリスのサスペンションが突然破損しウォールにヒット、リタイア。カラムは2位に上がりマキシミリアン-カラムのワン・ツー・フォーメーションができゴール。
周とミックも少しずつ順位を上げそれぞれ10位、12位でフィニッシュ。ミックはルーキークラスの2位となった。
ノリスとプレマ・セオドールの戦いは結局終わってみるとノリス1勝に対しマキシミリアン2勝に加え、カラムの連続ポディウムが大きく効きチームポイントが274ポイントとなり2位カーリンに76点の大差でトップ。
ドライバーズポイントもマキシミリアンがトップに僅か2点差で3位と十分な貯金を果たした。
次のレースは6月17~18日のハンガリーで第4戦が開催されます。
Theodore Racing Website:http://www.theodoreracing.com/