メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、宿敵フェラーリがモナコGPにおいて、キミ・ライコネンではなくセバスチャン・ベッテルを優勝させるように操作したのではないかという憶測を退けた。
ベッテルもライコネンもモナコ決勝をタイヤ交換1回のみで走り切った。レース前半はライコネンがリードしたものの、唯一のピットストップをライコネンより5周遅く行ったベッテルは、コースに復帰した時にはトップに立つことになった。
ベッテルは、フェラーリが彼のタイトル獲得の可能性を高めるためにマシンの順番を入れ替える戦略を仕掛けたのではないかという見方を否定したが、ルイス・ハミルトンはフェラーリがタイトル争いにおいてベッテルをナンバーワンドライバーに選んだことは「明白だ」と示唆した。
フェラーリの戦略への見解を求められたウォルフは次のように答えた。「タイヤのパフォーマンスがどうなるのか不確定だった」
「フェラーリはどちらかを先にピットストップさせてスーパーソフトを履かせなければならなかった」
「そして、それがどんな結果をもたらしたのかというと、(先にピットストップを行ったキミが装着した)スーパーソフトには十分な速さはなく、セバスチャンは使い古しのウルトラソフトでも何周か素晴らしいラップを刻むことができた。それがキミの前に出る好機となったのだ」
「彼らがその結末を予測していたとは思わない」
「チームにとってもドライバーズランキングにとっても、望ましい結果になった。しかし私はそれが操作されたとは思わない」
フェラーリはモナコで1-2フィニッシュを決めたことで、コンストラクターズ選手権でメルセデスに17ポイントの差をつけた。
ウォルフはフェラーリを祝福し、ハミルトンとニコ・ロズベルグでチャンピオンシップを席巻していた時にメルセデスは戦略についての質問を受けてきたが、今はフェラーリがその質問に答えなければならなくなったと冗談を言った。
「我々はかつて、1-2フィニッシュを達成すると、なぜ都合のいい方のドライバーが勝ったのかを説明しなければならなかった。今や彼ら(フェラーリ)がその立場になったというわけだ」とウォルフ。
「まず第一に、彼らは勝利に値する。最速のマシンを持っていたのだから」
「チームの結果として1-2フィニッシュは素晴らしい。我々サイドからお祝いの言葉を送ろう。彼らを称賛するべきだ」