TOYOTA GAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦しているホセーマリア・ロペスは、ル・マン24時間耐久レースで自身を3台目のマシンに起用するというチームの決断を支持した。
WTCC世界ツーリングカー選手権で3度のチャンピオンを獲得しているロペスは、2017年からトヨタに加わりWECへ挑戦。小林可夢偉/マイク・コンウェイとともに7号車トヨタTS050ハイブリッドをドライブしている。
しかし、デビュー戦となった第1戦シルバーストンでは、レース序盤にマシンのアンチロールバーが破損していたこともあり、スティント4周目でクラッシュ。このアクシデントで背中を負傷し、第2戦スパ・フランコルシャンは欠場を余儀なくされた。
この欠場により、ロペスはル・マンまでに充分なマイレージを稼ぐことができなかったため、トヨタは当初9号車に起用予定だったステファン・サラザンをロペスと入れ替える決断を下した。
そのため、ル・マン24時間では7号車をコンウェイ/可夢偉/サラザンが、9号車をニコラス・ラピエール/国本雄資/ロペスがドライブする。なお、ル・マン以降のWECシリーズ戦では、ロペスはふたたび7号車のドライバーラインアップに復帰する。
「僕はまったく問題を感じていない。今もチームの一員だし、7号車については、僕よりもチームのほうが失うものは大きい」とロペス。
「3台目のマシンをドライブすること自体に大きな意味はない。チームメイトやライバルと同様に、僕たちにも充分チャンスはある」
「厳しい戦いになるだろうけど、9号車のドライバーは優秀だ。ニコ(ニコラス・ラピエール)と僕は、これまで数多くの逆境を跳ねのけてきた経験を共有している。(タッグを組む上で)これはいいことだし、そのおかげで僕たち3人はうまくやっていけると思えるんだ」
「ル・マンの後にはふたたび7号車のドライバーに戻るから、今回失うものはなにもないよ」
「チームにとって(ル・マンは)本当に重要な1戦だから、3台すべてのパフォーマンスを上げようと努力している」
「(自身の代わりに7号車をドライブする)ステファンは、驚異的な速さの持ち主だし、おそらく誰よりもル・マンを知り尽くしている」
「(今の状況に)絶望はしていない。僕はレースというものを知っているからね。このスポーツにはいい時も悪い時もあるものさ」
「クラッシュについて言い訳するつもりはない。ただ、僕には速さも競争力があって、優勝できるだけの強さがあるのはいい点だ」
「一方でLMP1マシンでの経験が不足していることは避けようがない事実だ。マシンを手足のように扱えない場面もある。シルバーストンでクラッシュした時のような、少し濡れた路面をドライタイヤで走行した経験もなかった」
「ル・マンがとても楽しみだよ。随分長く待った気分だ。ル・マンを知らないからといって問題になるとは思わない。僕はいい結果を出せるという強い自信を抱いている」