5月29日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)が取り上げた記事に、19歳女子大生の悩みがあった。なんでも女性は、付き合っている彼氏に奢ってもらったり車道側を率先して歩いてもらったりすることに、見下されているような違和感を覚えているのだとか。(文:みゆくらけん)
「車にはねられれば二人とも怪我をするし、持っているお金の額もあまり違いはないのに、なぜ私だけが守られ、奢られるのか。恋人になったからといって、いきなり弱い者のように扱われるのは納得がいかない」
男性が車道側を歩くのも「男のナルシシズム」
こう考える女性は、常に彼氏と「対等」でいたいのだという。「守られたり奢られたりするのは大切にされているようで嬉しい」と感じ続けていた35歳筆者からすれば、「時代の変化はここまで来たか」としかいいようがない。
女性のこの考えに理解を示したのはマツコ・デラックスだ。マツコはまず、女性が危なくないように男性が車道側を歩くという昭和ルール(?)に対し、
「あんなものははっきりいっちゃあ、男のナルシシズムだと思うのよ。トラック突っ込んできたら関係ないじゃん」
とバッサリ。奢られることに対する「見下されているような違和感」に関しても、割り勘が当たり前の今の若い子からすれば普通の感覚だとコメント。また、そのような感覚になったのは「女は弱いものだから男が守らなければならない」という刷り込みが若い世代には完全になくなってきているからだと説明し、
「だからもう多分、やられること(守られたり奢られたりすること)が不愉快なんだよね。ナメんじゃねーぞ!って思うように育てられているから」
と力説した。自分のことを「ノスタルジックオカマ」といいながらも、若い世代の気持ちを汲み取れるマツコはさすがだ。筆者など、それでも「大事にされてるんだからいいじゃない」と思うばかりである。たとえ車道側を歩いたり奢ったりするのが男のナルシシズムであっても、「イケてる彼氏」であろうとする健気さは良いと思うのだ。しかしマツコはいう。
「その子たち(守られるのが嫌だという若い女性たち)に『男女の心の機微っていうのはそういうもんじゃないじゃない』って話をしたところで『うるせいなァってオカマ!』って(なるだけ)」
「女の方がガツガツいってもいいじゃない。それが平等じゃない?」
産休から復帰した若林史江が「今ね、ホテル(ラブホテル代)も割り勘なんだって。やる時ぐらい出せよって思わない?」と昭和女性を代表するような意見をいうと、「あんたみたいなのが実は一番男尊女卑」だとし、若林の考えは「女が被害を受けている、損をしているっていう発想」だと言い切った。
「女の方がガツガツいってもいいじゃない。それが平等じゃない?・・・ってなると『割り勘の方が良くない?』ってならない?」(マツコ)
いや、でも、動物の世界でもやっぱりオスがメスを追っかけてるし、メスを獲得するために命懸けで戦ってるし……と思ってしまう筆者はやはり「女は守られてナンボ、追われてナンボ」を刷り込まれているのだろう。そして一生、この刷り込みは消えない(多分)。
大体今だってサラッと「メスを獲得」と書いてしまったが、この19歳女性からすればこの「獲得」という表現にも腑に落ちない違和感を覚えるのかもしれない。こうなるともう「じゃあ男女の違いは何か?体の凹凸の違いだけか?」と考えてしまうが、マツコはこうもいっていた。
「男には男に向いてる何かがあるし女には女に向いてる何かがある。それに沿った勉強の方法なり仕事のさせ方なりっていうのをもっとやらなければいけないねっていう議論はあるんですよ。それは個体差だから男女の。外側に立つとか奢られるとかは歩くとかはそれとはまったく違うハナシ」
まったく違うのか……。しかしこの19歳女性のような考えが今後もどんどん増加していくと、たとえば「ナイナイのお見合い大作戦!」(TBS)のような番組でも「なぜ最終的に相手を選んで告白できる権利を持つのは男性なのか」というクレームも増えていくのだろうなァ。