フォース・インディアのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、F1スペインGPで起きたカーナンバー表示に関する議論が、F1マシンの合法性についての「重大な」前例となってしまったのではないかと危惧している。
スペインGPでフォース・インディアは、カーナンバー表示が視認性を高めるための新規定に従っていないとFIAにみなされ、執行猶予付きで25,000ユーロ(約300万円)の罰金を科された。
フォース・インディアは裁定に対して意義申し立てはせず、モナコGPに向けてカーナンバー表示の修正を行った。だがグリーンはこの一件が、マシンが車検を通ったにも関わらず、後になって違法と判定されてしまう悪しき前例になってしまうと考えている。
「腹が立ったよ。ものすごく激怒した」とグリーンは語った。
「起こるべきでないことの前例ができてしまったからだ。これではマシンを何回も車検に通す意味がない」
「スペインGPだけのことを言っているのではない。まったく同じ位置にカーナンバーを付けた状態で5回も車検を通り、スペインGPの時点まではFIAから何のフィードバックもなかったことを言っているんだ」
「それに我々はスペインGP前にカーナンバーのサイズを変更するとき、事前にFIAにやろうとしていることを見せたんだ」
「こうした手続きをすべて踏んだというのに、最後になって正しくないと言い出して処罰するとはね」
「どうやって自分たちが合法だと知ればいいんだ?私にはわからないね。我々は車検に合格したが、私にとって車検はもはや意味がない」
「前例になってしまったのは重大なことだよ。とても重大だ」
フォース・インディアのCOOであるオットマー・サフナウアーは、今後チームはこの件をストラテジー・グループのミーティングでとりあげるつもりだと語った。
「次のミーティングで必ず議題に挙げるだろう」とサフナウアー。
「だが、我々が集中したのはカーナンバーを彼らが求める通りに直すことで、それはやり終えた」
「より大きな疑問は、他のことについてもこういうことは起こるのか?ということだ」
裁定に不満があったのに異議申し立てをしていないと指摘されサフナウアーは次のように答えた。
「そうすることもできたが、考慮すべきなのは、これはたかがカーナンバーだということだ。他の件だったら異議申し立てをするのが正しかったかもしれない」
「だが、一番簡単なのはカーナンバーを直して先に進むことだった」
「それに良かったのは執行猶予付きの罰金だったことだ。だから異議を申し立てても得るものがない。もし25,000ユーロの罰金を猶予なしに科されるということだったら、申し立てをしただろう」