2018年卒の学生は、就活真っ只中だ。はてな匿名ダイアリーには5月26日「就活がつらい」という投稿があった。就活生である投稿者は、現役でトップの私大に入学した自分のことを「頭がいい」と思っており、自信を持っていた。だが就活でつまづいてしまう。その理由はこうだ。
「やりたいことが何もない。というか、企業に勤めるということがどういうことなのかわからない」
そのためエントリーシートの志望動機が書けない。長い時間を費やして考えても、数行しか浮かばないという。
「就活には道筋がない。相手が人間だから、正解がわからない」
投稿者は、説明会に参加しても、社会人と会話しても将来が見えない。そんな状態を情けなく思い、涙することもあるという。就活に際して、今後の人生で何をしたいかがわからず悩んでいるが、そもそも大学入学の時もなんとなく受かった学校に入ったことを振り返り、考えが足りない自分にがっかりしている。
投稿者によれば、受験勉強は、「ここまで学習すればいい」という道筋がはっきりしており、やりやすかった。自分で考える必要はなく、周りから言われたことをただしていればよかったからだ。投稿者は、学校の勉強と就活の違いをこう綴る。
「就活には道筋がない。相手が人間だから、正解がわからない。やりたいこともない。かといってやりたいフリができるほど上手くも立ち振る舞えない。みんなどうやってやりたいことを見つけてるんだろう」
趣味はたくさんあり毎日は楽しいが、仕事でやりたいことがわからず、「こっから数十年生きていく道筋も術もまったくわからないや。つらい」と心境を吐露した。
「志望動機なんて君が思っているほど立派なもんじゃない」
受験では志望校を決めて、過去問で傾向と対策を研究して合格点を目指せばいい。しかし就活、とくに面接ははっきりとした基準がないので受験と同じようなノリで上手くいくとは限らない。また、受験では最初は上位校を目指せばいいが、就活はとりあえず難易度が高い企業に入ればいい、というものでもない。そういう意味では、就活は受験以上に難しい、と考える人もいるだろう。
この投稿に対しては、「ああ、わかるわ~」「同じように悩んだ時期がありました」など、投稿者と同様の悩みを抱えていた人からの同情が集まった。
投稿者は考え過ぎな印象は受けるが、将来に悩むということは、それだけ真剣だと言える。こうした姿勢について、
「こういう『ちゃんと考えようとする』人の方が、案外社会に出たときに仕事のパフォーマンスは高いのではないかと思っている」
と評価する人もいる。
就活は「企業と学生の騙し合い」と呼ばれることもある。そのため、「志望動機なんて君が思っているほど立派なもんじゃないよ」 「マジメか。多くの人はやりたいフリをしてるだけだぞ」など、もっと肩の力を抜けばいい、というアドバイスもあった。
実際、学生の68.2%が就活で「嘘をついたことがある」と回答したデータもある。(2016 年度 日経就職ナビ 就職活動モニター調査結果)
ほかにも「仕事の面白みは働いていく中で見つかっていくから安心してください」「今を焦らず旅とか出てもいいと思う」という励ましのコメントが寄せられていた。
数々の書き込みを読んで投稿者は28日の追記で、
「いろんな視点からのコメント、本当にありがたいです(中略)ありがとうございます。がんばります」
と気持ちを書いた。