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萩原利久、鈴木勝大、井之脇海……『帝一の國』はネクストブレイク俳優の宝庫だ

2017年05月30日 06:13  リアルサウンド

リアルサウンド

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 主演の菅田将暉をはじめ、人気俳優らをメインキャストに迎え、大ヒットしている『帝一の國』。先日開催された応援上映では、ストーリー展開に笑い声が沸き起こるだけではなく、出演者らが登場するシーンでは「カッコいい!」という黄色い声援も多く響いていた。


(参考:『帝一の國』成功の理由は“シナリオ”にあり 学園モノ映画化のポイントを探る


 現在、ラジオパーソナリティやミュージシャンとしても活躍し、今週放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にも出演が決定している菅田は、現在もっとも人気がある若手俳優といって良いだろう。しかし、同作に出演して人気を集めているのは、菅田だけではない。共演する同世代の若手俳優には、メインキャスト以外にも注目に値する才能が揃っているのだ。


 たとえば、海帝高校一年の副ルーム長メンバーのひとり・根津二四三役の萩原利久。わずか9歳でCMデビューした子役出身の萩原は、フジテレビ系ドラマ『問題のあるレストラン』や『恋仲』などの作品で知名度を上げ、2016年には『イノセント15』で主演を務め上げた。『帝一の國』では、東郷菊馬(野村周平)の相方として、帝一の足を引っ張ろうと卑怯なことばかり企んでいるが、実際の彼は、過去に共演した際に菅田に感化され、俳優の道を志そうと改めて決意したことを明かしている。萩原にとっての菅田は目指すべき目標であり、ライバルでもあるのだ。その切磋琢磨する姿勢が、本作を勢い付けた部分は確実にあるはずである。(参考:http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/11/19/kiji/K20161119013741270.html)


 同作で、少女漫画の王道である“爽やか青年キャラ”の大鷹弾(竹内涼真)の隣にいる、佐々木洋介役の岡山天音も、本作の魅力を語る上では欠かせない人物である。岡山は若手ナンバーワンのバイプレイヤーとも謳われており、共演者の個性を引き立てる引き算の演技は、目の肥えた映画ファンをも唸らせる。本作でも、自我を抑えた落ち着いた演技で、物語のディティールをしっかりと支えている。ちなみに、竹内と岡山のコンビは、現在放送中のNHKの連続テレビ小説『ひよっこ』にも出演する予定だ。


 “朝ドラ”つながりでは、『ごちそうさん』や『ひよっこ』に出演している井之脇海が、副生徒会長・古賀平八郎役を演じているのも見逃せない。生徒会選挙時に、厳格な態度で投票を読み上げる姿は、『ひよっこ』での親しみやすい高島雄大役とは真逆のイメージを想起させ、その演技の幅広さに驚かされる。


 二年六組の副ルーム長・駒光彦を務める鈴木勝大は、メインキャストである菅田、竹内、志尊淳、そして千葉雄大らと同じく、“ヒーロー出身”の俳優だ。2012年に放送された『特命戦隊ゴーバスターズ』(テレビ朝日系)で主演の桜田ヒロム/レッドバスター(声) を務めた鈴木は、『帝一の國』でもまた、正義感溢れる行動に出ている。その硬派なイメージは、今後は刑事ドラマなどでも求められそうだ。


 対して、二年四組の委員長・本田章太演じる三河悠冴は、前述の志尊淳に負けずとも劣らない“かわいいキャラ”で存在感を示している。ほのぼのとした性格と、上品なおぼっちゃま気質に癒されたファンは少なくないだろう。現在放送中のドラマ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京)では、マッサージ店「ほぐ師堂」の従業員・青山広松としてアイドルおたくの青年を演じているので、『帝一の國』の役柄と比較して観ることをオススメしたい。


 その他、ZIP!ファミリーの吉本恒生や、ボーカルグループZOLAの時人、劇団番町ボーイズ☆のメンバーなど、今後ブレイクする可能性を秘めた若手俳優が、同作には多数出演している。かつてフジテレビ系で放送された『ウォーターボーイズ』や『花ざかりの君たちへ』などの学園モノが、小栗旬や山田孝之、瑛太など、その後の俳優界を担う才能を続々と輩出してきたように、『帝一の國』をきっかけに飛躍する若手俳優は多そうだ。


(大和田茉椰)