世界初の100%ゼロ・エミッションGTシリーズとして、今年11月のシリーズラウンチを目指しているEGTエレクトリックGT選手権が、新たな選手権本部をフランス南部のポー・アルノー・サーキットに建設すると発表。あわせて、産学協同プロジェクトとなる“E-サーキット”構想もアナウンスした。
2017年の11月25日にフランス・ポールリカールでの開幕戦を予定しているEGTは、先の4月最後の週末に新たなシリーズのヘッドクォーター(HQ)として、南仏の小さなローカル・サーキットを本拠地にすると発表。
あわせて地域の大学や企業と共同で『ポー・Eサーキット・プロジェクト』を立ち上げ、持続可能なモビリティに向けての技術開発と実証実験を行うという。
現地で開催された発表会には、ルノーやリジェで活躍したフランス人元F1ドライバー、ジャン-ピエール・ジャブイーユや、ル・マン24時間ウイナーのステファン・オルテリらが出席。コンパクトな全長3kmのサーキットで、レース専用車両となるテスラ・モデルS P85D EGT V1.4をドライブした。
このポー・アルノー・サーキットにほど近いポーはF3の市街地戦でも有名な南仏の都市で、その近郊レックは歴史的なエネルギー革新センターが置かれる街としても知られる。
新たなシリーズHQは、その大学や企業群から成るテクノロジー・クラスターとの提携で、EGTシリーズとしてクリーンエネルギーと持続可能なモビリティにおける技術の進歩をサポートするための開発センターとして機能させることを目指しているという。
エレクトリックGTチャンピオンシップの最高経営責任者(CEO)を務めるマーク・ゲメルは、シリーズの役割として「エネルギー貯蔵、再生可能なソリューション、新しいモビリティを扱う革新的な企業と提携し、未来のエネルギー移行に貢献する」ことを目指すという。
「このポー・アルノーは選手権に携わるパートナー、チーム、ドライバー、VIPゲストを連れて訪れるには最高の場所だ。ヘッドクォーターは南仏の美しい田園地帯にあり、未来に向けた正しい技術は、この惑星の保護に最適であることを思い出させてくれるだけでなく、この美しい場所で争われるモーターレースのような、素晴らしい楽しみをも提供してくれる」
「サーキットは地域の自治体の支援を得るだけでなく、シリーズが開催されることで地域企業にも多くのイノベーションをもたらすだろう。すでに南仏西部はクリーンエネルギーの中心地に位置しており、多くの革新的技術を持つ先端企業がすでにここに拠点を置いている」
「我々の新たなプロジェクトは、ポー・エ・デュ・ペイ・ド・ラドゥール大学(ポー大学)などを筆頭に、共同で技術革新を進める多くの最先端企業に有益なインスピレーションをもたらすはずだ」
16年の3月9日に設立が発表された同選手権は、今年11月のポールリカールを皮切りに、翌2018年には8戦のイベントを予定。20分のプラクティス、1時間の予選、60kmレースを2ヒート開催するフォーマットが予定されている。
また、フォーミュラEなどと同じく、ファンがソーシャルメディアを通じて、レースにインタラクティブに参加する方法も採用される。