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ニュル24時間:トヨタ、2016年の雪辱果たすクラス2位完走。「これからも挑戦を続けたい」

2017年05月29日 15:02  AUTOSPORT web

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SP 3Tクラス2位で完走したレクサスRC
ドイツ・ニュルブルクリンクで開催された『第45回ADACチューリッヒ・24時間耐久レース』は5月27~28日、24時間の決勝レースが行われ、SP3TクラスにレクサスRCを投入したTOYOTA GAZOO Racing(TGR)はクラス12台中2位/総合26位で完走を果たした。

 2007年にニュルブルクリンク24時間への挑戦を始め、2017年で11年目を迎えたTGRは今季、井口卓人、松井孝允、蒲生尚弥、矢吹久というラインアップで、スバルWRX STI、アウディTTなど、強豪マシンがひしめくSP3Tクラスにエントリー。
 
 同クラスにレクサスRCを投入したTGRは、決勝を前に行われた2回の予選ではクラス2番手/総合52番手を獲得した。

 迎えた決勝は現地時間27日(土)15時30分にスタートが切られた。レクサスRCは、スタートを担当した井口のドライブで順調に周回を重ね、その後は松井、蒲生、矢吹とバトンを繋いでいく。

 そんななか、スタートから約6時間が経過した頃、他車と接触するアクシデントが発生。レクサスRCはボディにダメージを受けてしまう。

 ピットに戻ったレクサスRCは、メカニックの素早い修復作業により大きな遅れを取ることなくコースに復帰する。

 その後はアウディ、スバルに次ぐクラス3番手で夜間走行に入ると、トラブルで遅れをとったライバルを尻目に順調に走行を続け、28日(日)の日の出をクラス2番手で迎えた。

 レースは残り1時間を切ったタイミングでコースの一部に雨が降り始める。場所によっては土砂降りとなりコースアウトするマシンも現れるなか、最終スティントを担当した松井はこの難しいコンディションのなかを無事に走破。

 松井のドライブするレクサスRCは、現地時間15時30分過ぎにクラス2位/総合26位でチェッカーフラッグを受け、リタイアに終わった昨年の雪辱を果たした。

 また、TGRドライバーの木下隆之が加入したTGRタイランド(TOYOTA MOTOR THAILAND)は、123号車と124号車の2台のトヨタ・カローラ アルティスでSP3クラスに参戦。木下がドライバーを務めた124号車がクラス9位/総合116位、123号車はクラス8位/総合115位でフィニッシュしている。

 24時間にわたる厳しいレースを終え、GAZOO Racingの友山茂樹代表は「順位よりも24時間走りきり、完走できたことが嬉しい」と喜びを語った。

「ドライバー、メカニック、エンジニア、サポートスタッフがそれぞれの役割を果たし、心ひとつにたすきをつないだ結果だと思います」

「トヨタの『もっといいクルマづくり』と、それを支える『人づくり(人材育成)』に終わりはありません。『人を鍛え、クルマを鍛える』ために、これからもニュルへの挑戦を続けていきたい」と早くも12年目の挑戦をうかがわせた。

 また、友山氏は同じクラスで順位を争いながら、レース終盤にマシンから出火する不運があったスバルチームについても言及。

「ニュルに挑戦し続ける同士であるスバルさんとの競い合いで、我々は多くの刺激と学びを得ることができました。スバルさんの結果はとても残念でしたが、感謝と敬意を表したいと思います」と言葉を贈った。