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P.MU/CERUMO・INGING 2017スーパーフォーミュラ第2戦岡山 レース2レポート

2017年05月29日 10:32  AUTOSPORT web

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石浦宏明 2017スーパーフォーミュラ第2戦岡山レース2
2017 SUPER FORMULA 
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第2戦 岡山国際サーキット

5月28日(日)Race 2
天候:晴れ|コース状況:ドライ
#1 国本雄資 9位/#2 石浦宏明 2位

 2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦。前日のレース1よりも晴れ間が多く気温が上昇するなか行われた51周で争うレース2で、P.MU/CERUMO・INGING の石浦宏明が2位表彰台を獲得し、国本雄資は予選で苦戦を強いられたが、9位まで順位を上げてシングルフィニッシュとなった。

 前日に行われた30周スプリント勝負のレース1から一転。レース2は周回数が51周に増えたほか、タイヤ4本の交換が義務付けとなった。

 レース1でのマシンの状況を見直し、チームはまず午前9時20分からの予選に挑む。レース2の予選はQ1・Q2の2セッションによるノックアウト方式で20分のQ1で全19台から10台に絞られる。

 レース1の予選では19台が一気にタイムアタックになだれ込んだことで、各所でトラフィックが発生し満足いく走りができなかったため、アタックに入るタイミングや前後のマシンとのギャップを考えながら2台はコースイン。

 しかしタイヤのウォームアップを終えてアタックに入ろうとしたその時に、他のマシンがコースアウトしたことにより赤旗が掲示され、残り時間2分を切ったところでセッションは中断となってしまった。

 コースインラップを考慮し、残り時間が2分30秒に延長されセッションは再開。2番目にコースインしていった石浦は最終ラップで1分14秒248を記録しトップ通過。

 一方の国本は赤旗中断の影響を受けてタイヤのピークグリップをうまく使うことができず、1分14秒907というタイム。コントロールラインを通過した時点ではQ2進出圏内の10番手に滑り込んだが、その後3台が国本のタイムを上回り、最終的に13番手でQ2進出を逃すこととなった。

 10分間で争われたQ2では石浦は先頭でコースイン。他のマシンとの間隔をコントロールしながらアタックに入ると、最終ラップで本日唯一の1分13秒台となる1分13秒918をマークし、得意とする岡山で今シーズン初のポールポジションを獲得した。

 決勝レースは午後2時25分にスタート。ポールシッターの石浦はわずかにホイールスピンが多く後続の集団に飲み込まれそうになったが、1コーナーまでの巧みな位置取りなどでトップに踏みとどまった。

 一方の国本は抜群のスタートで8番手あたりまでポジションアップしたが、集団の中でペースが乱れるのを避けてオープニングラップを終えるところで義務付けられているピット作業を消化。

 他にも7台ほどが一気にピットになだれ込んだこともあり、ピットアウト後は13番手に戻って改めて追い上げを始めることになったものの、チームの迅速なピット作業が功を奏し上位陣がピット作業へと入るたびにポジションアップ。

 38周目には9番手となり、ポイント獲得まであとわずかに迫ったところで、他車のアクシデントによりセーフティカーが入ることに。

 42周を終えてリスタートが切られる場面がオーバーテイクのチャンスだったが、ここでの追い抜きは叶わずそのままチェッカーを受けた。惜しくもポイント獲得はならなかったが、9位に順位を上げてレースを終えた。

 オープニングラップの混乱のなかでトップをキープした石浦は、他のマシンにペースを乱されることなく快走を続けた。序盤にタイヤ交換を済ませたマシンとの間隔を測りながら、34周目にピットイン。1台にかわされたが2番手でコースに復帰した。

 復帰直後、タイヤが温まるまでは3番手のマシンに背後に迫られたが、これを見事にブロックしてポジションを死守。タイヤが温まってからは3番手を引き離し、ファステストラップを塗り替える勢いでトップを走るマシンに追いついていった。

 セーフティーカーが入った後のリスタートから更にペースを上げて、その差が1秒を切るところまでタイヤの消耗が進んでいる相手のマシンを攻め立てる。

 残り3周のところではコーナーで並びかけるほどの接近戦となったが、決定的なチャンスを作れずフィニッシュ。ポジションは下げることとなったが、白熱したレース展開をみせ堅実に2位表彰台を獲得した。

レース後コメント
ドライバー/#1 国本雄資
「予選は赤旗の影響もありましたが、全体的にグリップ感が少なくパフォーマンスも少し低かったかなと思います。スタートでは3つか4つぐらいポジションを上げられましたが、集団の中ではなくスペースのあるところで走りたかったので1周目にピットインしました」

「いろいろとクルマのセットアップを試してみましたが、3日間を通してあまりグリップ感がなかったですね。1台抜けばポイントが獲れることが分かっていたので最後まで諦めずにプッシュしましたが、最後まで順位を入れ替えることはできませんでした」

「セッティングや走り方などいろいろ模索した3日間でしたが、なかなかいいフィーリングを得られませんでした。富士ではいい結果を残せるよう、インターバルの間にチームと話し合って次戦に臨みたいと思います」

ドライバー/#2 石浦宏明
「今日は悔しいですが、(優勝した)関口選手に完敗です。スタートでトップに立てたら自分のペースでプッシュしていくという作戦でしたが、先にピットに入った関口選手のほうがラップペースが良いことは無線で聞いていて、100%のプッシュはしていましたが少しずつ負けている状況というのも分かっていました」

「それでも、やれるだけやるしかないとプッシュを続けました。終盤のセーフティカー明けでも、1周目にタイヤを換えたとは思えない相手のペースでした。今日は完敗でしたが、次戦では違う展開に持っていけるようチーム全体で挽回するために頑張りたいと思います」

監督/立川祐路
「石浦は、まずは予選がうまくいきましたね。昨日からクルマもアジャストして、それが機能した形でQ1・Q2ともにいいタイムを出してくれました。昨日の段階ではポールポジションが獲れるとは思っていませんでしたが、レースに向けてはすごくいい位置からスタートできることになりました」

「レースでは、関口選手に比べて少しペースが足りなかった。勝てなかったのは残念ですが、戦略を含めて全員がやれることはやったと思います」

「国本に関しては今週末を通して苦しい戦いになってしまいました。今日もできる限りの挽回はしましたが、ポイント獲得まであとわずかで届かなかったのは残念です」

「2人とも本来のポテンシャルはこんなものではないので、次戦は2台揃って優勝争いできる状態にできればと思います。気持ちを切り替えて富士に臨みます」

総監督/浜島裕英
「残念な結果になりましたが、今回は関口選手のクルマが速かったですね。最後のタレもあまりなかったように思います。我々が違う戦略をとったとしてもつらい戦いになったかもしれないですね」

「石浦選手も頑張って、ピットアウト直後のロッテラー選手の攻撃をかわしたことと、終盤に逆転を狙っていったチャレンジは良かったので、これを次につなげたいですね。表彰台には上がりましたが、みんな満足はしていません。もう一歩前に進めるよう、頑張っていきたいと思います」