トップへ

【速報】佐藤琢磨が歴史的快挙。日本人初のインディ500制覇を成し遂げる

2017年05月29日 05:02  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

日本人初のインディ500制覇を喜ぶ佐藤琢磨
5月28日にインディアナポリス・モータースピードウェイで開催されたインディカー・シリーズ第6戦第101回インディ500。8度目のインディ500に挑んだ佐藤琢磨が日本人初となるインディ500制覇を成し遂げた。

 気温22度、うす曇りのなかスタートが切られた2017年のインディ500。ポールポジションのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)を先頭に12時26分にグリーンフラッグが振られた。F1モナコGPを欠場しインディ500に挑戦しているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ)は、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)のとなり2列目センターポジションからスタートするも、ポジションを9番手にダウンしてしまう。

 序盤は7番手からスタートでジャンプアップしたトニー・カナーンがトップに立ち、ガナッシ・デュオが交互にレースをリード。28周目にカナーンがまずはピットイン。ほかのドライバーも続いていき、アロンソも30周目終わりに初めてのピットイン作業を終える。各車ピットインを終えるとトップはエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2番手にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)という展開に。アロンソは3番手に浮上する。

 アロンソは36周目のストレートでカーペンターをかわし2番手に、その翌周にはロッシを抜きトップに浮上。初のリードラップを記録する。44周目には琢磨がカーペンターをかわし、アンドレッティ・オートスポートがワン・ツー・スリーでレースを進めた。

 しかし、53周目に大きなアクシデントが起きる。コーナーを回りきれずウォールにヒットしたジェイ・ハワード(シュミット・ピーターソン)とコース中央付近でディクソンがぶつかり、ディクソンのマシンは宙を舞ってイン側の壁にヒット。マシン後部を失う大きなクラッシュとなった。レースはSAFERウォールや金網の修復のために55周目にレッドフラッグが振られ、一時中断となる。

 20分ほどでレースはアロンソをトップに再開する。アンドレッティ・オートスポート勢は好調で、アロンソ、ロッシ、琢磨、ライアン・ハンター-レイがトップ4を占めながらレースを進める。琢磨も65周目にトップに浮上。2012年以来のリードラップを記録した。

 その後、コナー・デイリー(AJフォイト)のクラッシュやデブリによって2度のコーションが入り、レースは中盤戦へ。ピット作業で遅れた琢磨は徐々にポジションをダウン。レース半分、100周目を終えた段階での順位は、ステイアウトしピット戦略を変えてきたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がトップ。ハンター-レイ、ロッシ、アロンソ、カナーンと続く。

 好調のアンドレッティ勢だったが、137周目にハンター-レイがエンジントラブルでリタイア。そのコーションのピット作業でロッシもエンジンをストールしてしまいトップ争いから脱落してしまう。167周目、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)がエンジントラブルで再びコーションに。ここで多くのドライバーが最後のピットインし、レースは最後のスティントへ入った。

 トップはコーション前にピット作業したマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)がトップ。エド・ジョーンズ(デイル・コイン)も同タイミングでピットインしており2番手に浮上。3番手にカストロネベス、4番手にジェームス・デイビソン(デイル・コイン)、琢磨は5番手と好位置につけ、アロンソは9番手。

 172周目にリスタートを迎え、激しい上位争いが展開される。179周目、佐藤琢磨はターン1でアウトからジョーンズとカストロネベスをかわし2番手に浮上する。一方、ポジションを上げトップ争いに加わろうとしていたアロンソだったが、180周目にエンジントラブルが襲いリタイアに。ここまで素晴らしい走りをみせてくれたアロンソに、スタンドからも惜しむリタイアを惜しむ大きな声援が送られた。

 184周目にリスタートが切られるも多重クラッシュが発生し、9度目のコーションに。デイビソンとオリオール・セルビアが接触しウォールにヒットし、その2台を避けたジェームズ・ヒンチクリフ(ジェームス・ヒンチクリフ)とパワーが接触。ジョセフ・ニューガーデン(ジェームス・ヒンチクリフ)もスピンを喫しイン側にヒット。5台がクラッシュする大きなアクシデントとなったが、幸いにもドライバーは無事のようだ。

 2017年のインディ500は残り11周で大詰めとなる最後のリスタートが切られた。トップはチルトン、琢磨が2番手、3番手にはジョーンズを交わしたカストロネベスが続く。残り7周、ターン3でカストロネベスがチルトンをかわしトップに浮上し、琢磨も続く。そして残り5周、今度はカストロネベスをかわして琢磨がトップに浮上した。

 逃げる琢磨、追うカストロネベス。緊迫したトップ争いは、琢磨がトップのまま、ラスト1周のホワイトフラッグが振られる。

 琢磨はそのままカストロネベスの追撃を振り切り、トップをキープしチェッカーフラッグ! 日本人初のインディ500制覇という偉業を達成した。琢磨にとって2013年以来のインディカー・シリーズ2勝目は、モータースポーツの歴史に名を刻む大きな1勝となった。