フェラーリのキミ・ライコネンは、モナコGPでの2位という結果には大きな価値はないと語った。ライコネンはポールポジションからスタートしてレースをリードしていたが、ピットストップを後から行ったセバスチャン・ベッテルに前に出られ、勝利を獲得することができなかった。
2008年以来のポールポジションを獲得したライコネンは、スタートを決め、ファーストスティントをリードしたが、フェラーリは先にライコネンをピットインさせ、5周後にピットに入ったベッテルが、ライコネンのすぐ前でコースに復帰、そのまま優勝を飾った。
2位に終わったレースの後、表彰台でのライコネンの表情は硬かった。レースについて感想を聞かれたライコネンは「分からない。僕のレースはあまりうまくいかなかった。それは間違いない。それ以外、僕に言えることはない」と答えた。
「それでも2位だけど、少なくとも僕にとっては大きな価値のある結果ではない」
「最高の気分ではない。でも時にはこういうこともある。本来ならもっとうまくやれたはずだったが、そういう日もある」
現在ポイントリーダーのベッテルにより多くのポイントを取らせるためにチームが採ったレース戦略であるとの見方もなされているなか、あのタイミングでピットに入ったのはなぜなのかを問われ、ライコネンは「呼ばれて入った。そういうことだ」と答えた。
「当然、彼ら(チーム)にはそうする理由があった。それについて答えられるのは僕ではない」
「マシンを走らせているのは僕なのだから、自分がそうしたければ(ピットに)入ることができる。でも僕らはひとつのチームとして動いている。指示されたこと、それがうまくいくかどうかを信じることができなければ、厄介な状況になる」
「今日、僕らチームはワンツーを達成することを目指し、それを実現した。でも僕に関しては、もっとうまくやれたはずだ」
「まだ全体像は見ていない。分かっているのは自分が2位になったということだけだ」
「チームとしてはワンツーを達成し、それは喜ばしいことだけど、それ以外については、これからミーティングをして、データをすべてチェックするまでは、僕には分からない」
ルイス・ハミルトンは7位に終わったため、今回の勝利によってベッテルはランキング2位のハミルトンとのポイント差を25点に拡大した。
ベッテル自身は、こういった戦略は事前に決められていたことではないと語った。
「あまり詳しいプランは立てることはできなかった。後方を引き離す予定だったが、(レース序盤にすぐ後ろの3位を走っていた)バルテリ(・ボッタス)のペースがよかった」とベッテル。
「バルテリがピットインし、キミがそれに反応した。僕としては失うものがなかったから、全力でプッシュした。あの2周で大きなギャップを築いて、前の位置でコースに戻れたことに、自分でも驚いたよ」
「マシンはとても好調で、全力でプッシュした。(ライコネンの前に出る)チャンスがあるとすれば、あの時だということは分かっていたんだ」