ドイツ・ニュルブルクリンクで開催されている『第45回ADACチューリッヒ・24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)』は5月27~28日、決勝レースが行われ、レース残り1時間30分を切ったところで一度はポジションを失ったアウディスポーツ・チーム・ランドのコナー・デ・フィリッピ/クリストファー・ミエス/マーカス・ビンケルホック/ケルビン・バン・デル・リンデ組29号車アウディR8 LMSが終盤の雨で逆転優勝を飾った。
例年より高い気温27度、路面温度35度というコンディションで幕を上げた2017年のニュル24時間。2016年は雹が降るなど荒れた天候となったが、今年は好天のなかレースは推移していた。
そんななか、前半からレースをリードした29号車アウディR8 LMSは大きなトラブルなく周回。レース残り2時間を切った時点でも総合首位の座を堅持していた。
しかし、そこからわずか30分後、ルーティンのピットを終えた29号車アウディがグランプリコースで突如スローダウンして緊急ピットイン。
チームクルーたちはマシンのリヤをチェックしてマシンを送り出したが、その間にアウディスポーツ・チームWRTの9号車アウディR8 LMS、ローヴェ・レーシングの98号車BMW M6 GT3に交わされ、総合3番手まで後退してしまう。
この時点でトップ9号車アウディと98号車BMWは20秒前後、98号車BMWと29号車アウディは1分30秒前後のギャップとなり、レースはスプリントバトルの様相に。
レース残り50分を切ったタイミングで、まずは98号車がルーティンのピットを行い、総合3番手でコースに復帰する。
すると、レース残り30分を切ったところでコースの一部に決勝レースで初めての雨粒が落ち始める。降雨から約5分後にピットインした総合首位の9号車アウディはスリックタイヤのまま、コースへ。
一方、総合3番手の29号車アウディはピット作業に時間がかかり、98号車BMWを交わせなかったこともありインターミディエイトタイヤに切り替えるギャンブルに出た。
レース残り20分を切ると北コースを中心に雨は本降りとなり、トップの9号車アウディ、98号車BMWなど、スリックタイヤを履いているマシンはスロー走行を強いられる。
一方、最後のピット作業でインターミディエイトを装着した29号車アウディはレーシングスピードで快走し、レース残り10分で98号車BMWをオーバーテイクして2番手に浮上した。
そのまま29号車アウディがトップを追い詰めると、9号車アウディはインターミディエイトにタイヤを交換するべくピットイン。ファイナルラップで29号車アウディがトップに返り咲くと、意気消沈していたチーム・ランドのピットからは歓声が挙がる。492" /> 43号車BMW M6 GT3[/caption]
総合2位はファイナルラップで9号車アウディを交わした98号車BMWが獲得。3位に9号車アウディ、4位にBMWチーム・シュニッツァーの42号車BMW M6 GT3が続いた。
TOYOTA GAZOO Racingとスバル/STIがエントリーし、12台で争われたSP3TクラスはポールポジションスタートのLMSエンジニアリングの89号車アウディTT RS2が総合25位/クラス1位でチェッカー。
89号車アウディから4分11秒667差の総合26位/クラス2位にTOYOTA GAZOO Racingの170号車レクサスRCが続いた。
クラス3連覇を目指していた90号車スバルWRX STIはレース残り3時間のタイミングで、マシン右フロントから火が出るアクシデントがあり、リタイアとなっている。
SP3クラスを戦うTOYOTA GAZOO Racing Team Thailandは123号車カローラ・アルティスが総合115位/クラス8位、124号車カローラ・アルティスが総合116位/クラス9位でチェッカー。
そのほか、梅本淳一と奥村浩一が乗り込む128号車ルノー・クリオRSはSP3クラスのクラス2位(総合80位)、佐々木孝太が参加する41号車レクサスISF CCS-RがSP8クラスの7台中5位(総合117位)、関豊の162号車BMW E90 325がV4クラス10台中4位(総合83位)、佐藤健介/下島洋介/瀬谷隆の245号車BMW M235i RacingがCup5クラスの13台中6位(総合77位)だった。