マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは、F1復帰戦のモナコで予選9位を獲得しながら、パワーユニットの問題により最後尾スタートを強いられることはショックだったと認めた。
インディ500に出場するフェルナンド・アロンソの代役としてモナコGPに出場、約半年ぶりにF1マシンに乗ったバトンは、予選でQ3進出を果たし、9位を獲得した。しかし、MGU-Hとターボチャージャーを交換しなければならず、予選に臨む前から15グリッド降格のペナルティを受けることは承知していた。バトンは最後尾20番グリッドからスタートする予定だ。
チームメイトのストフェル・バンドーンは、Q3進出を決めたが、Q2終盤にクラッシュしてそれ以降は走れなかったため、予選10位となった。しかしスペインGPでフェリペ・マッサと接触したことで3グリッド降格されることが決まっている。
「今日はすごく楽しかった。プラクティスはうまくいった。でも予選では、マシンのパフォーマンスを微調整していく必要がある。その部分で僕はまだ学ぶべきことがあるね」とバトンは予選を振り返った。
「今年のタイヤは去年のものとはいろいろな面で全く違う。挙動、性能の落ち方、どれぐらい持つかにおいて完全に変わってしまった。そういった部分で最後の数パーセントを見つけ出すのが簡単ではなかった」
Q3ではタイヤの残りセット数の関係で1回のランしか走れず、マシンの限界までプッシュすることができなかったという。
「このマシンの限界がどこにあるのか分からない。そうなるとモナコでは限界を見つけることができない。だから自分が可能だと分かっている範囲で走った。残念だけど、そうしないとウォールに突っ込む羽目になる」
「かなり難しかったけど、心から楽しんだ」
ペナルティについて聞かれたバトンは「これまで何戦走ってきたとしても、こういう状況はこたえる」と答えた。
「昨日知らされた。木曜がとてもうまくいっていたから、予選をすごく楽しみにしていたんだけどね」
「ふたりともグリッドペナルティを受ける。ストフェルは、僕の降格の影響で12番グリッドになり、僕は最後尾スタートだ」
「本当ならふたりともポイント圏内の位置からスタートするはずだっただけに残念だ」
予選の1時間をエンジョイしたというバトンは、これが彼にとってF1最後の予選であると明言した。
「予選9位という結果には満足している。今週末をエンジョイしているよ」とバトン。
「僕にとって(F1での)最後の予選セッションだ。今までで一番楽しんで走れた予選といっていいかもしれない」
「F1を恋しいとは思っていない。(F1から離れていた)この6カ月、素晴らしい時間を過ごしてきた。またマシンに乗って、すごく気に入ったけどね」
「楽しむように言われているし、もちろん楽しんでいる。走ることだけでなく、F1全体の雰囲気をエンジョイしている」
「満足しているよ。今年唯一出場するレースで予選9位だったんだ。20番グリッドからのスタートになるけどね! 今回のようなチャンスを全く予想していなかったから、僕にとっては素晴らしい思い出になる。この“モンスター”と呼ぶべき素晴らしいマシンに乗ってモナコを走ることができるんだ。僕はすごくラッキーだと思う」
「この9位をこの週末の思い出として持ち帰るよ。喜ぶべき結果だよね」