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スーパーフォーミュラ第2戦岡山:金曜走行からのドライバーの手応えと変則2日間

2017年05月26日 19:22  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第2戦岡山金曜占有走行トップタイムの伊沢拓也。
予選と決勝が同日に行われる、1デイ開催×2日間のスーパーフォーミュラ第2戦岡山戦。金曜の占有走行では2度の赤旗が提示されるなど、波乱を予感させる始まりとなったが、この第2戦岡山はどんな戦いが予想されるのだろう。

 まずはレースフォーマットのおさらいから。土曜の予選は20分間の計時予選で、日曜の予選はQ1、Q2のノックアウト方式。決勝は土曜のレース1は30周、日曜のレース2は4本のタイヤ交換が義務付けられる51周での戦いとなる。オーバーテイクシステムはレース1、レース2合わせて5回まで使用することができる。

 サーキット幅が狭く低速コーナーの多い岡山国際サーキットでは例年、いつも以上に予選順位とスタートが重要になる。そして今回のスケジュールでは土曜日午前のフリー走行からレース1の予選開始まで1時間しか間隔がなく、大きなセットアップ変更が試しづらい。そのためにも、金曜の2時間の占有走行が重要な役割を担うことになる。

 その金曜の占有走行では赤旗が2度提示され、セッションが中断された。最初のストップはSUNOCO TEAM LEMANSの大嶋和也。

「乗り始めでものすごいオーバーステアで飛び出してしまい、飛び出した場所が悪くて、そのまま止まってしまいました。前回岡山で走行したのがスポット(2015年中嶋一貴の代役)で、そのときの(スウィフト製)シャシーの特殊なフィーリングとの違いを今日、すごく感じましたね。飛び出したのも、あの時の感覚の影響があったと思います。そう考えると、このSF14はやはり、とても乗りやすいですね」と、今回がスーパーフォーミュラでの3年ぶりの岡山走行となる大嶋。

 それでも、その後、大嶋は再び走り出した途端にタイムアップ。8番手でセッションを終えた。大嶋は岡山を得意とするドライバーのひとりでもある。

「飛び出したあとはクルマのダメージもなく、セッション終盤に走ることができて5番手。まだまだクルマのセットアップは変えたい部分が多い状況ですので、岡山に来る前は入賞が目標でしたが、うまくまとめられれば表彰台も狙えるのではないかと感じています」と、手応えの良さをアピールした

 2度目の赤旗を出してしまったのは、大型ルーキーのピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)。ガスリー担当の星学文エンジニアに、クルマの状況を聞いた。

「アウトラップ、ウォームアップと進んで次のラップでスピードを出したところで、1コーナーでアウトに飛び出してしまいました。クラッシュの程度としては左フロントのサスペンションが壊れて、セッション中の修復は難しかったという程度です。もうほとんど修復は終わっていますし、明日には問題ありません」


 ガスリーは岡山を実際に走るのは初めて。シミュレーターで走行しているとはいえ、コース習熟中でのクラッシュはガスリーにとってもチームにとっても痛い。星エンジニアも、「クルマは第1戦鈴鹿のレースペースが良くなかったので、調子の良かった16号車と情報共有をして、セットアップの対策をしてきたのですが……」と声が重い。

 テストでは常にホンダ陣営のトップだったガスリー。前回の開幕戦鈴鹿でも予選で実戦での難しさを露呈してしまったが、この岡山でも流れの悪いスタートとなってしまった。

 ガスリーとは違うが、占有走行で予想以上に順位が低かったのが、この岡山で本命と見られていたP.MU / CERUMO · INGINGとVANTELIN TEAM TOM’Sの2チーム。もちろん、この占有走行は各ドライバーで前回からのタイヤを引き継いでタイヤの使用状況が違うとはいえ、果たして実際はどんな状況だったのか。石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)に聞いた。

「セットアップをいろいろやりすぎて、最後のタイムは上がらなかったのですが、走り始めのセットアップのフィーリングが良かったですし、ユーズドのタイムが良かったので、明日は今日と同じ位置になるとは思っていません。今日の結果からいろいろアジャストしていけばと思っています」と石浦。

 その石浦の言葉を促すように、トップタイムをマークした伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、結果についてはまったく、喜んでいる気配が見られない。

「トップタイムといえどもタイムは僅差ですし、翌日には順位がまるで変わってしまうのが今のスーパーフォーミュラ。クルマはまだまだ納得できるセットアップではないですし、金曜もどのくらいのクルマがアタックに行っているのかわからない状況ですから、明日になってみないとわかりません。むしろ、金曜にタイムが出てしまって、セットアップを大きく変えずらい状況になってしまったような感じもあります」

「岡山は実はGTではほとんど表彰台に上がっているサーキットで結果はいい。スーパーフォーミュラでも昨年3位ですが、今日の結果からは全然、楽観はしていません。明日、走行してみてからですね」と伊沢。

 伊沢の言葉どおり、その日の路面コンディションで上位の顔ぶれが大きく変わるのがスーパーフォーミュラ。昨年優勝のセルモを筆頭に、トムス、ダンデライアンが岡山での結果がいいが、果たしてどうなるか。

 予選、決勝と変則2日間の開催になる第2戦岡山のゆくえが見えないまま、まずは慌ただしい1デイ開催の土曜日を迎えることになる。