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ストックカー・ブラジル第3戦:“鉄人”ルーベンス・バリチェロが今季初勝利

2017年05月26日 18:33  AUTOSPORT web

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今季初勝利を挙げた2014年シリーズ王者のルーベンス・バリチェロ
ブラジル国内で人気を集めるツーリングカー選手権『ストックカー・ブラジル』の第3戦が、5月20~21日にサンタクルス・ド・ソルを舞台に開催され、2014年のシリーズ王者、“鉄人”ことルーベンス・バリチェロが待望の今季初勝利をマーク。レース2では、バリチェロと同じく元F1ドライバーのアントニオ・ピッツォニアが今季初表彰台となる2位を獲得した。

 土曜午前の予選でも最速タイムを記録したフルタイム・スポーツ・チームのエース、バリチェロは、午後のレース1スタートも危なげなく決め、最初のピットストップまで2番手のマルコス・ゴメス以下、後続をマネジメントする余裕を見せレースを支配。

 その間、中団ではバトルが多発し、シリーズタイトル5回の“帝王”カカ・ブエノと、ブラジリアン・カラーをまとう強豪シムド・レーシングのフェリペ・フラーガ、前戦Tボーンクラッシュを経験したフルタイム・アカデミーのルーカス・フォレスティが、ポイント圏入賞を賭けた激しい10番手争いを展開した。

 その前方では、6~7番手争いでWEC世界耐久選手権のアストンマーティン・レーシングのワークスドライバーも務めるダニエル・セラと、元F1ドライバーのリカルド・ゾンタが全周サイド・バイ・サイドのラップで観衆を沸かせるバトルを披露。

 一方、給油後もゴメスからのプレッシャーをしのぎ続けたバリチェロは、トラック上で完璧な走りを見せ、今季初のトップチェッカーをくぐった。

「ルビーニョ(ルーベンス・バリチェロ)は本当に強かった。僕は給油量を抑える戦略で早めに復帰して前に出ようと思ったが、彼も同様の作戦を採ったみたいだ。コース上で捉えるのは不可能だったよ」と2位ゴメスに言わしめたバリチェロが、うれしい今季初優勝。

「レースを終えてようやくリラックスできた。マルコス(・ゴメス)はつねに僕の背後からノーズをねじ込もうと隙をうかがっていたからね。でもクルマは本当によく機能してくれた。神様のおかげでまた勝つことができてうれしい」と、喜びの表情を見せたバリチェロ。

 その後方、3番手争いを展開した前戦勝者チアゴ・カミーロと、ゾンタのチームメイトでもあるシェルVパワー・レーシング、アッティラ・アブレウ、そして元ウイリアムズF1のテストドライバー経験を持つマックス・ウィルソンの3台は、カミーロがコンマ3秒差で4位アブレウに先行。カミーロが選手権リーダーの意地を見せる結果となった。

 続く日曜のレース2は、レース1を20位で終えていた元レッドブルJr.のリカルド・マウリシオが、トップ10以下タイヤ選択自由の規定を活用し4輪ともにソフトのニュータイヤを選択。

 これが奏功し、彼のユーロファーマRC・シボレー・マリブは序盤から他を圧倒する速さを披露。ピットストップを終えた後は、ゆうゆうのクルージングとなり今季初勝利を飾った。

「最初のレースは僕にとって本当に困難なものになったので、ターゲットをこのレースに切り替え、4輪ニュータイヤを履く戦略を採った。下位のドライバーはみなこの戦略だったけど、燃料を積んだ状態でもマシンは最高だった」と、マウリシオ。

 そして2位には、前戦でのコース復帰アクションで多重事故の引き金となり“モラルハザード”の適用で、レース1最後尾グリッドからの戦いとなったアントニオ・ピッツオニアが、レース2で脅威的追い上げを完遂。

 序盤はトラフィックに苦戦しながら徐々に順位を上げ、最終ラップ目前で2番手のフェリペ・ラピーニャをワンチャンスで仕留めてオーバーテイク。観客の大声援を受けての2位チェッカーとなった。

「あらゆる場面、あらゆる瞬間でリスクを背負って走った。僕らにはプッシュするしか選択肢が残されていなかったからね。でもピットレーンまでワイドに使って、なんとかオーバーテイクを成功させることができて良かった」と、安堵のピッツォニア。

 結局、ラピーニャはこのバトルのあおりで後方セルジオ・ヒメネスにも最終ラップでの逆転を許し、表彰台を逃す結果となった。

 ストックカー・ブラジルの2017年シーズン第4戦は、6月10~11日にパラナの州都クリティバから西へ500km、世界最大の滝“フォス・ド・イグアス”にほど近いカスカベルのトラックで開催される。