123号車カローラ・オルティス 5月24日
あの有名なニュルブルクリンク・サーキットはドイツ北西部にあり、フランクフルト空港からは車で約1時間半のところにあります。山岳地帯にあるサーキットだけに、昼間は20度くらいありましたが、夕方になると、風も強くフリースなどの厚目の上着が必要なほどの寒さです。
今週末にここニュルブルクリンクで開催される24時間レースにTOYOTA Gazoo Racing Team THAILANDから2台のカローラ・アルティスで参戦します。チームタイランドとしての参戦も今年で4年目、スタッフもドライバーもニュルブルクリンクにも慣れてきました。周りのドイツ人からも挨拶されるなど、かなりリラックスした雰囲気のなかで準備は進められています。
今日、水曜日の朝にタイからフランクフルト空港に着いたばかりのチームスタッフでしたが、サーキットに着くとすぐにレースへの準備が始まります。ただ、今日は走行もなく、公式な行事としては選手受付と装備品検査があるだけ。ニュルブルクリンクもどことなくのんびりとした雰囲気でした。まさに戦いの前の静けさといった感じです。
それでも、参加台数100台を超えるビッグレースだけにパドックは多くの関係者や、ホスピタリティなどがあり、非常に賑わって華やかな感じがします。チームとしては、今週のスケジュールの確認など、簡単なチームミーティングを行いました。
そして、以下が今回このニュルブルクリンク24時間レースに出るドライバーです。
#123
・Suttipong Smittachartch(スティポン・サミタシャ)
チームオーナー、通称アトさん。TRDタイランドの社長兼ドライバー。過去にはタイ選手権のチャンピオンを何度も取ったことのあるレジェンドドライバーです。今年もタイ・スーパーカーに参戦中。スーパーGTのパンサーチームタイランドではチーム監督を務めています。
・Nattavude Charoensukhawatana(ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ)
チームタイランドのエースドライバー。通称ナットさん。もともとはタイの2輪のチャンピオン。トヨタ・チーム・タイランドのエースドライバーでもあり、タイ・スーパーカーレースでは毎年チャンピオン争いをしている実力派。昨年は見事チャンピオンも獲得。今年からスーパーGTに参戦しています。ナットさんはとてもフレンドリーで会うたびに日本語を覚えていて日本語での会話もできます。
・Manat Kulapalanont(マナット・グラッパラノン)
タイ・スーパーカー参戦中、通称トンさん。トンさんはとても優しく子供が好きでルイさんのお子さんとよく遊んでいます。
・Nattapong Hortongkum(ナタポン・ホートンカム)
トヨタ・チーム・タイランドではナタウッドに次ぐ実力派。その実力を買われて今年のスーパーGTのドライバーに抜擢された。通称マンさん。タイ・スーパーカーレースにもナタウッドのチームメイトとして最高峰クラスに参戦。今年の第1戦では優勝しています。マンさんはとてもフレンドリーでいつも周りを気にかけてくれます。
#124
・Grant Supaponghs(ガラン・スパポン)
TCRタイランド参戦。通称チョンさん。チョンさんは“クリスピーポーク”という料理を作るのがとても上手。味付けに塩コショウをかけるのですがそのかけ方がとても面白くいつもみんなを笑わせてくれます。
・Takayuki Kinoshita(木下隆之)
今年からチームタイランドに参加した唯一の日本人ドライバー。過去には日本のスーパーGT500クラスにも参戦。ニュルブルクリンク24時間には何度も参戦しており、ニュルブルクリンクのスペシャリストとして助っ人参戦してくれた。今年は日本ではスーパー耐久にも参戦している。
・Arthit Ruengsomboon(アーティットゥ・リアンソンブン)
TOYOTA YARISチャンピオン。通称ルイさん。ルイさんはいつもお子さんの面倒をみていてとても優しいお父さんです。
・Chen Jian-Hong(チョン・ジアン-ホン)
TCRタイランドチャンピオン。チョンさんはとてもシャイですが話し始めるととても面白い方です。
以上の8名。
明日は現地時間15時45分~17時25分で公式練習、20時05分~23時30分で予選1回目があります。
5月25日
今日のニュルブルクリンクは晴れ。気温は20度前後ととても過ごしやすかったです。ニュルブルクリンクに向かうまでの道中は草原が広がっていてとてもきれいです。聞いた話ではキツネやシカが出ることもあるそうです。
今日からレーススケジュールが開始ということで会場には観客もいて一層賑やかな雰囲気になりました。そしてセキュリティーが徹底されていてピットガレージの入口には各ピットにひとりずつ警備がいます。
ピットガレージの上にあるVIPルームのフロアに入るにはバーコード付きのプラスチックパスが必要で機械にそのバーコードをかざしてやっとフロアに入れます。そのフロアから出る時もまたバーコードの読み込みを行います。
TOYOTA Gazoo Racing Team THAILANDは12時45分から、ドライバーズブリーフィングに出席し、そのあと全ドライバーが無線とシートポジションの最終確認を行いました。この後TOYOTA Gazoo Racing Teamと一緒に写真撮影を行いました。タイ、日本関係なくドライバー同士で会話をしたり写真を撮ったりしていました。
公式練習は、#123はナタウッド選手がクルマの確認走行を行い、その後スティポン選手が4月30日のタイのレースで痛めた体の確認走行を行いました。#124は木下選手がクルマの確認走行を行いました。2台ともアライメントの調整が必要とのことで、走行後メカニックはアライメントを調整していました。
ホスピタリティではタイ料理が並びドライバ―達の食のサポートにも力を入れています。夜に行われる予選に向けてそれぞれ体を休めたり食事をとったりしていました。
20時05分、いよいよQ1が始まります。空は日中と変わらない明るさで気温も20度前後と変わりなし。#123はナタウッド選手が10分15秒139で2番手。スティポン選手がアタックも変わらず2番手。ナタポン選手が10分9秒490とタイムを更新しますが順位は変わらず。
その後も、マナット選手、ナタウッド選手と、それぞれ2周ずつアタックしましたが変わらず2番手。走行時間はまだありましたが、チームはここで予選を終え結果は3位となりました。
#124は木下選手が10分25秒507で4番手。ガラン選手はベストタイム更新ならず5番手、アーティットゥ選手、チョン選手とベストタイム変わらず6番手となります。ふたたび木下選手が乗り込み、10分12秒286で4番手に浮上。
それぞれ2周ずつアタックし、走行時間はまだありましたがチームはここで予選を終え結果は4位。Q1終了後、チームは明日9時30分からの予選に向けミーティングを行いました。チーム一丸となって頑張りますのでTOYOTA Gazoo Racig Team THAILAND #123と#124の応援よろしくお願いいたします。