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WEC:ル・マン・テストデーのBoP発表。2016年優勝のフォードGTに調整加わる

2017年05月26日 13:22  AUTOSPORT web

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フォードGTは参戦初年度となった2016年のル・マン24時間でクラス優勝を果たした
ル・マン24時間の2週間前、6月4日に行われるオフィシャル・テストデーを前にLM-GTEプロクラスのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)が発表され、フォードGTの性能を抑制する措置が採られることが判明した。

 今回発表されたBoPでは、2016年のル・マンでクラス優勝を飾ったフォードGTへの調整値が厳しくされた一方で、ライバルのアストンマーチン・バンテージ、シボレー・コルベットC7.Rについては制限を緩和する方向に変更されている。

 具体的には、フォードGTの最低重量が昨年のル・マン参戦時と比べて20kg重い1268kgとなるほか、エンジン回転数ごとに設定される過給器のブーストレシオもほぼ全域にわたって削減され、エンジン出力が絞られることとなる。

 アストンマーチンは、最低重量が昨年より10kg重い1193kgとなるが、エンジンのエアリストリクター径が0.4mm広げられ、φ29.8mmとなった。

 また、コルベットは1243kgという最低重量は変わらないもののエアリストリクター径に変更があり、0.7mm拡大のφ29.7mmとなっている。

 2017年にデビューし、今季がル・マン初参戦となる新型ポルシェ911 RSRは、2016年モデルより10kg増の1258kg。エアリストリクター径は0.1mm縮小のφ30.1mmとなった。

 なお、昨年はリシ・コンペティツィオーネがクラス2位を獲得したフェラーリ488 GTEは、LM-GTEプロクラスのBoP基準車となっているため、数値に変更はない。

 WEC世界耐久選手権のLM-GTEクラスでは2017年シーズンから、人の手を介さないオートマチックシステムによるBoPの自動調整が行われているが、全長13.6kmのル・マン24時間サーキット(サルトサーキット)においては、その独自性から特例として従来どおりの手法でBoPが決定される。

 ル・マン24時間の主催者であるACOフランス西部自動車クラブとFIAにはレース前とレース期間中、性能調整を追加変更する権利を持つ。実際に、昨年はテストデーからレーススタートまでの間に2度の追加調整が入っている。

 アストンマーチンのモータースポーツ担当マネージングディレクターのジョン・ガウは「性能調整を受けたが、我々はFIAとACOによる手続きに満足しているよ。この調整がレースデーで正しく機能することを確信している」と語った。