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【バトン F1モナコ密着】すでにチームメイトとは僅差、ブランクを感じさせないベテランの走り

2017年05月26日 08:42  AUTOSPORT web

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F1モナコGP初日を12番手で終えたジェンソン・バトン
ジェンソン・バトンにとって、昨年最終戦アブダビGP以来となるF1マシンドライブ。初日午前10時からの1回目フリー走行では、先頭を切ってコースに出て行った。タバココーナーのブレーキングで、いきなりタイヤロック。本人も一瞬ヒヤッとしたことだろうが、まだ十分にスピードが出ていないことも幸いし、ガードレールへの接触は避けられた。 

 しかしそこからは、半年近いブランクを感じさせない順調な周回を重ねて行った。まず今週末では最も固いソフトタイヤで14周のロングラン。続いてウルトラソフトに履き替え、同じく14周をこなし、14番手に付けた。12番手だったチームメイトのストフェル・バンドーンに対しては、コンマ1秒落ちだった。

 MCL32を初めて走らせた印象を、「とにかくグリップが強大なのに驚いた」とバトンは言う。

「ブレーキングのたびに、ガードレールに突っ込むような気がした。でも全然大丈夫。しかもその高いスピードを保ったまま、コーナーを回れてしまうんだ。高速コーナーは、最高だったね。ひとつ目のプールシケインなんて、全開で抜けて行ける。そんなこと、おそらく今まで経験したことなかったと思う」

 午後のFP2も順調に周回を重ね、ロングとショートランを組み合わせつつ、合計37周。自己ベストを1秒近く縮めて、順位も12番手まで上げた。11番手のバンドーンとの差も、0.035秒まで縮まった。しかしバトン本人は、マシンセッティングが今一つ納得できていない。

「特にブレーキングだね。まだ100%信頼して、踏めるところまで行けてない。でもデータは十分取れたから、土曜日までにしっかり分析できれば、マシン性能を100%引き出せるはずだ」

 ちなみにFP2でマクラーレン勢のすぐ上には、10番手にはバルテリ・ボッタス、8番手にはルイス・ハミルトンのメルセデス勢がいて、いずれもコンマ1秒未満の僅差しかない。しかし、バトンは「予選も彼らのコンマ1秒以内に付けられるなんて、そんなことは期待してない」と言う。

「でもマシンが毎戦のように進化してきたことは、シミュレーターでも確認できた。モナコに向けたアップデートも、十分に真価を発揮してくれるはず。予選はクリアラップをきっちり取れるかどうかが明暗を分けるけど、それさえできればいい戦いができるんじゃないかな」

 コースインした直後には、思わず笑みがこぼれたと告白したバトン。伸び伸びと楽しみながら、初日からきっちり結果を出してくるのはさすがと言う他ない。