WorldRX世界ラリークロス選手権の17年シーズン第4戦で今季初勝利を手にしていたヨハン・クリストファーソンが、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権第2戦に今季初参戦。予選Q1、Q2、Q3、決勝3レースを完全制覇するという驚異的リザルトで週末を席巻した。
今季WorldRXとの並行参戦を計画していたクリストファーソンは、世界戦勝利から1週間後に行われたSTCCの第2戦、唯一のフィンランド開催となるアラスタロ戦に初見参。父の運営するクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)からのエントリーとなった。
今季ドライブするマシンは、WorldRXで所属するPSRXフォルクスワーゲンRXチーム・スウェーデンと同様、フォルクスワーゲン・スウェーデンからの公式サポートを得るフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRで、クリストファーソン自身はこの週末に初めてステアリングを握ることとなった。
一方、この“二足のわらじ”状態のエースが欠場するラウンドでの代役として起用された大ベテラン、フレデリック・エクブロムは、本来ならこのラウンドへの参戦契約を結んでいなかったが、開幕戦での勝利により選手権2番手につけ、チームは急きょ体制を拡大。
3台目のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRを準備し、エクブロムをフィンランドへ伴う決断を下した。
「僕にとっては素晴らしいことだ。ふたたびマシンに乗ってボックスから飛び出し、グリッドに並ぶことができたんだからね。これで今季は2台の異なるマシンで6レースを経験できたことになる」と喜びを語ったエクブロム。しかし、週末を経た段階で正直な心情も付け加えた。
「もちろん、選手権争いを展開できていることはうれしい。でも同時に、リザルトを見る限りヨハン(・クリストファーソン)とのマッチアップは相当厳しいものになりそうだね」
予選Q1、Q2、Q3を制し、全レースをポールポジションからスタートすることになったクリストファーソンは、レース1スタートでも落ち着いたバトルを披露。フロントロウに並んだセアト・ディーラーチーム、PWRレーシングのロバート・ダールグレンに対しサイド・バイ・サイドの勝負となるが、1コーナーでの先行は許さず。結局、2番手以下に15秒近い大差を築いて17年STCC初勝利をマークした。
「ロバート(・ダールグレン)の(セアト・)レオンがインに飛び込んできて、僕は少しオーバーステアが出たけど、彼はきっちり僕のスベースを残してくれていた。とてもフェアなバトルだったね」とクリストファーソン。
そのダールグレンは、レストラップ・レーシングのアルビン・ワルネロとのバトルで接触。自身は4番手まで後退し、ワルネロのホンダ・シビックTCRはラジエターを破損しマシンを止めることに。
このアクシデントもあり、2位にはKMSのチームメイト、フレデリック・ブロムステッド、3位にエクブロムが入り、ゴルフGTI TCRのKMSが表彰台を独占する結果となった。
続くレース2では、チームメイトのエクブロムとのフロントロウ対決となるも、オープニングラップでの攻防を制したクリストファーソンがトップチェッカー。以下、エクブロム、ダールグレン、そして同じくPWRレーシングのダニエル・ハグロフと続いた。
最終レース3は、2番グリッドのハグロフがじりじりと後退する展開で10位に。その結果、クリストファーソン、ブロムステッド、エクブロムというレース1とまったく同じ着順でKMSが2度目の表彰台独占を達成。
「先週末のベルギーで世界ラリークロスに勝てたのに続いて、今週も完璧な勝利を手にすることができた。本当に最高の気分だよ」と、笑顔のクリストファーソン。
これで選手権は3位、2位、3位と週末全表彰台を記録したエクブロムが、ポイントスタンディングのトップに浮上。ダールグレンが5ポイント差の2番手に後退。そして3番手に初参戦のクリストファーソンが急浮上している。
次戦STCCの第3戦はふたたびスウェーデン開催へと戻り、首都ストックホルム近郊のソルバラにて6月16~17日に開催される。