2017 AUTOBACS SUPER GT Round3 「SUPER GT IN KYUSHU 300km」REPORT
第2戦から約2週間という短いインターバルを経て、スーパーGT2017シリーズは第3戦を迎えた。舞台は震災の影響から2年ぶりとなる九州のオートポリス。
開幕から2戦連続ノーポイントと苦戦を強いられている46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」にとっては、GT-R勢が得意とするコースがカレンダーに復帰したことで、ここを挽回のきっかけとしたいところだ。
予選でいえば今季、まだ一度もQ2進出を果たしていない46号車。
午前中の公式練習では占有走行時間帯に千代勝正が予選シミュレーションを行い6位と、Q2進出圏内のポジションから週末をスタートさせた。
5月20日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:27℃ 路面温度:41℃(予選開始時)
■公式練習結果:6位 1'35.251(千代)
■公式予選Q2結果:2位 1'34.331(本山)
五月晴れとなったオートポリスは午後になり、夏さながらの暑さとなった。そのピークとなる午後2時より予選Q1が開始。状況から予想される通り各車は開始早々には動かず、後半の短い周回数で雌雄は決せられることになった。
千代がアタッカーをつとめる46号車は8分過ぎにコースインすると1周のウォーミングラップの後、アタックを開始。このタイミングでコースインしたマシンが多くポジション取りに苦戦するなか、想定より路面温度が上がりすぎたことで乗りにくくなってしまったマシンをなんとかねじ伏せ、ファーストアタックで1'35.270をマーク。さらなるタイムアップを目指し2周目に入る。
しかしここでコース上にイエローフラッグが提示された為、再アタックは断念。だが、その1発で46号車は5位に食い込み、今季初のQ2進出を決めた。
その後、午後2時45分よりGT500クラスのQ2が開始された。46号車のQ2は、今季予選初出走となる本山哲がアタッカー。コンディションはQ1のときとほぼ変わらず、やはりこのQ2も後半残り数分での勝負となった。
本山は残り6分となったところでコースインすると、1周のウォームアップランを経て渾身のアタックに入る。そして期待通りその時点でのトップタイムを大幅に更新する1'34.331をマークしトップへと浮上。
Q1のフィードバックによリアジャストしたマシンは戦闘力が上がり、さらに本山もここ一番の完璧なアタックを見せた結果だった。この後1台に逆転を許すことにはなったが、46号車は最終的に2位に留まりフロントローを獲得。レースでは今季初ポイント獲得はおろか、初優勝も視野に入ってきた。
●本山哲の予選コメント
「久しぶりに予選を楽しめました。オートポリスは好きなサーキットでもあるし、タイヤ、クルマ含め、シーズンオフから頑張ってきたことがかたちとなり思い切り走れました」
「Q1はやや厳しい状況でしたが、そこで千代が1発で決めてくれたことで流れも良かったと思います。それでもトップとは差があるのでその部分は正直悔しいですが、オフからのことを思えばこの予選結果は嬉しく思います」
「タイヤに厳しいサーキットなのでそのあたりうまくマネージメントして、レースは当然優勝を狙っていきます。応援よろしくお願いします!」
5月21日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24℃ 路面温度:35℃(決勝開始時)
■決勝結果:4位(65周)2h00'23.938(本山→千代)
この日も前日同様の五月晴れとなったオートポリスには、2年ぶりの開催ということで多くのファンが来場。午後2時にスタートした第3戦決勝はそんなファンの期待通り、最終ラップまで白熱のバトルが随所で展開された。
パレードランの後レースはクリーンなスタートが切られ、オープニングラップでのGT500クラスに順位変動はなし。本山がスタートドライバーをつとめる2番グリッドの46号車も、まずは2位をキープした。
その後序盤はトップと一定の距離おいて周回を重ねる展開となった46号車だが、マシンの調子もタイヤのパフォーマンスも前日に続き安定していた。
5周目にセーフティカーが入ったことで以降2位争いは混戦となり21周目、GT300クラスに引っかかり失速したスキをつかれ4位に順位を下げてしまうが、本山はそこから引き離されることなく安定したペースをキープ。チェッカーまでに再び順位を戻すチャンスが充分あることを感じさせた。
1stスティントは少し長めの37周を数えピットイン、ドライバーを千代に代えた46号車は4位でコースに復帰。そして千代は瞬く間に3位に近づき41周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込む。
ペースは完全に46号車の方が勝っており、3位浮上は目前だと思われた。しかし巧みなブロックの前になかなか活路を見いだせず、再び後続が迫ってくることになる。レースは40周を超えた頃から熾烈な3位争いに発展。46号車は一旦ポジションを下げるも55周目には4位へと復帰。
速いペースを維持していた46号車はやはり、表彰台を狙える位置まで戻ってきた。
そして55周目、ついにターン2でサイド・バイ・サイドに持ち込むことに成功するも、追い越しが禁止される黄旗区間に入っていたことでもとのポジションに戻らざるを得なくなる。
その後も3位を巡る一進一退の激しい攻防は最終周回まで繰り広げられることになったが、惜しくも46号車は4位のまま65周のレースを終えることになった。
●本山哲の決勝コメント
「タイヤ、マシンのパフォーマンスは終始安定していたのでうまく走れれば表彰台も目標圏内に入りましたが、タイミングが悪く遅いマシンに引っかかってしまったり、千代も黄旗が出たことで順位を上げられず結果的に表彰台を逃してしまったのは残念でした」
「開幕戦から2戦はマシンの仕上がりに若干の不安も有りましたが、このレースを終えシーズン序盤でトップ争いに加われるアップデートが確認出来たと思います」
「これから夏のシリーズ3連戦に向けて、更にポテンシャルを向上させてランキングの上位を目指します。RD4まで一か月以上有るので、その間にチームの総力を結集してファンの皆さんが期待している速いGT-Rにするのでご期待ください」
「次戦以降も更に頑張っていきますので、皆さん、次のSUGOも応援よろしくお願いします!」