BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦が、5月20~21日にオールトンパークで行われ、レース1をウエスト・サリー・レーシング(WSR)のアンドリュー・ジョーダンが制覇。続くレース2では今季からスバル・チームBMRに移籍したアシュリー・サットンが、スバル・レヴォーグに今季初勝利をプレゼント。最終レース3では、チーム・ダイナミクスのゴードン・シェドンがマット・ニールを従えトップチェッカー。シビック・タイプRによるワン・ツー・フィニッシュを飾った。
プラクティスから雨がらみとなったオールトンパークの週末は、今季からBMWワークスに復帰したWSRと、ハルフォズ・ユアサ・レーシングのホンダ・シビック・タイプRが好調を維持。予選ポールポジションはシビックを駆る、マット・ニールのものとなった。
迎えた日曜レース1は、予選2番手につけたジョーダンのBMW 125i Mスポーツが抜群のスタートで1コーナー"オールド・ホール"へ。
ダンロップのソフトコンパウンドを選択していたジョーダンは、トラクションに勝るスタートでニールのシビックに競り勝った後は、後続とのギャップをマネジメント。
その後はニールを封じ込め、ゆうゆうと今季2度目のトップフィニッシュ。ニールが2位表彰台、3位には6番グリッドから、WSRのコリン・ターキントンらを豪快にオーバーテイクして順位を上げてきた、チームBMRのサットンが入った。
日曜正午にスタートが切られたレース2は、そのサットンが躍進。オープニングラップで3番手から2番手にポジションを上げ、ポールスタートのジョーダンにプレッシャーを掛けると、2周目のターン12"ネッカーブルック"でジョーダンのBMWをかわし首位に浮上した。
一方、2番手に後退したジョーダンは、レース1勝利のサクセスバラストを満載した状態でなんとかポジションキープを狙ったものの、背後から迫るWSRのチームメイト、ロブ・コラードとサイド・バイ・サイドのバトルに発展。
ジョーダンは防戦及ばずコラードに先行を許すと、そのバトルでのロスを見逃さなかったチーム・ダイナミクスのニールとシェドン、2台のシビックにも続けてオーバーテイクされ、5番手まで後退することとなった。
その後、首位のスバル・レヴォーグをドライブするサットンを追ったコラードだったが、彼のBMWの背後に2台のシビックが迫り、BMWもディフェンスに集中せざるをえず、レースはそのままチェッカー。
この週末のレース前に規定ブースト圧の見直しを受けたレヴォーグが今季初勝利。2位にBMWのコラード、3、4位に、ニールとシェドンのホンダ・シビック勢が続いた。
そして最終レース3は、リバースポールからスタートしたジョシュ・クックのフォード・フォーカスSTに、3番グリッドからまたもロケットスタートを決めたジョーダンが迫り、すぐさまBMWが首位へ。
順位を落としたクックの背後にはシェドンのシビックが迫り、4周目の1コーナーでシェドンがクックのインに飛び込むと、シビックとフォーカスの両車は接触。このコンタクトでフォーカスのサスペンションはダメージを負い、リタイアに追い込まれてしまう。
このアクシデントの直後には、ヘアピンでバトルを繰り広げていたレーザー・ツール・メルセデスAクラスのエイデン・モファットと、デイブ・ニューシャムのシボレー・クルーズが激しいクラッシュ。タイヤバリアの修復とマシン撤去のためにセーフティカーが導入され、ジョーダン、シェドン、ニールのギャップは最小限に縮められた。
迎えたリスタート。なんとかポジションを守りたいジョーダンは、必死のディフェンスを見せるも、15周目の"カスケード"で華麗なダイブを見せたシェドンがジョーダンのBMWをオーバーテイクすると、その間隙を狙っていたニールも続き、2台のシビックが揃って前へ。
その後、このオーダーのままレース3はチェッカーを迎え、チーム・ダイナミクスのホンダ・シビック・タイプRが見事ワン・ツーフィニッシュを達成した。シェドンは今季2勝目となり、ポイントスタンディングでも2位コラードに16ポイント差の首位に躍り出た。
BTCCの次戦、第5戦は6月10~11日に、北ヨークシャーのクロフトで開催される。