「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法改正案が23日、衆議院本会議で可決された。この報道を受けてお笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん(36)は、
「共謀罪、国民が悪いことしないかプライバシーを侵害して監視するなら、国会や政治家のプライバシーこそ侵害させてもらって覗かせてもらいたい」
とツイッターに。「共謀罪」ではなく、「国会議員のメール等を国民が監視する法案」「むちゃくちゃな法案等準備罪」を作ってほしいと皮肉った。
内田樹氏「反対や棄権が参議院では増えることを祈る」とツイート
共謀罪が成立すると、犯罪を実行する前に処罰できるようになる。複数人で犯罪を実行しようと話し合い、誰かが現場の下見や資金の準備を始めた段階で、計画した全員を処罰することが可能になる。
この法案をめぐっては、「『一般の人』は捜査の対象になるのか」「桜並木の下を歩くのは『花見か下見か』どうやって判断するのか」などが焦点になっていた。野党からは審議が不十分だという批判がある中での衆議院での採決だった。
他の著名人からも懸念の声が相次いでいる。脳科学者の茂木健一郎さん(54)は、衆議院本会議の開会中に「議員のみなさん、共謀罪のような重要法案については、党議ではなく、一人ひとりの良心、理性に従って投票するのが筋だと思います」とツイッターで呼びかけていた。
可決後には、思想家の内田樹さん(66)も、
「共謀罪衆院採決自民党から反対票が1、棄権が1。『2人しかいなかった』と言うべきか、『2人もいた』と言うべきか。僕は『2人もいた』派です。これが参院では3人、4人と増えることを祈るばかりです」
とツイートしている。
町山智浩氏「国連から叱られたら逆ギレってマジどうかしてる」
国際社会からも懸念の声は上がっている。これまで政府は、187か国が締結している国際組織犯罪防止条約に加入するためには、共謀罪が必要だと説明してきた。
しかし、国連の特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と懸念する書簡を安倍晋三首相に送付。これに政府は「個人の報告で国連の立場を反映しない」と反発した。
こうした政府の姿勢に対して、映画評論家の町山智浩さん(54)は、
「共謀罪は『国際組織犯罪防止条約のため』と言ってたのに国連から「人権侵害」と叱られたらちゃんと回答せずに逆ギレって、マジどうかしてる」
とツイート。多くの注目を集め、2000回近くリツイートされた。
音楽グループ「AAA(トリプルエー)」の日高光啓さん(30)も、
「トランプ政権以降の国家間、人種間の軋轢や日本でも共謀罪の衆院通過とかなってくると戦争の気配は感じずにいられない」
と恐怖心を吐露した。