レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイは、F1マシン設計の仕事において自分が一線を退いた後、チームが採用した「委員会」的組織体制が、2017年F1の大規模なルール変更にうまく対応することができず、今年の不振につながったと考えている。
今シーズン、レッドブルはタイトル争いに復帰できるものと予想されていたが、5戦終了時点で2回の表彰台獲得にとどまっている。
そのため、ニューウェイのF1への関与が再び増えてきている。これまで彼はアストンマーチン・ハイパーカーやヨットレースのアメリカズカップなどの他のプロジェクトに集中するために、段階的にF1チームでの役割を縮小していた。
「私は身を引いていたが、細かく分担された、委員会のような体制で運営された結果、マシンがいいパフォーマンスを発揮していないことが明らかになってきた」とニューウェイは語った。
「ある意味、チームに対する義務のような形で、なんとか状況を打開するのに私に何ができるかを見るため、2回目のテストから関与するようになり、以来とても忙しくしている」
「長期ではやるつもりはないが、一定期間であれば喜んで引き受ける」
「はっきりしているのは、私は新体制の調整が安定した時に退き、その後、システムはうまく機能していたが、そうした委員会型のアプローチは大きなレギュレーション変更の際にはうまくいっていないということだ」
「将来のために再考する必要がある」
レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、チームが採り入れた体制はうまく回っており、今は再度ニューウェイを迎え入れるために適応しようとしているところだと異議を唱えた。
「体制はほとんど変わっていない。なぜならニューウェイは今も体制に絡んでいるのだから」とホーナーは語った。
「彼は定期的に技術責任者たちと打ち合わせをしている」
「おそらく彼が言っているのは、部門間のコミュニケーションのことだと思う」
「すべてのことが進化するのは明らかだ。レッドブル・レーシングはその第1日目から進化し続けている組織だ」
ホーナーは、ニューウェイの関与は最初は部分的だったため、2017年の新レギュレーションに対する知識不足を取り戻す必要があったことを認めた。
「おそらく彼は以前ほどにはレギュレーション変更の状況を見守ってはいなかったと思う」とホーナー。
「だから今、変更を把握しようと努力している」
「彼は今、大きく関わっており、もちろん、膨大な知識と経験を持っている。それを皆が参考にすることができるし、彼自身、実行に移すことができる。我々にとって計り知れない資産だ」
またホーナーは、ニューウェイが他のプロジェクトに集中していた間の、レッドブル・デザインチームの仕事を擁護した。
「この何年か、特に昨年の初めごろは、彼(ニューウェイ)の関与は本当に少なかった」とホーナーは語った。
「それでもチームは(2016年型マシンの)RB12の開発で素晴らしい仕事をし、非常に競争力のあるマシンを作り出したんだ」